「面接の時から、目の前の人を大切にしてくれる温かさを感じていました。入庁してからも、その印象は全く変わりません」 そう笑顔で語るのは、愛知県豊明市役所の生涯学習課で働く入庁3年目の渡邉さん。
そして渡邉さんの隣で優しく微笑むのは、同課の係長の安藤さんです。
「公務員=堅苦しい職場」というイメージを持たれがちですが、豊明市役所は若手もベテランも気兼ねなく意見を言い合える「心理的安全性」の高さが自慢です。
今回は、就職活動を控える学生や社会人の皆さんに向けて、豊明市役所の働きやすさの秘密や、思わず「こんな上司のもとで働きたい!」と感じるような、上司と部下の温かい関係性についてたっぷりとお話を伺いました。
「目の前の人を大切にしてくれる」。面接で感じた直感と入庁後の印象
ー本日はよろしくお願いいたします。まずは、お二人の自己紹介と現在のお仕事について教えてください。
安藤:生涯学習課で係長をしています、入庁23年目の安藤です。これまで下水道課や給食センター、債権管理課、秘書室など5つの部署を経験してきました。実はその間に3人の子どもを出産し、トータルで8年半ほど育休を取得しているので、実質的な勤務年数はもう少し短いです。
生涯学習課では、「二十歳の集い(成人式)」の運営や、公民館などの生涯学習施設の管理、そして文化系クラブ活動の支援などを主に行っています。

渡邉:私は大学を卒業して新卒で入庁し、今年で3年目になります。入庁時からずっと生涯学習課におり、現在は公民館の管理や、市民向けの講座の企画・運営、当日の司会進行などを担当しています。
ー渡邉さんは東郷町のご出身とのことですが、就職活動で豊明市役所を選んだ理由は何だったのでしょうか?

渡邉:自宅から近かったことも理由の一つですが、一番の決め手は職員の方々のお人柄です。面接の際、面接官の方々が目の前にいる私という人間をとても大切にしてくくださっていること感じられ、「こんな方々と働きたい」と心から思いました。実際に働いてみても、その印象は全く変わらず、皆さんとても温かいです。課の方々が大好きですし、「豊明市役所を選んで本当に良かったな」と日々感じています。
「係長の仕事は、働きやすい環境を作ること」。心理的安全性を高めるコミュニケーション
ー渡邉さんから見て、職場の雰囲気はどのような感じですか?
渡邉:本当に温かくて、明るい職場です。そして、人として尊敬できる方ばかりです。仕事に対する姿勢はもちろんのこと、人への気の配り方、優しさ、思いやりというものが自然に備わっていらっしゃる方ばかりです。 私が1年目の時、安藤さんが「係長の仕事は、みんなが働きやすい環境や、毎日仕事に行きたいと思える環境を作ることだと思っている。そのために係長になったんだよ」と話してくださったことがありました。その言葉を聞いて、私はなんて恵まれた環境で働けているんだろうと再認識しました。

安藤:そんなこと言いましたっけ?(笑)。でも、自分がそう思って心がけていることを、しっかり受け取ってもらえていたのはすごく嬉しいですね。
ー安藤さんは、若手職員と接する上で意識されていることはありますか?
安藤:私が一番心がけているのは「心理的安全性」の確保です。年齢や立場に関係なく、言いたいことが言える職場にしたいと常に思っています。例えば、若い方って「こんなこと聞いたら恥ずかしいかな」「こんなことも分からないと思われるかな」と遠慮してしまうことが多いですよね。例えば、仕事のミスって「ただ知らなかっただけ」ということが多いんですよね。
そんな時は十分伝えられていなかった自分にも反省点があると思うんです。だから、「何でも聞いてね」というように伝えて、できる限り不明点を残さないようにしたいんです。

渡邉:安藤さんは、どんなに忙しい時でも、私が相談や質問すると絶対に手を止めて、体をこちらに向けて話を聞いてくださるんです。そのおかげで、「聞いても大丈夫なんだ」という安心感があり、わからないまま抱え込まずに「まずは相談してみよう」と思うことができています。
気にかけてくれる存在がある。それだけで辛さも大変さも乗り越えられる
ーこの3年間で、渡邉さんが仕事で壁にぶつかったり、辛いと感じたりしたエピソードはありますか?
渡邉:市役所で働いている以上、制度の変更や市政について市民の方からさまざまなご意見をいただくことがあります。特にある時期にはそういったお電話が集中し、厳しいご意見をいただくことも多く、精神的にしんどいと感じることがありました。自分なりに丁寧に対応しようとしても行政として難しい立場を感じる場面もありました。
ただ、その時にとても支えになったのが、係長や周囲の先輩方の存在でした。
私は、電話はなるべく早く取ろうと心掛けていますが、私に負担が偏らないように、電話が鳴った瞬間に、ものすごいスピードで安藤さんが電話を取ってくださって…。
安藤:渡邉さんはすごく真面目なので、一生懸命に電話を取って対応してくれるんです。でも、そのせいで彼女自身の本来の仕事が後回しになってしまうのを感じていました。 私自身が若かった頃、仕事がいっぱいいっぱいだった時に、当時の上司が「仕事を手伝うよ」ではなく「電話を取るよ」と言ってくれたことが、一番ありがたくて助かった記憶があったんです。だから自分が上司になったら、部下が大変な時は絶対に電話を代わろうと決めていました。

