地域PRの一環で自ら企画したキャラクタープロジェクトで、イベント企画や地元観光協会と連携したグッズ展開を手がけている古田さん。イベントには町外からも含めて80人以上が小さな町に集まりました。今回はそんな古田さんに「温泉むすめ」事業の経緯や詳細を伺いました!
ー古田さんが公務員となった経緯を教えてください。
古田さん:親が地域の人と関わる仕事をしていて、その影響からか自分も地域の人の役に立てる職に就きたいと考えるようになり、公務員を志すようになりました。
元々出身は別の町ですが、両親が転勤族であり豊富町に近い町に住んでいたこともあったんです。豊富町のこと自体はよく知っていて好きな町ということもあり応募させていただきました。
ー現在はどのようなお仕事をされていますか?
古田さん:総務課地域振興室地域振興係という部署に所属しており、主に地域の魅力発信に関わること全般を担当しています。ふるさと納税や広報誌制作などもやりつつ、最近は「温泉むすめ」にまつわる業務も担当しています。
ーありがとうございます!ここからは、古田さんが手がけられている『温泉むすめ』について詳しく教えてください。
古田さん:『温泉むすめ』とは、東京・渋谷区にあるキャラクターコンテンツ会社である㈱エンバウンドのプロジェクトでして、全国の温泉地や地方都市の魅力を国内外に向けて発信していく地域活性化プロジェクトで、政府観光局が選ぶ世界推進コンテンツにも採用されているものです。現在で128人以上のキャラクターでいて、その中に「豊富温泉」のキャラクター(豊富水由)が活躍しています。
ーどういった経緯でこのプロジェクトが始まったのでしょうか。
古田さん:一番最初は、私が直接制作会社にご連絡させていただいたところからです。「温泉むすめ」は、温泉組合や商工会など民間とのコラボがほとんどで、当時自治体と取り組んでいる事例も少ないなか、ダメもとで連絡しました(笑)
ーなぜ温泉むすめの制作会社に声をかけて見ようと思ったのですか?
古田さん:私が所属する部署は、主に広報誌やSNSなどを使って日々町内外に豊富町の魅力を情報発信しています。
豊富町のどんな魅力を発信していこう?と考えたときに、まず思いついたのが日本に1つ、世界に2つしかない油分を含む希少な泉質をもつ「豊富温泉」でした。アトピーや皮膚疾患に効能が高いとされ、湯治の湯としてのイメージはありますが、観光地としてはまだまだ知られていないなという課題点を感じていました。
そんなとき温泉地のPR手段について調べていたところ、「温泉むすめ」を知り、これは若者を中心とした新しい層を取り込めるのでは?と考え、想いを綴って連絡をしてみたところ、お声がけをいただき、ご縁から取り組みが始まりました。
ー『温泉むすめ』に関して、古田さんが具体的にどんなお仕事をされているのか教えてください。
古田さん:豊富 水由(とよとみ みゆ)ちゃんという豊富温泉の「温泉むすめ」と「豊富温泉」の魅力を全国にPRすることです。具体的にいうと、イベント先でのPR活動、温泉むすめイベント自体の開催・運営、観光協会と連携したグッズ展開、SNSを活用した情報発信などもしています。
ー特に印象的だった出来事などありますか?
古田さん:2022年の9月から取り組みがはじまったんですけど、2023年の5月に初めて水由ちゃんのお誕生日会(5月13日)を開催したところ、町内外から想像を超える80名以上の方にお越しいただいたことですかね。本当に驚きましたし、今でも印象に残っています。
お誕生日イベント日の夜に開催されたファン有志のオフ会にちょっと参加させてもらったのですが、ファンの方々がとても熱心な方々ばかりで…。とても勉強になりました。
ーすごいですね!イベントやSNSでの発信などは全て古田さんが企画されているのでしょうか?
古田さん:そうですね。自分が主体となって動いています。とはいえ一人で抱えているというわけではなく、ファンの方から意見をもらったり、観光協会や同じ係の皆さんと連携して話し合いながらグッズやイベントを企画したり、本当に多くの方の力を借りています。
お誕生日会の様子
ー大変なお仕事だと思いますが、やりがいを感じることはどんなときですか?
古田さん:ファンの方との交流ですかね。水由ちゃんに会いに来てくれるのがほとんど道外の方で、水由ちゃんをきっかけに豊富町や豊富温泉を知ったというお声も多くいただき、それが本当に嬉しくてやりがいになっています。定期的にお越しいただいているファンの方のなかには広島や沖縄といった遠方のかたもいらっしゃいます。
ー沖縄からも...!水由ちゃんの人気がすごいですね。
古田さん:水由ちゃんを応援してくれる方のオフ会があったり、お誕生日やお祝い事にプレゼントや花をくれる方もいて…。水由ちゃんのおかげで出会えた方もたくさんいて、本当にやってみて良かったなと思います。
ー逆に、苦労したことや大変だったことは?
古田さん:全くのゼロから始めることだったので、どこから始めたらいいのか分かずとても苦労しました。温泉街の皆さんをはじめとした町民の方々に水由ちゃんを知ってもらえるためどうすればいいのかがとても悩みました。
最初の頃はすでに温泉むすめ事業をはじめている全国の温泉地へ1件ずつ電話をかけて話を聞いたりなどしました。皆さんとても熱心に教えてくださって、始めていくなかでとても参考になりました。
お披露目会の様子
ーありがとうございます!他にもさまざまな仕事を担当されている古田さんですが、豊富町役場の雰囲気はどうですか?
古田さん:「こういうことをやってみたい」という意見に対して耳を傾けてもらえますし、アイディアや情熱持ってる方はいろいろチャレンジできる場所だと思います。
ー入庁する前と後で役場のイメージは変わりましたか?
古田さん:入庁前は事務仕事がメインというイメージでした。実際に1年目は事務作業がメインの係に所属していました。
異動で今の係になってからは企画や交流がメインとなり、全国の方々と関われる仕事という点でもいい意味でギャップを感じています。「温泉むすめ」のつながりで全国の温泉地の方とやりとりすることも増え、そういったつながりを持てたのも良かったですね。
ファンからのプレゼントも「奉納品」として飾られています
ーありがとうございます!最後に、豊富町の魅力を教えてください。
古田さん:やはり一つは「豊富温泉」ですね。水由ちゃんも豊富温泉があったからこそ生まれたこともありますし、その日本で唯一無二の泉質は豊富町にとっては大きな宝だと思います。
他にも日本最大の高層湿原を有す「サロベツ湿原」など、この土地ならではの景色や体験がたくさんあります。あとは人が本当に温かくて、若手職員の方でもいろいろなことに挑戦できる環境はすごく魅力かと思います。
ぜひ、豊富水由ちゃんに会いに来てください!
―本日はありがとうございました!