平塚市役所の下水道整備課で土木技術職として働く佐藤さんに、これまでの経歴や、仕事と職場環境についてお話を伺いました。
—これまでのご経歴を教えてください。
佐藤:平塚市出身で今年で35歳になります。大学院卒業後、新卒で池袋にある民間の設計会社に入社し7年間鉄道の設計に従事しておりました。30歳の時平塚市役所に転職し、今年で4年目になります。
設計の仕事にやりがいはあったのですが、結婚を機にワークライフバランスや子供ができたときのことを考えるようになりました。今後の人生を見つめなおす中で、子育てをする環境や仕事との両立、自分時間の使い方を考え、転職を決意しました。
そのタイミングで、平塚市役所の社会人採用枠の採用情報をみつけ、偶然にも、私の年齢から採用枠の応募が可能でした。一般採用より面接などの回数が少なく仕事しながらの転職活動には助かったことと、今までのキャリアを考慮していただけそうだと思い、採用試験を受けました。
仕事をしながらだと複数社の採用試験に臨む時間と余裕はありませんでした。平塚市役所の採用試験は書類選考、SPI試験、面接1回のみだったので、この内容なら時間取れるかも、と思うことができたのも試験を受ける後押しになったと思います。
—課の体制や、仕事の内容について教えてください。
佐藤:下水道整備課は計画担当、整備担当、維持管理担当の3担当に分かれており、私は計画担当に所属しています。課全体で30名いて、計画担当は7人、そのうち6人が技術職、1人が事務職です。
計画担当の主な業務仕事内容は下水道の整備や管理の計画を立てることです。下水道は完成から50年以上経つので、老朽化や地震対策、浸水の対策をしていかなければいけません。事業ごとに目的や目標を明確にし、事業期間や事業費、対策すべき場所など平塚市の状況を鑑みながら計画を策定します。
整備担当の主な業務は工事を発注して下水道管を新設したり、既存管の補強工事などを行っています。維持管理担当の主な業務は日常管理となります。例えば市民の方からの要望に対応したり、下水道管の緊急的な修繕となります。
民間企業から公務員への転職でしたので、1から勉強し直しを覚悟していました。勉強することは多いですが、私の場合は前職の経験が活かせる方だったのではないかなと思ってます。
前職では地下鉄に関する業務を担当していて、下水道も土の中にあるので少し似ているところがあるんです。委託先の業者の方と設計について話すときに専門的なところまでつきつめて話せることもあるので、そういったときに経験が活かせていると感じます。
—入庁後の研修について教えてください。
佐藤:採用後の研修が通常ですと2週間ほどあります。私の場合はコロナ禍だったため、5日間でした。そこからは配属先で先輩職員と実際に業務を行いながら、仕事を覚えていきました。
計画担当の業務のひとつに窓口対応業務がありまして、ハウスメーカーや不動産関係の方などが、トイレやお風呂の水、雨が降ったときの水の処理の仕方などの相談にいらっしゃるんです。先輩が対応しているのを横で聞きながら、下水道の仕組みや構造を一緒に学んでいきました。
不明点は後で確認して実践する、をひたすら繰り返し2か月程度で簡易なお問い合わせに対しては対応できるようになりました。
入庁1年目のときは計画の策定業務はなかったので、窓口業務と並行して委託の発注をやらせてもらい、発注の準備から契約の流れなどを教えてもらいながらすすめましたね。また、経験として工事の発注も1件やらせてもらい、工事発注の流れや現場の確認、完成の検査なども教えてもらいました。
1年目はそのような感じであっという間に終わりました。2年目からは計画の業務に携わりました。
ー職場の雰囲気について教えてください。
佐藤:計画担当は、担当長以外は40代前半から30代中盤ぐらいの職員で構成されています。下水道整備課は社会人経験者の方が多かったこともあってか、前職とあまり変わらないなと思いました。
もちろん民間企業とは仕事の内容は異なりますし、予算の考えなどで戸惑うこともありましたが、仕事の進め方や雰囲気という点ではあまりギャップを感じることはなかったですね。
ー民間企業と公務員でどういった点でギャップを感じられましたか?
