長野県北佐久郡軽井沢町で働く、3年目の同期3名のインタビューです。これまでの経歴や仕事と職場環境、そして同期との関わりについてお話を伺いました。

安藤さん:大学院修了後、新卒で軽井沢町役場に入庁。住民課交通政策係に所属。
入澤さん:大学卒業後、新卒で軽井沢町役場に入庁。環境課自然保護対策係に所属。
内堀さん:大学卒業後、新卒で軽井沢町役場に入庁。住民課交通政策係に所属。
—自治体の職員を志望した理由や、軽井沢町役場を選んだ理由を教えてください。
安藤:就職活動では、役場と民間企業の両方を受けました。どちらからも内定をいただきましたが、民間企業の入社前ミーティングに参加したときに、自分には合わなそうだなと感じ、一方で、軽井沢町は小さな頃から家族で頻繁に遊びに来ていた好きな町ということもあり、入庁を決めました。
入澤:子どものころから、軽井沢町役場に勤めていた祖父から「いいところだよ」と勧められていました。その影響で、公務員になることを目指して大学時代も勉強してきたので、民間企業に就職することは考えていませんでした。また、コロナ禍での就職活動でしたので、公務員の安定性をより魅力的に感じる状況でもありました。
出身は軽井沢町と隣接する市なのですが、試験日程が重なって両方を受けることはできませんでした。全国的に有名な軽井沢町で新しい生活をスタートさせたい、という思いがあったため、軽井沢町を選びました。
内堀:家族が自治体の職員だったことが影響しています。家族の働く姿を見ていて、大変そうだと思う時はありましたが、土日休みで計画を立てやすく、家族旅行にたくさん行けたことがいい思い出として残っていました。なので、自分も公務員になりたいと思っていましたし、民間企業は考えていませんでした。
また、軽井沢町を選んだ理由ですが、全国的にも有名で財源も豊かであり、人口が増えていることに魅力を感じたためです。

—筆記試験や面接の対策はどのように行っていましたか?
安藤:就職活動中、最終面接で落ちてしまうことが続き、何がダメなのか自分では分からなかったのですが、受けていた民間企業から、オンラインで面接する場合のカメラへの意識や、対面で面接する場合の目線の向け方といった、面接のテクニックについて、アドバイスをいただく機会がありました。
また自身でも、自治体が、どういうところに力を入れているのかなどを町のホームページや町勢要覧を調べながら面接に臨みました。
入澤:公務員就職に力を入れている大学に通ってたので、大学2年生のときから、専門のコースに所属して対策していました。
面接は、まわりの学生にどんなことを質問されたかを聞いたり、公務員志望者と協力して面接の練習をしたり、自分より先に軽井沢町役場に入庁していた高校の同期に面接で聞かれたことを教えてもらったりしていました。
内堀:筆記試験の対策は、一般に販売されている公務員試験用の書籍を活用していました。面接の対策については、周囲に公務員試験を受けている学生がいなかったので、自分で調べたり職員経験のある家族に聞いたりしていました。
また、軽井沢町のホームページを見て、長期振興計画などの力を入れている取り組みについて情報を収集して、面接の際に聞かれたら答えられるようにしておきました。
—軽井沢町の面接はどのような雰囲気でしたか?
安藤:学生1人に対し、町長、教育長、総務課長等が質問をする個別面接でした。
内堀:威圧感はなかったよね?
安藤:威圧感はまったくなかったです。面接官から個々に質問があり、学業の内容や志望理由などを聞かれました。
—入庁後の経歴を教えてください。
安藤:住民課の戸籍係に配属され、戸籍に関する業務に携わっていました。現在は、住民課の交通政策係に所属し、町の公共交通の管理や交通安全に関する業務を担当しています。
入澤:入庁後から現在まで、環境課の自然保護対策係に所属しています。「軽井沢町の自然保護対策要綱」という独自の基準をもとに、建物や看板の形や色、木材の伐採などの管理をメインに行っています。
内堀:観光経済課に配属になり、観光に関する問合せなどに対応していました。今年の10月から住民課の交通政策係に所属し、地域の実情にあった交通網再編のための公共交通計画の策定に関する業務を担当しています。

—安藤さんと内堀さんのお二人は同じ課の同じ係なんですね。同期が同じ係にいることはいかがですか?
内堀:相談しやすくてよいです。10月に異動してきたばかりなので、気軽に聞くことができて非常に助かっています。

