熊本県山鹿市役所で働く西村さんのインタビュー記事です。
eスポーツや婚活支援、さらにはYouTubeの運営など、「公務員」ときいてすぐにはイメージできないような多岐にわたる業務に携わる西村さんに、山鹿市で働くやりがいや楽しさについてお話しいただきました。
山鹿市で働くことの魅力のほか、これから公務員を目指す方に向けたメッセージなど、自治体で働くうえで参考になることが詰まった内容となっています。
―まずは簡単に自己紹介をお願いします。
西村:出身は南関町です。県内の高校を卒業後、大学は県外の大学に進学し国際キャリア学部を専攻していました。
元々航空業界で働きたいと思っていたため、英語を学びながら、航空業界への就職も狙えるような学校を選択しました。大学では英語はもちろん、異文化理解を深めるため、様々な国の文化や歴史なども学んでいました。
―航空関係の仕事を目指していた西村さんが、なぜ公務員を志すようになったのですか?
西村:元々漠然とした航空業界への憧れがあったのですが、実際に同じ目標を持った人たちと学んでいると、自分の志望動機はちょっと弱いのかもしれないと思うようになったんです。
他の選択肢を模索している中で、市役所のインターンシップに参加したのですが、そこで目にした公務員の仕事内容やライフスタイルに魅力を感じ、自分にも合っているのではないかと思い、公務員を目指すようになりました。
実を言うと、昔から親に「公務員になった方がいいんじゃない?」と言われていたこともあり、頭の片隅には常に公務員という選択肢ももっていましたね。
―数ある自治体の中で、なぜ山鹿市役所を選んだのですか?
西村:いくつか理由があるのですが、一つは地元には大卒の募集枠がなかったということです。せっかく大学を卒業したので、給与面なども考慮して大卒枠で挑戦したいと考えていたことから、大卒枠の募集をしていた山鹿市を受験しようと思いました。
山鹿市には特別な思い入れもあります。小さい頃、両親の仕事が忙しく中々遠くまで旅行に行くという機会は少なかったのですが、毎年夏の山鹿灯籠まつりの花火だけは、必ず連れて行ってもらっていたんです。そんな温かい思い出と親近感もあり、山鹿市で働いてみたいという思いがありました。
また、人事の方の対応も最終的に山鹿市を選んだきっかけの一つでしたね。提出書類の事などをこまめに教えていただいたり、何より対応が丁寧だという印象で、こういう人たちと働きたいという気持ちになりました。

―就職活動はどのように進めましたか?
西村:公務員試験対策をしっかりとしておきたかったので、公務員予備校に半年間ほど通っていました。学校には過去の面接で聞かれた質問集などがあり、それを参考に面接対策をしていました。
受かった人とそうでなかった人の回答例を見比べて、自分はどう答えるべきかを考えるのは、とても勉強になりましたね。
ただ、実際に山鹿市役所の面接で聞かれた質問は、事前に準備していたものとは結構違っていました。 例えば、「あなたはボランティア活動をしたことがありますか?」といった質問があったのですが、全然考えていなかったということもあり正直焦りましたね(笑)
―入庁後、これまでにどのような業務に携わってきましたか?
西村:入庁してから3年目までは地域生活課に在籍し、婚活支援事業や地域おこし協力隊のサポート、公共交通のあいのりタクシーの運行管理などを担当していました。
令和5年度からは、総合戦略課に異動となり、現在はeスポーツとYouTubeの運営に携わっています。
―eスポーツやYouTubeですか?業務としてどのように携わるのでしょうか?
西村:山鹿市では、現在eスポーツを取り入れたまちの活性化にも取り組んでいます。その中でも、私はイベントの企画や運営、体験会に参加する団体の行程調整や連絡対応などを行っています。
最近では、国の指定重要文化財でもある八千代座でeスポーツ大会を開催しました!参加者は16チームで、約50名の選手のほか、観客や応援の方を含めると、200名ほどが集まる大きなイベントとなりました。


YouTube関連では、市職員が制作班となり、企画から撮影、編集までを行って動画を作成しています。私はその調整役として、スケジュール管理や広報担当との連携などを行っています。今年の動画のテーマは、職員研修の様子や職員募集のPR動画、山鹿灯籠まつりの準備風景の紹介動画などです。
また、山鹿市では栗の特産品化を進めていて、3ヶ月にわたる「栗グルメフェア」の開催に合わせて、市内のお店を取材し、動画で紹介する企画なども行いました。

―公務員からはイメージできないような幅広い経験をされているのですね。これまでの経験で、特に印象に残っていることなどはありますか?
西村:婚活支援事業で、私が担当していた方が結婚されたという報告を受けた時は、本当に嬉しかったですね!公務員として結婚相談に乗るなんて、市職員になるまで正直想像もしていませんでした(笑)
私自身まだ結婚していないので、「こんな私の意見で良いのだろうか?」と不安に思うこともありましたが、 事業の一環として、1対1でお見合いの場を提供したり、婚活イベントを開催したりと、様々な形でサポートさせていただいていたので、その成果が形として現れたことは率直に嬉しかったです。
―山鹿市役所で働くやりがいや魅力を教えてください。
西村:仕事で関わった人に街中で声をかけていただいた時や、名前と顔を覚えていただいた時は、この仕事をやっていて良かったと感じます。山鹿市は私の地元ではないので、最初は知り合いがいないことに不安を感じていました。だからこそ、地域の方々と繋がりを持てたことは、本当に嬉しかったですし、誰でも受け入れてもらえるこの山鹿の雰囲気はとても魅力的だと思っています。

―公務員として働く上で、活かされているスキルはありますか?
西村:大学時代のアルバイト経験が活かされていると感じています。大手アパレルチェーンでアルバイトをしていたのですが、当時の店長がアルバイトの私たちにも企画、提案する機会を作ってくれていたということもあり、「こうしたらもっと良くなる」と考える癖がつき、仕事でも積極的にアイデアを出すことができるようになりました。
また、大学で英語を専攻していたので、窓口に外国の方が来られた際に、簡単な英会話で対応できることも強みになっています。

―実際に公務員として働いてみて、気付いたことなどはありますか?
西村:公務員試験の勉強で覚えた法律や経済の知識は、今のところ働くうえではあまり活かせていないといいますか、もっと大切なことが沢山あるということに気付かされました。
私にしてみれば、地理や道路を含め、山鹿市のことを知ることの方が重要でした。地元ではないので、最初は地名を読むことすら難しかったのを覚えています(笑)
―山鹿市役所で働く上で、「こんな人は向いている!」という人物像はありますか?
西村:山鹿市には、地域を盛り上げようとしている方が多く、活気にあふれていると思っています。民間企業経験者や地域おこし協力隊の方など、皆さん独特な考え方や面白い発想を持った方ばかりで、とても刺激になっています。そういった方々と、同じ目線で考え、一緒に地域を盛り上げていけるような人は、山鹿市で働くのに向いていると思います!
―最後に、求職者の方にメッセージをお願いします。
西村:私も新しいことにチャレンジすることや、山鹿市のこれからのことを考えるのはとても楽しいと思っています。これから来る方も、楽しみながら仕事ができる環境だと思います。
上司や先輩方も皆さん話しかけやすく、温かい雰囲気で迎えてくださいますし、若手職員同士の繋がりも強く、部署や年齢を超えて旅行に行ったり、遊びの企画をしたりと、本当に和気あいあいとした雰囲気ですよ。
新しいことにチャレンジしたい方、自分の考えを発信していきたい方は、ぜひ山鹿市に来てください!皆さんと働ける日を楽しみにしています。

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年2月取材)