「たつの市は最初から担任になれる。他の自治体の友人に聞くと、最初は副担任として付くことがほとんど。でも、たつの市は1年目からすぐ担任として保育に携われるんです。そこで学べる経験って、全然違うと思っています」
そう力強く語るのは、たつの市立小宅南こども園で保育教諭として働く入庁3年目の田川さん。生まれも育ちもたつの市。地元の子どもたちのそばで保育教諭として働きたいと、大学時代から公立保育教諭の試験に向けて準備を重ね、2024年にたつの市に入庁しました。
今回は、たつの市の保育教諭として働くことの魅力や、1年目から担任を任された経験について、お話を伺いました。
保育士になるなら、試験で合格を勝ち取りたかった。だからたつの市を選んだ
ーたつの市の保育教諭を目指すことにした、きっかけを教えてください。
田川:高校生のころから保育教諭になりたいという夢を持っていて、保育系の学科に進学しました。地元がたつの市なので、就職もたつの市でしたいという気持ちはずっとありました。もともと公立の幼稚園出身で、そのときの担任の先生がずっと憧れの存在だったんです。
それと、せっかく保育教諭になるなら、しっかり勉強して、試験に向けて努力して、合格という結果を自分でつかみ取りたかったんです。大学の先生にも公立を勧めていただいたこともあって、それなら全力で試験に挑もうと。3年生の秋ごろから本格的に準備を始めて、大学の友人と朝から夜まで勉強する日々でした。
ーたつの市一本に絞って受験されたと聞きました。
田川:はい、もうたつの市しか考えていませんでした(笑)。もし駄目だったらそのあと考えようと思っていたくらい。試験当日は緊張もしましたし、正直受かる確率は5パーセントくらいだと思っていました。でも、こんなに頑張って駄目だったら仕方がないって気持ちで、自分を出し切ることだけを考えました。
1年目からいきなり主担任。記憶がないくらい必死だった毎日
ー入庁して、まず驚いたことはありましたか?
田川:最初からいきなり主担任だったことですね。他の自治体に就職した大学の友人に話を聞くと、最初は副担任として先輩の隣で学ぶパターンがほとんどだと聞いていたので。たつの市は1年目から主担任として保育を運営していくんだと知ったときは、正直プレッシャーも感じました。
ー1年目はどんな毎日でしたか?
田川:4歳児のクラスで33人の子どもを担当しました。主担任として保育の決定権を持ち、行事の計画から日々の保育内容まで、すべて自分で考えて動かしていく立場です。ベテランの先生が副担任やサポートについてくださっていたんですが、もう本当に毎日必死で。記憶がないくらい、とにかく目の前のことをこなしていた感じでした。
ーどんなことが特に大変でしたか?
田川:仕事の優先順位をつけることと、見通しを持って動くことが、最初は全然できなくて。書類の提出期限、行事の準備、子どもへの関わり方……やることが山積みの中で、何から手をつければいいかわからない状態でした。分からないことも分からない、という感じで。最初のうちは、聞かないと怒られることもあって、そこで初めて『これを聞けばよかったんだ』と気づくんです。
一生懸命頑張れば、ベテランの先生が手を止めて教えてくれる
ー先輩の先生方との関係はどうでしたか?
田川:すごく恵まれていたと思います。最初から答えを教えてもらえるわけではなくて、『まず自分で考えてみて』と言われるんです。最初はそれが難しかったんですけど、自分なりに考えて伝えると、丁寧にフィードバックしてくださって。1年を通じて向き合い続けたら、最後に『一生懸命頑張ってきたね』って認めてもらえて。それがすごく嬉しかったです。
ー職場の雰囲気はどんな感じですか?
田川:今のクラスの先生方は本当に温かくて、私の保育を一緒に楽しんでくれるんです。『先生、次何したらいいですか?』って積極的に動いてくださったり、面白いことがあれば笑い合ったり。先輩からは保育のアドバイスももらいながら、とても楽しい雰囲気の中で保育させてもらっています。
ー同期との関係はいかがですか?
田川:同期は5人いるんですが、それぞれ別々のこども園に配属されています。みんな月に1回くらいは集まって、近況を話したり悩みを共有したりしています。円の規模や担任する園児の年齢によって、仕事内容も違うので、それぞれ違う悩みを抱えているんですけど、だからこそ『みんながいるから頑張れる』という感覚があります。プライベートでも遊びに行く仲です。
ー園として大切にしていることはありますか?
田川:子どもの主体性を大切にすることです。先生が答えを出すほうが簡単な場面でも、子どもと一緒に考えたり、子どもが『やってみたい』と言ったことをどう実現するか一緒に考えたりする。職員会議でも繰り返し話し合われているテーマで、私自身も保育をしていく上でいつも意識していることです。

苦手なことがあっても、夢は諦めなくていい
ー3年目になって、自分の成長を感じる部分はありますか?
田川:見通しを持って仕事することが少しずつできるようになってきました。書類は他の先生より先に終わらせるくらいの気持ちで取り組むようになりましたし、行事の準備も逆算して動けるようになってきた。1年目はそれが全然できなかったので、あのとき必死にやり続けたことが今につながっているんだと実感しています。
ーこれまでで特に印象に残っている出来事はありますか?
田川:1年目に担任した子どもたちが、去年卒園したんです。そのとき私は別のクラスを担当していたので日々の関わりは減っていたんですが、修了式の日に『先生大好き』って言いながらプレゼントを持ってきてくれて。保護者の方からも、『1年目で4歳児の担任をしてくれて本当に良かった』と言っていただき、頑張って良かったと、心から思いました。
ーたつの市の保育教諭を目指している方に、メッセージをお願いします。
田川:たつの市は1年目から主担任として保育に携われます。大変なこともたくさんありましたが、その経験があったから今の自分がある、と自信を持って言えます。それと、保育に苦手なことがあっても、夢を諦めなくていいと伝えたいです。苦手なことはあって当たり前。努力し続ければ、必ず道は開けていくと思っています。ぜひ、たつの市で一緒に働きましょう。
ー本日はありがとうございました。
「記憶がないくらい必死だった」1年目の日々も、修了式に子どもからプレゼントを受け取った瞬間も、どちらも田川さんの言葉には実感がこもっていました。苦手なことにも正面から向き合い、子どもと楽しむことに全力を注いだ3年間。その積み重ねが、今の保育教諭・田川真由佳をつくっている。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年6月取材)



