長崎県壱岐市役所の総務部総務課で働く別府 空さんに、広報の仕事の内容や壱岐市の魅力について伺いました。
—最初にこれまでの簡単な経歴を教えてください。
別府:生まれも育ちも地元壱岐で、高校卒業後すぐに壱岐市役所へ入庁、総務部総務課に配属となりました。現在3年目で、ずっと広報業務を担当しています。
—ずっと地元なんですね。市外に出ずに壱岐市に就職しようと思ったのはなぜですか?
別府:私が高校2年の時に兄が地元で就職をしたのですが、知り合いや地域の方々から「お兄ちゃん、頑張ってるね」という声を、間近で聞く機会が多くなりました。それまでは進学も考えていましたが、兄の地域に貢献する姿を見て、高校卒業してすぐに就職しても地元の役に立てることがあるのではないかと思ったのがきっかけです。
私に出来ることって何だろう、どんな職だったら役に立てるのだろうと色々と調べている中で、父の助言もあり、市役所で働いてみたいと思いました。
—市役所の仕事内容はイメージしづらいと思うのですが、気にはならなかったでしょうか?
別府:実は、仕事内容については、入庁するまではあまり見えていませんでした。実際に働いてみないとわからないという思いで、飛び込んでみたというのが正直なところです。
—広報の部署では、具体的にはどのようなお仕事をされていますか?
別府:主な業務は、壱岐市内の全世帯に配布する広報誌の発行や市のホームページ運営です。他にもFacebookやInstagram、YouTubeなどのSNS運営や壱岐市ケーブルテレビの行政放送枠の情報発信のとりまとめ等も担当しています。
現在の体制としては、広報担当は私1人です。配属後、最初の1か月は前任の方から教えていただきましたが、それ以降は周りの先輩職員に助けていただきながら、広報を運営しています。
—広報全部を1人で担当するのはすごいですね。広報以外のお仕事もあるのでしょうか?
別府:総務課所属ですので、毎日電話対応は行っています。また、窓口業務として離島への船に乗船する際に割引となる島民カードの発行や更生保護や行政相談所開設のサポートなどの窓口対応行います。
昨年まではホームページリニューアルや壱岐市市制施行20周年記念誌の作成等が同時期にあり、広報業務メインとなっていましたが、今年からは秘書の仕事もお手伝いさせていただいたりと、幅広く経験しています。

—広報の仕事は、どういうところが大変でしたか?
別府:前例の少ない仕事もあり、どのように進めたら良いかわからなことが多かったため、年に1回の長崎県内広報担当者研修などで他の自治体の方にどのようにされているか尋ねたり、前の担当者が残してくださった引継ぎ資料を見たりしながら、探り探りでやっていました。
広報は表に出るお仕事という認識のため、プレッシャーや緊張感は常にあるのですが、最初からずっと楽しかったです。新しいことを覚えるのも好きなので、ずっとわくわくしながら次はどうしよう、これがしたいなど想像を膨らませながら、仕事ができていて、マイナスな気持ちはあまり抱きませんでした。
—広報誌やSNSの内容は、どのように確認されているのですか?
別府:原稿自体は、各部署から掲載したい内容をご提出いただき、全体に目を通してチェックをしていきます。担当部署と広報担当で連携を取りながら、複数の目でチェックするよう体制づくりをしているところです。
実際に現場に取材に行き、自分で記事を作成することもあります。業務を人で任されている分、色々な面でやりたいことを自由に挑戦させていただいています。もちろん時にはこうしたらいいんじゃないとアドバイスももらえますし、常に相談が出来る環境があって、周りにとても恵まれているので、楽しくやれているのかなと思います。
—お仕事をしている中で、知らなかった市の魅力などはあったりしますか?
別府:仕事を始めてからは広報ということもあり、地域の方々や職員の方と触れ合う機会が、一気に増えました。
写真撮影なども特に習うわけではなく、現場で学びました。地域おこし協力隊の方に聞いたり、イベントでその場にいる新聞記者の方へ話しかけて聞いたりすることもありました。
周りの方々に支えていただきながら、何とかここまで仕事をやれてきた感覚です。取材でカメラを抱えて上手く撮影できているか不安な時でも、いつも頑張っているねと声をかけてくださる方がたくさんいらっしゃり、それでもっと頑張ろうという気持ちになれます。
市民の方など周りの方々の人の良さに、改めて気付かされました。
—仕事の中での面白さややりがいと思える場面はどのような時ですか?
別府:一番は、何をしようかなと考えている時ですね。20周年記念誌の際は、どんなことをしたら面白いか、何を載せたら皆さん見てくれるだろうと考えるのがとても楽しかったです。
ホームページや広報誌の場合だと、どうしたら見やすくなるか、パズルのようにどこに何をどう載せたらいいんだろうと考えている時が、とてもわくわくする瞬間です。
もちろん取材で周りの方々に会ってお話したり、触れ合えたりすることも大好きです。市民の方と直接お話して、こういう考えの方もいらっしゃるんだと気付くことも面白いですし、職員の皆さんとお喋りしたり、交流したりするのもとても楽しいです。
—市役所の雰囲気はどうですか?
別府:周りの方との交流も、仕事の中でのモチベーションになっています。近くにいる職員と交わす一言二言の会話や、仕事終わりに食事にお誘いいただき、たくさん食べて飲むことが息抜きになり、頑張る活力になっています。
入庁当初は、先輩方に連れて行っていただくことが多かったのですが、最近では同年代や新しく入庁した方との交流も多くなり、毎日充実しています。
—残業の程度やワークライフバランスという点ではどうですか?
別府:入庁当時は残業が続いていましたが、ほぼ1人でさせてもらっていたので自分でスケジュールは決めやすかったです。自分にできる最大限の力で仕事をする分、休日はきちんと自分の時間を楽しむようにしていました。
2年目からはさらに忙しさが増した中でも、自分の中で仕事の調整がより出来るようになり、休日は友人と旅行に出かけるなどプライベートの時間も楽しめています。今は気持ちにゆとりもでき、楽しみを作って過ごせているので、働きやすい環境だなと思います。

—今後、こういうことをしていきたいと思うことはありますか?
別府:まず今の仕事について、壱岐の魅力を広く多くの方に知っていただくにはSNSでの情報発信が大事だと思っていますが、実績は積めていない状況です。壱岐の良さを知ってもらうために、Facebook、インスタグラム、LINEなど、今後もっと力を入れて発信していきたいです。
また、今は広報しかしていないので、自分が本当に役に立てているのかと考えることはよくあります。今の仕事も大好きですが、もっといろんな部署の方々と関わり、いろんな仕事をしてみたいなと思います。
行政の部分の仕事についても知りたいと思うことがたくさんありますし、人と触れ合える仕事で、もっと周りとの関わりを広げて自分のスキルを上げていきたいとも思っています。やりたいことに溢れているからこそ、今の仕事もさらに頑張りたいし、次の違う部署へ異動となれば、一からまた頑張ろうという思いでいます。

—本日は、ありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2024年12月取材)