動画の目次:
0:17 飯田市をどういうまちにしたいですか?
1:37 市民との関わりについてはいかがですか?
2:33 市長として職員とはどのように関わっていますか?
3:58 まちづくり合言葉「ムトス」について
「日本一住みたいまち」の実現へ。飯田市長が語る、市民と職員の「ムトス」の精神。
総務省を経て、飯田市の市長に就任した現市長が語る市の未来ビジョン。
子育てをきっかけにUターンし、故郷のために働く道を選んだ市長が掲げるのは、「2050年に日本一住みたいまち」という目標です。
ノーベル賞級の研究プロジェクトや、市民との対話から生まれるまちづくり、そして飯田市に脈々と受け継がれる「ムトス」の精神について、市長自らが語ります。

飯田市を「日本一住みたいまち」に。
私が市長になる時のマニフェストで、「2050年には飯田市が『日本一住みたいまち』にしたい」と掲げて選挙に出ました。
飯田市には生活や暮らしにおいて、水、食べ物、気候といった非常に高いレベルで揃っている要素があります。
これを守りながら、将来のリニア開通といった都市の利便性も享受しつつ、昔ながらの良いところや文化も含めて、うまく良いバランスで残していきたいんです。
このようなまちづくりをやりたくて取り組んでいます。
例えば、信州大学と組んで、水と太陽光から水素を作る研究を飯田でやるというプロジェクトが今動いています。
その研究は「ノーベル賞級の研究」だといわれ、その先生が飯田で実証実験を始めようとしています。
未来に向かってワクワクするような、いろんな要素もこれから出てくるので、「2050年に日本一住みたいまち」を実現していく、これが私のビジョンです

市民の想いが、まちの未来をつくる。
市民の皆さんと話すことは大切にしています。
高校生と話して面白かったのは、「今はないものでどんなものが欲しいか」と聞くと、都市的なものに憧れる言葉が出てくるんですが、「住みたいまちってどういうまちですか」と尋ねると、都市部にあるようなカフェや大型商業施設といった話は出てこないんです。
人とのつながりや優しさ、あるいは自然の豊かさといったキーワードが出てきます。
若い人たちも都市的なものに憧れるし、そういうものも欲しいんだけど、住みたいところを考えると、もうちょっと深掘りをして考えているんです。
そこがまちの根っこには必要で、それを職員や市民の皆さんと一緒に作り上げていけるといいなと思っています。

飯田市に根付く「ムトス」の精神。
四半世紀以上前に先輩方が見つけてきた言葉「ムトス」は、「自分たちのまちを自分たちの力でなんとかしようとする」という精神です。
これは本当に昔からこの町にあって、今も脈々と受け継がれています。
象徴的なのが「りんご並木」という美しい物語です。
このまちは非常に大きな火事があり、焼け野原になってしまいました。
まちを復興していく時に、防火帯を兼ねた非常に広い道路ができたのですが、残念ながら殺風景でした。
そこに中学生が「並木道を作りたい」「りんごを植えたい」と言ったんです。
りんごの木は育てるのが難しいので、大人たちは違う木にすることを勧めたらしいんですが、中学生は「ぜひりんごを植えたい」と強く願いました。
りんごの実は美しいということもありますが、その実がなっても住む人が誰も盗らない、そんな「人の心も美しいまち」にしたいという想いでりんご並木を作ったんです。
それが今もずっと守られてきている。
このりんご並木に象徴される、自分たちのまちを自分たちで作ろうとする精神は、市民の皆さんにも、そして市役所の職員にも、伝統として根付いているんです。
