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佐々町役場

 佐々町は、地域住民の福祉向上の施策に取り組み、佐世保市に隣接する地勢にも恵まれ、国内では人口が減少するなか人口を維持できている活力がある町です。また、西九州自動車道佐々インターチェンジが開通し、交通アクセスが向上しており、県内外からたくさんの方が訪れています。

佐々町の未来を、自らの手で描く喜び。地元に尽くす土木技師のリアルな日々

佐々町役場

2026/02/09

「公務員って、実は全然楽じゃないんです(笑)」

そのように等身大の笑顔で語るのは、長崎県佐々町役場で働く土木技師の後藤さん。地元の佐世保工業高校を卒業し、生まれ育った佐々町のインフラを守る道を選びました。
 

住民の要望に応えるスピード感や、災害時に地域を守る責任感。現場の厳しさを知りながらも、完成した道路を目にした時の達成感は何物にも代えがたいと言います。若き技術職が歩む、リアルな日々に迫りました。
 

 


 

自分のルーツと、発注者として「まち」を動かす決意

ーこれまでのご経歴と、佐々町役場を選んだ理由を教えてください。

 

後藤:私は父が転勤族だったため、幼少期は各地を転々としていたのですが、中学生からはここ佐々町が私の地元になりました。

 

高校は佐世保工業高校の土木科に進みました。今の仕事に直結する道路や河川、インフラ整備についての基礎を学びましたが、勉強を進めるうちに、自分がこの分野でどう生きていくかを考えるようになりました。

 

 

ー民間企業ではなく公務員、それも地元である佐々町を選んだのはなぜですか?

 

後藤:土木の世界には、実際に現場で汗を流して形にする「施工」の道もありますが、私は町全体が住みやすい町を設計したいと思い、「発注者側」に興味を持ちました。道路や河川の計画を立て、設計を行い、町全体のグランドデザインを描く仕事に携わりたかったんです。

 

そして何より、自分を育ててくれた一番の地元である佐々町に、技術職として直接貢献できる道は公務員以外にないと考え、迷わず佐々町役場への受験を決めました。

インタビュー風景

町のインフラを守る、最前線の司令塔としての日常

ー現在、建設課ではどのような業務を担当されているのでしょうか?

 

後藤:建設課の守備範囲は非常に広く、道路、河川、公園、建築関係がすべて一つの課に集約されています。その中で私の主な担当は、道路と河川の維持管理、および工事の発注業務です。

 

具体的には、町道をパトロールしてアスファルトの穴ぼこを見つけたら直ぐに修繕の手配をしたり、河川に土砂が溜まって流れが悪くなっていないかを確認したりしています。

 

また、住民の方々が道路や河川を一時的に使用する際の許可証を発行するといった事務作業も並行して行っています。

 

 

ー「維持管理」だけでなく、新しいものを作る業務もあるのですか?

 

後藤:はい、もちろんです。既存の道路の補修だけでなく、新しく道路を整備する新設工事も担当します。

また、佐々町には石積みの護岸が多く、大雨が降ると崩れてしまうことがあるんです。そういった際の復旧工事や、より強固な構造物へと造り替える改良工事も、私たちが設計から関わって発注します。

 

課全体では年間40〜50件の工事をしており、私はそのうち10件弱ほどをメインで担当しています。

自分が引いた図面が、実際に一つの「構造物」として完成していく過程をすべて見届けられるのは、発注者ならではの面白さですね。

職場の雰囲気

「公務員は楽」という先入観を覆した、現場の責任感

ー仕事をする上で、一番のやりがいや達成感を感じる瞬間を教えてください。

 

後藤:やはり、形として残るものを作っているという実感です。元々道がなかった場所に新しい道路が整備されたり、石積みがブロック構造物に整備された時は、目に見えて達成感があります。

 

自分が携わった工事が、そのまま町の新しい景色として残っていく。そこを通るたびに「ここは自分が手掛けたんだ」と思えるのは、形に残る仕事をしている土木技師ならではの醍醐味だなと感じます。

 

 

ー逆に、仕事の厳しさや苦労を感じるのはどのような時ですか?