佐藤:公務員は単年度予算なので、前年度に決められた予算の中で業務をすすめないといけません。前職でも単年度予算の考えはありましたが、前年から仕事を決めて動くだけではなく、突発的に入ってくる仕事にも対応していました。
今年やりたいな、と思った仕事があっても、去年の時点で予算が取れていなければ実施できない点は、歯がゆさを感じることはありました。
入庁から1〜2年はそのギャップがなかなか抜けなくて苦労しましたが、3年目になると流れがわかったので、来年これをするために、今年予算をとっておかないと、という前年から用意する頭ができてきました。
計画を作ることは大切なんだな、と改めて実感しています。お金の移動がもう少し自由にきくと、いろいろな事業の進捗率が上がるとは思うんですが、それは行政という機関ではどうにもならないので、決められたお金の中でいかに効率よく進めるかっていうことを考えていますね。
もう一つ、民間と異なるのは市民の方との距離です。業者の方との距離も近く感じます。4年務めると、顔なじみも増えますしそれが仕事のしやすさにも繋がっています。
—仕事のやりがいについて教えてください。
佐藤:下水道は、地下に埋まってるので普通はあまり見ることができません。そこをみれるという点では面白みがあるかなと思います。ただ、外から見えないので、周りの人に、こんなことができたよっていう情報を認識していただくのは難しいです。
市民の方に直接感謝されたり、お褒めの言葉をいただくことが、やりがいに繋がることもあるのかなとは思いつつも、私にはまだ、そういった経験がないので、引き続き市民の方々のためになるよう努めていきたいと思います。
また、自分で立てた計画が順調に進み、当初の計画通りにすすんでいるな、と感じたり、修正が必要になったらうまくいくように調整していく、そういった中でやりがいを感じています。
今はまだ自分の携わる業務の数値が上がってないので、結果が出てくるとまたさらにやりがいに繋がるのかなと思います。
ー働き方について教えてください。
佐藤:前職より退勤時間は早くはなっています。子どもが発熱した時なども帰りやすいです。職場の方の理解が得られていてよかったと思っています。
時期によっては残業はあります。予算を決める秋や、年度初めは発注業務が多いので忙しいですね。ただ、年間で忙しい時期の見通しがつきやすいので、民間企業よりは、自分のプライベートなスケジュールは立てやすいと思います。
ー子育てや、生活の環境として平塚市はいかがですか?
佐藤:母子手帳をもらうときに、いろいろと丁寧にご指導いただいたり、出産前後の助成金も利用させていただきました。子育てに対してしっかりフォローがされていると感じました。
また、私が小さい頃はあまりショッピングモールがなかったのですが、今はららぽーとやアウトレットがあるのでとても便利ですね。公園もたくさんありますし、遊具も昔のものに比べると安全なものに改修されていて安心して遊ぶことができます。海も近いですし、遊ぶところがたくさんありますね。
生活していく環境としてどんどん良くなっていると感じます。道も平坦で自転車でどこへでも行けますし、駅も地域を選べばそんなに遠くなく利用できます。道が混むときなんかはバスや車より早く到着できますよ。
—最後に、平塚市役所の技術職へ応募を検討している方にメッセージをいただきたいです。
佐藤:技術職として平塚市役所に入庁した場合、道路、公園、まちづくり、災害対策、港湾、教育など配属先は幅広いです。
行政職は縦割りの考えが強いというイメージがあるかと思うのですが、平塚市役所の場合は社会人経験を持つ方が増えてきたこともあってか、風通しのよい職場だと思います。
民間企業から公務員へ転職はしたいけど、公務員の雰囲気にちゃんとなじめるかな?と心配されている技術職の方は、ぜひ、平塚市役所を受けていただけたらと思います。
—本日はありがとうございました。