新潟県加茂市役所で働く職員さんのインタビュー記事です。
農業法人での経験を経て、公務員という新たな道を選んだ職員さんに、加茂市役所で働く魅力ややりがい、そして転職者だからこそ感じる公務員の働き方や職場の雰囲気について伺いました。
ーまずは簡単な自己紹介と、入庁までの経歴について教えてください。
出身は新潟県の佐渡市で、高校までは佐渡市で過ごしました。その後、新潟大学農学部に進学し、農業経済系の勉強をしていました。
卒業後の進路としては公務員を希望していたのですが、残念ながらご縁がありませんでした。ただ、学生時代農業の勉強をしていたので、「農業系で何か役に立てないか、知識を活かせないか」という思いがあり、新潟県内の農業法人に就職しました。
農業法人で3年弱ほど働いた後、加茂市役所に入庁しました。

ー元々公務員を希望していたとのことですが、なぜ公務員を志したのでしょうか?
高校生の時、佐渡市の奨学金を利用していたということもあり、地元への恩返しも含めて、「将来は佐渡市で働きたいな」と漠然と考えていました。
大学で農業を学ぶ中で、その思いがより具体的になり、「農業系の知識を活かして佐渡市に貢献したい」と考えるようになりました。また、農業法人で働く中で、やはり公務員として地域に貢献したいという気持ちも再燃していましたね。
ー転職のタイミングは、何かきっかけがあったのですか?
前職では、働く環境、特に休みの面で少し大変さを感じていました。休みが不規則で、体力的に厳しいと感じることもあり、もう少し規則正しい勤務時間で働きたいという思いがありました。
友人にそんな話をしていたところ、加茂市役所で求人があることを教えてもらったんです。転職自体は考えていたため、民間の求人なども探してはいたのですが、なかなか希望に沿ったものが見つからずにいましたので、加茂市役所の求人の話を聞いた時は「これだ!」と思いました。次は事務職として働きたい、規則正しく働きたい、かといって遠方には行きたくない、といった希望が全て叶えられるものでしたね(笑)
ー転職活動はどのように進められましたか?働きながらの活動は大変だったのではないでしょうか。
転職活動はなかなか大変でしたね。働きながらということもあり、試験日の調整が難しかったです。
また、受験を決めたのも実は締切りギリギリで、申し込みをしてから試験まで1ヶ月くらいしか時間がありませんでした。仕事で疲れてしまって、なかなか勉強する気になれない日も多かったです。
少ない時間の中でも効率的に進めようと思い、まずは筆記試験と作文の対策に集中しました。特に作文は、加茂市に関する内容が出題されるだろうと予想して、市のホームページなどで情報を集め、自分の得意分野である農業と結びつけて書けるように準備しました。
ー転職するにあたって、不安なことなどはありましたか?
「どんな職場なんだろう」「どんな人たちが働いているんだろう」といった漠然とした不安がありました。特に、転職ということで新卒の子とは年代が変わるということもあり、同期がどんな人たちなのかというところは気になっていましたね。
ーやはり社会人経験があっても人間関係は気になるところなのですね。続いて、現在の業務内容について教えてください。
現在は農林課に所属しており、主に農業機械の補助金の交付業務などを担当しています。また、加茂市は猿や猪などの鳥獣被害も多い地域なので、その対策として電気柵の補助金に関する業務も行っています。
その他にも、果樹や畜産に関する業務では農家の方への案内を出したり、病害虫の発生状況を調査するために現場に足を運んだりもします。覚えることが多いので毎日が勉強です!