渡邉:厳しいお声をいただいた後、安藤さんが「しばらくは電話取らなくていいからね。ちょっと外に出て気分転換しておいで」と声をかけてくださったんです。その時に、ただ業務を助けていただいたというだけでなく、「大変だったよね」と私の気持ちまで気にかけていただけていることが嬉しく、救われたのを覚えています。
圧倒的な「休みやすさ」と帰りやすい雰囲気
ー ワークライフバランスや、お休みの取りやすさについてはいかがですか?
安藤:豊明市は、昔から育休の取得などにすごく先進的で寛容な自治体です。私が子ども3人で8年半の育休を取れたのも、そうした風土があったからです。現在は市として「年間平均16日の有給取得」を目標に掲げており、年々お休みが取りやすくなっていると感じます。
渡邉:お休みは非常に取りやすいです。職場全体に有給を取ること当たり前の文化として根付いており、ほとんどの職員がしっかりと実践しているため、「休みを取ると迷惑になるのでは」という躊躇はほとんどありません。
ー残業についてはいかがですか?若手だと「先輩が帰るまで帰りづらい」ということもあるのでしょうか。
渡邉:そのようなことは全くありません!(笑)。私の同期を見ても、繁忙期を除けば基本的に定時で帰っていますし、「上司が残っているから帰れない」という話は聞いたことがありません。
安藤:むしろ、若手にはさらっと帰ってもらった方が、私としても「あ、今日の仕事はちゃんと終わったんだな」と安心できるのでありがたいですね。
「転職したかのように変わる仕事」を楽しむ。未来の市役所を創るあなたへ
ー今後、お二人が目指す市役所職員としての目標や歩み方を教えてください。
渡邉:今はまだ知識や経験が浅く、市民の方からお悩みを伺っても、その場の対応で終わってしまい、根本的な解決策までご提案できないことがあります。その度に自分の力不足を感じます。これからは色々な部署を経験し、そこで知識や自分なりの考えを積み重ねることで、自らアイデアを出して課題を解決・改善していける職員になりたいです。
安藤:私は「一緒に働けて良かった」と思ってもらえればそれで十分です。キャリアアップについても、「自分が理想とする働きやすい職場を作るために、上に上がる必要があるなら上がる」というスタンスです。 今の市役所の仕事は、人口減少などによって限られた予算を最大限に活用しなければならず、これまでのやり方では立ち行かなくなっています。だからこそ、柔らかい頭で柔軟な発想ができ、より良い未来へ変えていこうとする方と一緒に働きたいですね。

ー最後に、豊明市役所の受験を検討している皆さんへメッセージをお願いします。
渡邉:市役所の仕事は決められた業務をこなすイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思います。でも実際は、様々な事業に対して「どうしたら良くなるか」を自分で考えながら進めていく場面がたくさんあります。「市民の為に働きたい」という方はもちろん、「自分で考えて物事をより良くしていきたい」という前向きな思いを持っている方と一緒に働けたら嬉しいです。
安藤:公務員は、部署が異動するだけで「転職したのか?」と思うほど仕事内容がガラッと変わります。今いる部署が合わなくて苦しい時があっても、次はまったく違う素晴らしい仕事に出会えるかもしれません。そうした「仕事の変化」を前向きに楽しめる方に、ぜひ来ていただきたいです。皆さんのチャレンジをお待ちしています!
ー本日はありがとうございました。

「心理的安全性」という言葉。ビジネス書で目にする機会は増えましたが、実際の職場で、しかも上司の口から自然とこの言葉が出てくる環境は決して多くありません。
「みんなが働きやすく、毎日仕事に来たいと思える環境を作りたい」と語る安藤さんと、そんな上司に感謝しながら経験を積み、「将来は課題を解決できる職員になりたい」と真っ直ぐに語る渡邉さん。
お二人のインタビューを通じて、豊明市役所がいかに「人」を大切にし、誰もが自分らしく働ける温かな土壌を築いているかが痛いほど伝わってきました。失敗を恐れず、何でも相談できる仲間がいる。こんなにも心強い「心理的安全性」に包まれた豊明市役所なら、きっと誰もがのびのびと成長し、まちの未来を明るく照らす存在になれるはずです。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年05月取材)



