茨城県庁の職員として約15年間、幅広い行政分野でキャリアを積み重ねてきた神賀さん。3人の子どもの父親でもある神賀さんは、仕事のやりがいを感じつつも、子育てと勤務地の距離に深い葛藤を抱えていました。そんな神賀さんが新たなキャリアとして選択したのは、住み慣れた那珂市役所の社会人採用枠です。地元で働く、という選択の先で手に入れたのは、かけがえのない家族との時間と、より近い距離で市民から「ありがとう」と声をかけられる新しいやりがいでした。経験を生かしながら地域に根ざして働く神賀さんに、那珂市役所の働き方について伺いました。
- 15年の県庁キャリアを経て那珂市役所へ。決断の裏にあった家族の物語
- 県庁から市役所へ。同じ公務員、それでも感じた変化とは?
- 直接届く「ありがとう」。市役所で感じる住民との距離感
- 10月入庁で迎えた繁忙期。仲間とともに乗り越えたチームワークの温かさ
- 一歩踏み出せば未来は変わる。経験を力に変えて目指すこれからの挑戦
15年の県庁キャリアを経て那珂市役所へ。決断の裏にあった家族の物語
ーまずは神賀さんのこれまでのご経歴と、前職でのお仕事について詳しく教えていただけますか?
神賀:私は新卒で茨城県庁に入庁して、そこから約15年間にわたって県職員として働いていました。専門学校を卒業してすぐに公務員の世界に入った形ですね。
県庁時代は本当に幅広い分野を経験させていただきました。県税や福祉、青少年の健全育成、さらには県立病院の経営に関わる病院局や、水道用水供給・工業用水事業などを扱う企業局など、多岐にわたる部署を回ってきました。中でも一番長く担当していたのは、廃棄物処理業者の許認可や規制指導を行う部署でした。
ー県庁でのキャリアも非常に充実したものだったのかと思いますが、そこからなぜ転職を考えられたのでしょうか?
神賀:一番大きな理由は、やはり子どもたちの存在ですね。私には現在3人の子どもがいるのですが、もっと子育てにしっかりと目を向けて、家族と一緒に過ごす時間を作りたかったというのが本音です。
当時、自宅から県庁までは朝晩の交通渋滞が激しく、往復で毎日2時間近くかけて通勤をしていました。ある部署では4月から6月にかけては繁忙期を迎えるということもあり、家に帰ると子どもたちが既に寝てしまっている、という日も少なくありませんでした。
ちょうど妻も育休からの復帰を控えていたのですが、このままでは家族と向き合う時間が十分にとれず、妻にばかり負担をかけてしまうと思ったんです。
ー家族と向き合うための決断だったのですね。そこからどうやって那珂市役所につながったのでしょうか?
神賀:実は、那珂市役所では令和6年度から「社会人採用枠」が新しく開設されたのですが、妻がたまたまその情報を見つけたんです。「勤務地がすぐ近くになるし、試しに受けてみたら?」と提案してくれたのが始まりでした(笑)
もともと市役所のすぐ近くに住んでいたこともあり、「市役所だったら通勤が楽だな」と冗談半分で話していたこともありました。ただ、年齢的なこともありますし、新しい場所で挑戦することにもなかなか踏み出せずにいました。
しかし、何気ない妻の一言で腹をくくり、「同じ公務員だし、必ず市役所でも応用が利くはずだ」と信じて挑戦することに決めました。
県庁から市役所へ。同じ公務員、それでも感じた変化とは?
ー同じ公務員としての転職ですが、転職後に感じた変化などはありましたか?
神賀:生活面で言えば大きく変わりましたね。往復約2時間かけていた通勤時間がほぼなくなったので、時間のゆとりが全く違います。子どもたちの保育所の送迎や、家族揃って夕食を食べられる日が格段に増えました。
ー職場の雰囲気や、仕事の進め方においてはいかがですか?
神賀:例規に基づき、細かな決裁を経て進めるという流れはそこまで変わりません。
ただ、組織の規模感がキュッとコンパクトになった分、職員同士の距離がとても近くて、顔がすぐ覚えられるのが良いですね。那珂市役所は若い職員も多くて、皆さんすごくフレンドリーで話しやすい雰囲気があります。
そういったこともあり、今までよりも更にスピーディーに意思決定ができるようになったと感じます。
直接届く「ありがとう」。市役所で感じる住民との距離感
ー現在の所属部署と、具体的にどのような業務を担当されているのか教えてください。
神賀:私は現在、総務部税務課の資産税グループに所属しています。主に固定資産税に関する業務を担当しており、市内の土地や家屋、事業用の償却資産に対する課税事務を行っています。
ーやはりデスクワークが中心なのでしょうか?
