新潟県加茂市役所で働く職員さんのインタビュー記事です。
入庁約1ヶ月半というフレッシュな視点から、公務員を目指したきっかけ、試験対策、そして現在の仕事のやりがいや職場の雰囲気について語っていただきました。
地方創生に貢献したいという思いを胸に働く職員さんの率直な想いが伝わる内容となっています。公務員を目指す学生さん必見です!
ー自己紹介と、公務員を目指したきっかけを教えてください。
出身は新潟市の東区で、小学校から高校までは新潟市内の学校に通っていました。大学進学を機に、ゼミで地方創生に関する活動をしていました。大学卒業後、令和7年4月に加茂市役所に入庁しました。現在は健康福祉課の保険医療係に所属しています。入庁、まだ1ヶ月半程度となります。
公務員を目指したきっかけは、一言で言うと小さい頃からの憧れですね。親を含め、身内に公務員が多かったことも影響していると思います。市民を支える立場として、地域住民の方々の近くで生活をサポートできる仕事に魅力を感じていました。

ー昔から公務員を志していたのですね。大学も公務員になることを前提に選んだのですか?
高校を卒業後、そのまま公務員試験を受けることも考えていたのですが、ちょうどコロナ禍だったということもあり、選択肢を広げるといった意味でも大学に進学することとしました。
公務員になりたいという思いは変わらなかったので、地域創生について学ぶことができる大学を選択しました。専攻は経営学だったのですが、大学生活で特に力を入れていたのは地方創生のゼミ活動です。
実際に市役所の方々と連携してイベント企画などにも取り組むことがあり、そこで地域課題に触れたり、行政の役割を肌で感じたりした経験は大きかったですね。
今の仕事でも、市民の方と直接関わる機会が多いので、大学時代の学びが、地域住民と真摯に向き合う姿勢の基礎になっていると感じています。
ー数ある自治体の中から、なぜ加茂市役所を選ばれたのでしょうか?
新潟市出身ではあるのですが、大きな自治体で都市計画といった分野よりも、大学で学んだ地方創生に強い興味がありました。加茂市は祖父の家もあり、実家から通える範囲で、腰を据えて地域貢献できると考えたのが大きな理由です。
実は、趣味でJリーグのアルビレックス新潟を応援しているのですが、転勤がない地方公務員で、実家からも通える範囲であれば、プライベートで試合観戦も続けられるかな、というのも少しありました(笑)
ー試験対策はどのように進めましたか?特に大変だったこと、役に立ったことを教えてください。
本格的に試験対策を始めたのは大学2年生の冬頃からです。最初は国家公務員も視野に入れていたので、大学で提供された教材やDVDの映像授業を使って勉強していました。加茂市の筆記試験は専門科目がなく、教養科目が中心だったので、そこは少し対策しやすかったかもしれません。
面接対策は筆記試験が終わる前から本格的に始めました。大学の教授に協力していただき、加茂市の政策や課題について深く調査をしたほか、就職支援センターの方にお手伝いいただき、面接の模擬練習も繰り返し行いました。
試験で特に役に立ったのは、対策ではなくガクチカ(学生時代に力を入れたこと)ですね。ゼミ活動での市役所との協働経験や、自分でサークルを立ち上げた経験、確定申告のアルバイト経験など、多様な経験が面接での引き出しを増やしてくれたと思います。
特に確定申告のアルバイトについては、公務員の方が実際にどのような仕事をしているのかを知ることができ、自分の中で話題を広げることができたと思っています。
ー他の自治体も受験されたと思いますが、その中で加茂市の面接の印象はいかがでしたか?
加茂市の前に他自治体の面接試験があったのですが、地元ではないことを理由に少し圧迫感のあるやりとりとなりました。あまり上手く受け答えができなかったということもあり、面接に対しては少し苦手意識というか緊張感を持っていたのですが、加茂市の面接官の方々は、私の話をじっくりと掘り下げて聞いてくださり、とても話しやすかったのを覚えています。
また、加茂市は2回面接を実施するのですが、1次面接が比較的若い職員の方で、コミュニケーション能力を見られているような印象でした。そこでリラックスして話せたおかげで、2次面接も落ち着いて臨むことができ、結果的に良い印象で終えられたと感じています。
ー内定後のフォロー体制等についてはいかがでしたか?
採用担当の方とは、内定後もメールで何度かやり取りをさせていただきましたし、内定式や顔合わせの機会も複数回設けていただきましたので、安心感をもって入庁までを迎えられたと思っています。
内定後のフォローというものではないのですが、私が配属となった課では、3月末にホームページで配属先が発表された直後、歓送迎会も開いていただきました。行くまでは全く知らない方々との懇親会ということで非常に緊張しましたが、始まってみると皆さん本当に良い方ばかりで、先輩職員の方々と事前に顔を合わせることができたのは大きかったですね。
ー入庁して約1ヶ月半とのことですが、現在の業務内容や、入庁後の教育体制について教えていただけますか?
現在は健康福祉課の保険医療係に所属しており、主に医療費関係の手続き業務を担当しています。入庁後の集合研修はそれほど多くなく、基本的にはOJT(On-the-Job Training)で、先輩職員の方々から直接指導を受けながら業務を覚えている最中です。
医療費や保険に関する知識はほとんどなかったので、毎日が新しいことの連続で、覚えることも多くて大変ですが、その分とても充実しています。
集合研修が少ないので、同期と顔を合わせる機会がなく、「皆どうしているんだろう?」と少し孤独感を感じることがありましたが、現場経験を多く積ませていただいている分、成長は早いと感じています。自分には、このやり方がとても合っているなと思いますね。