ー実際に公務員として働いてみて、イメージしていた「公務員」とのギャップはありましたか?
皆さん同じイメージをお持ちかもしれませんが、公務員というと机に向かって黙々と仕事をする、少し「堅い」イメージを持っていました。でも、実際に働いてみると、全くそんなことはありませんでした。特に私が所属する農林課は現場に出る機会も多く、とても活気があります。
職場の雰囲気も、皆さんとても気さくで、分からないことがあって質問するとすぐに丁寧に教えてくれます。良い意味でイメージを裏切られましたね。
ー前職と市役所では、働き方ややりがいに違いはありますか?
やはり仕事の進め方や求められるものが違うと感じます。公務員の仕事は、一つ一つの業務が明確で、自分が何をすべきかがはっきりしていると感じます。
また、前職の農業法人では「作物を育てている」という直接貢献をしているという点にやりがいがありましたが、公務員としては、より広い視点から農業振興に関わることができる点にやりがいを感じています。
例えば、補助金の交付などを通じて、農家の方々の活動を広くサポートできるのは、公務員ならではの農業振興だと思っています。目の前の作物が育つことももちろん嬉しいですが、間接的な支援によって加茂市全体の農業がより良くなっていくことに貢献できることが、自治体で働く魅力でありやりがいですね。
ー入庁後はどのようにして業務を覚えていったのでしょうか?
基本的には、前任者の方から引き継ぎを受けながら、OJT(On the Job Training)で仕事を覚えていきました。実際に業務をこなしながら、分からないことがあればその都度先輩方に聞く、という形です。
採用後の一斉研修などもあった方が良いのかもしれませんが、やはり実際にやってみないと分からないことも多いので、現場で直接教えてもらえるのは理解もしやすく、個人的にはとても覚えやすかったと思っています。
ー転職のきっかけともなったワークライフバランスはいかがですか?
これはすごく変わりました!自分には今の働き方がとても合っていると感じています。カレンダーどおりの休みがあるので、「金曜日まで頑張れば休みだ!」という気持ちで仕事に取り組めますし、今のところは残業もほとんどありません。
定時になったら、先輩や上司の方と少しお話をしてから帰る、という感じです。前職と比べると、ワークライフバランスは格段に良くなったと感じています。
ー入庁前に気にされていた、同期の方々との関係性はいかがですか?
とても仲良くしてもらっています(笑)実は、私よりも年上の人もいて、私がちょうど真ん中くらいの年齢だったんです。社会人経験者も多く、色々なバックグラウンドを持った人たちが集まっているので、同じ同期でも刺激になりますね。
研修の際はみんなでご飯を食べに行ったりもしましたし、年齢に関係なく、和気あいあいとした雰囲気です。
ー実際に働いてみて、職場の環境や雰囲気についてはどのように感じていますか?
本当に働きやすい環境だなと感じています。やるべき業務が明確ですし、その日に残業するかしないかも自分でコントロールしやすいです。休みに関しても、若手だから…といったことを気にせず取りやすい雰囲気ですね。
まだ入庁して間もないので、積極的に自分から提案や意見をする機会はそれほど多くありませんが、上司や先輩方はとても話しやすく、自分の意見も言いやすい環境だと感じています。
市長とお話しする機会もあったのですが、とても親身に話を聞いてくださり、職場全体として風通しが良いのだなと実感しました。

ー実際に働いてみて、どんな人が公務員に向いていると思いますか?
難しい質問ですね(笑)でも、やはり事務処理能力は必要だと思います。思っていた以上に数字を扱うことが多いので、数字に強い方や、細かい作業が得意な方は向いているのではないでしょうか。
もちろん、職員同士、そして市民の方々とお話しする機会もとても多いので、コミュニケーション能力は大切だと思います。
また、ルールを守りつつも、真面目すぎない柔軟性が必要かもしれません。法律等に基づいて判断する必要はあるのですが、「これはダメだ」と杓子定規に判断するのではなく、状況に応じて最適な対応や提案を考えられる人が良いのかなと思います。
ー最後に、加茂市役所への転職を考えている方へメッセージをお願いします。
地域のために働きたいと考えている方にとっては、加茂市役所はとても魅力的な職場だと思います。
雰囲気も良く、働きやすい環境が整っていますし、社会人経験者の方であれば、自分が培ってきた知識や経験を活かしながら地域のために貢献することができます。
私も農業法人での経験を活かしながら、日々新しいことに挑戦しています。「公務員にチャレンジしてみようか」「転職してみようか」と悩んでいるようでしたら、ぜひ一歩踏み出してみてください!
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年5月取材)