ー入庁後、どのようにして仕事を覚えましたか?
安藤:同じ業務担当の直属の先輩に教わっていました。お客さんとはどういう言葉遣いでどういうやり取りをするのか、戸籍はどのように編集するのか、後ろに立って1つずつ学びました。
入澤:私も窓口にお客さんがきたときには、先輩の後ろに立って話を聞いたり、自分が窓口に立って先輩に後ろで聞いてもらったりしていました。また、「軽井沢町の自然保護対策要綱」を空いている時間はひたすら読んでいました。
内堀:信頼できる先輩に聞きながら覚えていきました。失敗して怒られることもありましたが、経験を重ねてだんだんと覚えていきました。
ー入庁後の研修体制はいかがでしたか?
安藤:入庁直後の4月に、町の施設を見て回る3日間の新人研修がありました。また、5月と9月に、近隣の市町村と合同で行う新人研修があり、公務員としてのマナーや、自分達の働く地域について学びました。
2年目以降も、情報セキュリティやハラスメントなどの研修を毎年受けています。それ以外にも、関係機関や庁内から、自分の担当する業務に合った研修が案内されて、参加することもあります。
ー同期の交流について教えてください。皆さんはどのようにして仲良くなりましたか?
入澤:登庁初日から新人研修が始まりましたが、会話できる時間帯がけっこうありましたし年齢も近かったので、そこで自然と仲良くなりました。
内堀:事務職の同期は10人程度いたのですが、入庁1年目は同期全員が参加する飲み会を毎月ペースで開催していました。そうしているうちに、スノーボードに行ったり旅行に行ったりするような仲になりました。
入澤:仕事柄どういったイベントが町中で開催されているのか把握してるので、気になるイベントがあれば同期を誘っています。食に関するイベントが多いですね。
安藤:軽井沢町特有かは分かりませんが、入庁後の歓送迎会が居酒屋ではなくホテルで開催されるんです。ナイフやフォークを使ったコース料理が出てきて、新人職員はびっくりすることになります。私もその一人です(笑)
また、労働金庫を担当している若手の職員は、労働金庫の職員といっしょに近くのお祭りや町のボーリング大会に参加しています。

ー仕事の中で、どのような部分にやりがいや面白さを感じますか?
安藤:軽井沢町役場は、近隣の自治体と比較して来庁数が多いので、色々なお客さんと会話できるところに面白さがあると思っています。
また、利用者側だった公共交通に、運営者側として携わることで運営に関する実状などを知ることができるのも興味深いところです。
入澤:軽井沢町は自然が魅力の1つだと思うのですが、その自然を守るという仕事に携わっていますので、直接的に軽井沢の魅力に関わることができるのは魅力だと思います。
内堀:窓口でのお客さんとのやり取りにおいて、求められていること以上の対応ができて、「ありがとう」と感謝してもらえたときは非常に嬉しいですし、やりがいにつながっています。
ー仕事の中で、大変だったことはありますか?
安藤:公共交通の遅延が発生しないようにするためのバス事業者とのやり取りや、ルート上で工事が行われている場合に迂回ルートを確保して、それを利用者に周知するなど、住民と事業者の中間に立ち調整を行う点が大変です。
入澤:1年目の10月に色々教えてくれていた直属の先輩が異動になってしまって、さらにその直後の11月に4人体制で行っていたことを3人で行わなければならなくなったときが一番大変でした。周囲の方に助けていただいて何とか乗りこえることができました。
内堀:以前に所属していた観光経済課の業務は非常に幅広く、業務量も多かったため、複数の業務を同時並行的に進めていかなければならなかったのが大変でした。事業を進める中で、町が実施したいこと、事業者ができることには乖離があることもあり、そのあたりの調整には苦労しました。

ー皆さんから見た軽井沢町や軽井沢町役場についてお聞かせください。
安藤:軽井沢町が他の町とは異なる点として、住民だけではなく、多数の観光客や別荘の所有者にも目を向けなければいけません。
お客さんからの町へのニーズも高く大変ですが、やりがいはあります。
入澤:日中は人で溢れている一方で、夜間は静音の維持に務めています。そのため、コンビニエンスストアも23時には閉まります。夜は静かなので過ごしやすいです。
また、役場としては、住民だけがメインのお客さんではないという点が特徴だと思います。
内堀:特殊な町だと感じています。年間約700万人の観光客が訪れ、16,000戸を超える別荘があります。そのため、町民に加えて観光客や別荘所有者に対して、それぞれに適したサービスの提供が必要です。

—最後に、軽井沢町役場へ応募を検討している方にメッセージをお願いします。
安藤:就活では自分で気づかない思わぬアドバイスをもらうことができるかもしれません。焦らずに視野を広く活動してみてください。
入澤:色々な人と接したい、という人にとっては非常に魅力的な自治体だと思います。
内堀:多くの観光客を相手にした事業ができることも魅力のひとつだと思います。
—ありがとうございました。