ー昔から憧れていた公務員になったわけですが、イメージしていた「公務員」とのギャップなどはありましたか?
入庁前のイメージと比較したら、良い意味でのギャップがありました。市役所の仕事はもっと堅苦しいイメージがあったのですが、実際に働いてみると、ピリピリした雰囲気はなく、とても和やかな中で仕事ができています。
大きい自治体に比べて、来庁者自体が比較的少ないというのも、落ち着いた雰囲気で働ける理由かもしれないですね。
気になる点で言えば、やはり初任給は民間企業に就職した同級生と比較すると少し低めかなと感じる部分はあります(笑)そこはもう、やりがいで埋めていくしかないですね!
ー若手目線で見て、職場の雰囲気はいかがですか?
とても良い雰囲気だと感じています。先輩職員の方々は皆さん優しく、年齢に関係なく職員同士も仲が良いですね。先日は組合の歓迎会があり、自分の課以外の先輩方とも交流する機会があって、とても楽しかったです。
仕事で分からないことがあっても気軽に相談できますし、若手も意見を言いやすい、風通しの良い環境だと感じています。市長や副市長も庁内ですれ違えば気さくに声をかけてくださるので、組織全体としてコミュニケーションが活発な印象です。

ーまだ入庁して間もない中ではありますが、働くやりがいを感じる瞬間はありますか?
よく言われるやりがいかもしれませんが、やはり市民の方から直接「ありがとう」と感謝の言葉をいただいた時ですね。医療費助成の手続きなどで窓口に立っていると、制度について丁寧にご説明することで安心していただけたり、手続きがスムーズに進んで喜んでいただけたりする場面が多くあります。そういった時に、微力ながらも市民の方々の役に立っているんだなと実感でき、大きなやりがいを感じます。
また、最近議会で使用する医療費関係の資料作成を担当したのですが、非常に大きな金額を扱うもので、市政を支える一端を担っているという責任感を感じましたね。自分の作成した資料が議会で扱われる、これは市役所ならではの貴重な経験だと思っています。
ー最後に、公務員を目指す学生さんへメッセージをお願いします。
学生時代、ゼミ活動で市役所の方と連携した経験は、公務員の仕事を具体的にイメージする上で非常に役立ち、面接でも自信を持って話せるエピソードとなりました。皆さんも、ゼミ活動やサークル活動に積極的に取り組み、様々な経験を積んでください。
加茂市は、現在多くの課題に直面しています。そのため、日々同じ業務をこなすよりも、課題解決や新しいことに果敢にチャレンジしたいという意欲のある方にとって、非常にやりがいのある環境です。
また、加茂市は若手職員であっても、市長をはじめ上司に自分の意見をしっかりと伝えることができる、風通しの良い職場であるとともに、ワークライフバランスを保って、自分らしく働くことができます。私自身、入庁後すぐに休暇を取得して趣味であるアルビレックス新潟の試合観戦に行くことができました!
熱意を持って加茂市の未来を共に創り上げていきたいという方、ぜひ挑戦をお待ちしています!
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年5月取材)