神賀:主にデスクワークですが、家屋調査なども行うため外回りもあります。市内で新しい建物や家屋が建つと、実際にそのお宅にお伺いして、どのような仕上げ材や設備が使われているかを細かくチェックする調査を行います。
そのため、時期にもよりますが週に1回程度は現地調査のために外に出ています。地区ごとに担当が分かれているのですが、調査が重なると、1日に数件調査をすることもあります。
それ以外の日は、基本的にデスクワークや窓口での課税証明書の発行対応などを行っています。

ー県庁時代のお仕事と比べて、市民の方との距離感は変わりましたか?
神賀:ここが県と市の大きな違いであり、一番やりがいを感じる部分ですね。県庁で長く担当していた廃棄物の業務などは、基本的に相手は事業者となります。法令に基づいて厳格に線引きや指導をしなければならず、時には厳しい対応を迫られるやりづらさもありました。
しかし、現在は地域で暮らす住民の方々と直接向き合う住民サービスが基本です。税金のお話ですので時には難しい説明が必要な場面もありますが、こちらが丁寧にわかりやすくお伝えすると、最後には「よくわかりました、ありがとう」と直接感謝の言葉を言っていただけるんです。
市民の方の笑顔や温かい雰囲気がダイレクトに伝わってきますので、住民のために働いているという実感を持つことができます。
10月入庁で迎えた繁忙期。仲間とともに乗り越えたチームワークの温かさ
ー神賀さんは10月入庁とのことでしたが、年度途中からの入庁だとあわただしかったのではないでしょうか?
神賀:部署にもよりますが、私が最初に配属された資産税の業務というのは、年末から年度末にかけて一気に課税作業の追い込みに入る時期なんです。右も左もわからない状態のまま、繁忙期になだれ込んでいきました(笑)
処理の手順にもまだ慣れていない中で必死に業務を覚える毎日でしたが、課内の皆さんや周りの若い職員たちが本当に優しくフォローしてくれたおかげで、無事に乗り越えることができました。
ー繁忙期を乗り越えられて、現在は少し落ち着いたところでしょうか?
神賀:本来なら年度が明けて少し落ち着くはずだったのですが、実は2年に1回実施される検査がこの後控えています…市が適正に事務処理を行っているかを確認される検査なのですが、たまたま今年がそのタイミングで、今はその検査に向けた資料準備に追われているところです。

ー入庁してから繁忙続きなのですね。そうした忙しさを乗り越えられるのは、やはり職場のチームワークなのでしょうか?
神賀:間違いなくそうですね。那珂市役所は本当にみんなで助け合うカルチャーが根付いています。わからないことがあっても周りの席の同僚や上司にすぐに質問できますし、嫌な顔ひとつせずに教えてくれます。
前職で培った公務員としての基本的な文書作成や予算の流れといった基礎知識はそのまま活かせていますし、そこに那珂市役所の温かい人間関係が加わったことで、本当に安心して業務に打ち込めています。
一歩踏み出せば未来は変わる。経験を力に変えて目指すこれからの挑戦
ー今後、那珂市役所で挑戦してみたい業務などはありますか?
神賀:今は資産税の業務をしっかりとマスターすることが最優先ですが、せっかく住民と向き合える「市役所」に来ましたので、将来的には自分自身の子育て経験を活かせるような子育て支援系の部署にも携わってみたいですね。親としての目線やリアルな悩みを、行政の施策に反映できたら面白いなと思っています。
あとは、図書館のような市民の方々に親しんでいただくような公営施設にも配属されてみたいですね。市役所には実に多様な部署がありますので、ライフステージの変化に合わせてさまざまな分野に挑戦していきたいと考えています。
ーそれでは最後に、進路選択や新たなキャリアに踏み出すことに悩んでいる方へのメッセージをお願いいたします。
神賀:もし今、転職や新しいキャリアについて悩んでいるのなら、それは自分の中に「新しい一歩を踏み出したい」という強い気持ちがある証拠だと思います。
私自身、妻の「受けてみたら?」という一言に背中を押されて挑戦したからこそ、今の充実した生活と仕事を手に入れることができました。いろいろと難しく悩む前に、まずは行動を起こしてみる。やるだけやってみてから、その後のことを考えればいいんじゃないかなと思います。
那珂市役所には、あなたの挑戦を温かく受け止めてくれる素晴らしい環境と仲間が待っていますので、ぜひ勇気を出して飛び込んできてください!
ー本日はありがとうございました。
15年勤めた県庁という安定した立場を飛び出し、那珂市役所へと飛び込んだ神賀さん。「地元の市役所」がもたらした生活の変化を、笑顔で語る姿が非常に印象的でした。しかし、その決断の根底にあったのは、単なる利便性の追求ではなく、「家族との時間を何よりも大切にしたい」という父親としての想いでした。
前職で培った行政マンとしての確かな経験と、親しみやすいお人柄。窓口で市民から届く「ありがとう」の言葉にやりがいを感じる神賀さんの姿に、地域に根ざして働く公務員の本当の魅力を見た気がします。「思い立ったらまず動いてみる」。その力強い言葉は、新しい一歩を躊躇している多くの求職者の背中を、優しく叩いてくれるのではないでしょうか。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年7月取材)