 

後藤:実は、入庁前は「公務員の仕事って、定時で終わって楽なんだろうな」という勝手なイメージを抱いていました(笑)。

でも、現実は全然違いました。住民の方々と直接接する機会が多く、その要望に対してどうスピーディーに応えるかが常に問われます。

 

例えば、道路に穴が開いているという相談を受けて対応が遅れてしまったら、そこで事故が起きてしまうかもしれません。

 

技術職としての判断一つが、人命に関わる可能性すらある。その責任の重さを知った時、この仕事の本当の「厳しさ」を実感しました。

 

 

ー印象に残っているプロジェクトや、特に大変だった案件はありますか?

 

後藤:入庁2年目に担当した、河川のブロック積み工事が強く記憶に残っています。1年目は小規模な修繕が主でしたが、初めて大きい工事を任されたんです。

 

石積が崩れた箇所をコンクリートのブロック積みに造り替える案件だったのですが、現場の状況に合わせてどう設計するか、毎日必死でした。

 

当時は土木の専門用語さえも初めて聞くような状態で、毎日が勉強でした。

でも、先輩たちに助けられながら完成させた時の景色は、一生忘れないと思います。あの時、一つの現場をやり遂げた自信が、今の自分を支えている気がします。

現場作業の様子

先輩から受け継ぐ知識と、新庁舎で育むチームワーク

ー高卒で入庁され、専門的な業務をどのように身につけていかれたのでしょうか?

 

後藤:建設課は現在、土木職6名を含む14名体制ですが、上司も先輩もすごく親切で、何でもフランクに聞けるアットホームな環境です。

 

私の場合は3つ上の先輩が常に隣にいてくださり、現場への同行や図面の引き方、業者さんとの交渉術まで、背中を見せながら教えてくれました。

 

上司も「わからないことがあったら、いつでも聞いてくれ」と声をかけてくれる環境だったので、若手でも萎縮せずに挑戦することができました。

 

 

ー職場の雰囲気や、同僚の方々との関係性について教えてください。

 

後藤:一言で言うと、とても風通しが良い職場です!技術職と事務職、役割は違っても「佐々町をより良くしたい」というゴールは一緒なので、互いに協力し合う文化があります。

 

仕事の合間には上司とも雑談をしますし、プライベートでも仕事終わりに同年代の職員と飲みに行ったりと、コミュニケーションは活発ですね。

職員との談笑の様子

地元への貢献と、これからのキャリアを考える皆さんへ

ーワークライフバランスや、災害時の対応など、働き方の面についてはいかがですか?

 

後藤:有給休暇については、上司からも「月に1回は必ず休もう」と積極的に促されるので、私は月に1~2回ほど取得してリフレッシュしています。

 

残業については、年度末の発注が重なる時期や、災害査定といって国に予算の申請をする時期は忙しくなりますが、基本的にはメリハリをつけて働いています。

 

ただ、土木技師として避けて通れないのは災害対応です。

大雨の日は夜間待機をしたり、被害があれば即座に現場へ駆けつけたりするなど、大変な面もありますが、「自分たちがこの町を守っているんだ」という使命感を持って取り組んでいます。

 

 

ー最後に、佐々町の土木職を目指す受験生や社会人の方へメッセージをお願いします。

 

後藤:佐々町役場は、ハード面では新庁舎という最高の環境があり、ソフト面では情に厚い素晴らしい職員が揃っています。

 

土木の仕事は、単に工事をするだけでなく、住民の方々の生活そのものを支える仕事です。最初は専門知識がなくても、私たちが全力でサポートします!

 

「地域のために頑張りたい」という情熱を持てる方と一緒に、佐々町の未来を創っていけることを楽しみにしています。

職員の写真

ー本日はありがとうございました。


「公務員は楽だと思っていた」と正直に明かす後藤さんですが、その言葉とは裏腹に、語られる仕事への姿勢は真摯そのものでした。

古い石積みが残る佐々町の風景を、自らの技術で守り継いでいくことへの誇りが言葉の端々から伝わってきました。

 

新庁舎の窓から差し込む光のように、これからの佐々町を明るく照らしていく若き技師の姿。その挑戦を応援せずにはいられない、温かな時間でした。

 

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年1月取材)

職員インタビュー

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