沖縄県豊見城市役所で採用担当を務める渡慶次さんに採用担当者ならではのお話を伺いました。
採用担当者として、そして一人の職員として感じる豊見城市の魅力や、未来の仲間たちに求めること、そしてこれから受験を考えている人に向けたアドバイスなど、普段なかなか聞くことのできないような話題が盛りだくさんです。
ー早速ですが、職員を募集するにあたり、豊見城市ではどのような人材を求めていますか?
渡慶次:一番は、やはりコミュニケーション能力に長けた人ですね。
組織の中で仕事をしていく上で日々コミュニケーションは欠かせません。自分が困ったときに相談できるだけでなく、周りの人が困っていないか、配慮できることが大切です。自分から「何か困ってる?」とアプローチできるような方を求めています。
また、「周りに配慮できる人」「成長意欲のある人」という点もポイントだと思っています。

ー「周りに配慮できる人」とは、どのようなイメージでしょうか?
渡慶次:少し大げさかもしれませんが、周りの人を幸せにできない人は、市民を幸せにすることはできないと思っています。家族や友人、アルバイト先など、どんな場面でもいいので、周りの人の異変や困りごとに気がついてあげられる、そんな「気配り」ができる方に来ていただきたいですね。
ーもう一つの「成長意欲」とは具体的に何を表しているのですか?
渡慶次:公務員は、良くも悪くも安定して給与が支給されます。だからこそ、現状に満足せず、周囲から積極的に吸収し、自ら成長していこうという意欲が大切なんです。
頑張っている仲間からしたら、成長しようとせず怠ける姿勢が見えてしまうとチームワークが乱れてしまうことだってあります。
人によってペースや目指すものは違いますが、互いが成長しようと努力していること、そしてそれがちゃんと仲間に伝わることが重要ですね。
自身の成長意欲や目的などを仲間と共有するためにも、最初に話したようにコミュニケーションが必要となります。
ー受験される方は、やはり豊見城市出身の方が多いのでしょうか。
渡慶次:もちろん市内出身の方で、地元への貢献意欲が強い方は大歓迎です。ですが、地元出身でないといけない、という考えは全くありません。
豊見城のことをまだ知らなくても、これから市の魅力を感じ、その発展に協力したいと思っていただける方であれば、どなたでも大歓迎です。むしろ、外部の方だからこそ見える「豊見城の新たな魅力」といった視点はとても大事だと思っています。
是非、様々なバックグラウンドを持つ方に働いてもらいたいですね。
ー志望動機について、「沖縄への憧れ」で受験する方もいるかと思いますが、憧れでの受験というのはいかがですか?
渡慶次:それはとても素敵なことだと思いますよ(笑)
私自身も沖縄が大好きですし、「沖縄」そのものに憧れて志望するという気持ちもよくわかります。なので、沖縄であればどこでもよかった、何となく豊見城市というところを受けてみた、でも全然いいと思っています。
ただ、憧れが先行していたとしても、採用試験までには「なぜ豊見城市なのか」「なぜ公務員なのか」という理由を一つでも見つけて、伝えてもらえると嬉しいですね。
一言で沖縄といっても、市町村によって街の規模や雰囲気は大きく異なります。例えば豊見城市であれば、西側は海、東側は湿地や緑もあり、観光地として目を向けられやすいですが、市街地に行けば思ったよりも栄えていて、イメージしていた沖縄とは少し違う、といったこともあると思います。
そういった地域性や市町村ごとのなど、何でもいいのでピンときたことを志望動機としてより深く考えてみてください。それに加えて、実際の試験では沖縄に憧れた、沖縄が好きだという率直な想いも是非聞かせてください。
ー面接などで自己PRをする機会があるかと思いますが、採用担当としてはどういったことを知りたいのでしょうか?
渡慶次:ご自身がこれまでにどのような経験をして、結果的に何を得たのか、何を感じたのかということを具体的に教えてほしいですね。
例えば「こういう経験をしてきたので、〇〇ができます」というように、ご自身の経験を長所としてアピールしていただくと、私たちも「この人なら、この部署で活躍してくれそうだな」とイメージが湧きやすいです。
また、面接試験では反対に短所を聞かれるようなこともあるかもしれませんが、それは欠点を知りたいわけではありません。自分の弱みをどう理解し、どう向き合ってきたのかを知りたいのです。
過去の経験とそこから成長した今の自分について、自己分析をしておくと面接などでも話やすくなるかもしれないですね。
ー受験生にはどのような想いを持って試験に臨んでもらいたいですか?
渡慶次:「市民のために貢献したい」という気持ちですね。私たちの仕事は、すべてが市民の生活に繋がっています。この気持ちがないと、働く上で厳しく感じる場面が出てくるかもしれません。
「誰のために、何をしたいのか」を自分の中でよく整理して、具体的に働きたい部署、そこでは何ができるのか、といった働くイメージや市民の為に貢献するイメージを膨らませて試験に臨んでいただきたいですね。
ー採用試験全般を通じて、渡慶次さんがよく見ているポイントがあれば教えていただけますか?
渡慶次:あくまで個人的な意見であり、点数化されるようなものではないのですが、受験生の皆さんの言動一つ一つは、私のような採用担当者だけでなく、面接官の心にも強く残ります。
抽象的な表現になってしまいますが受験生によって「印象」が全然違います。受付や控室での立振る舞いを見ているだけで、何となく「この人は合格しそうだな」と思うことがあり、結果を見てみると本当に合格をしていることが少なくないんです(笑)
ー「印象」ですか?合格しそうな人というのは何が違うのでしょうか?
渡慶次:服装や身だしなみといった見た目も第一印象に影響するためもちろん大切なのですが、一番は「表情」かもしれません。
緊張していて、皆さん表情が強張っているのは重々承知なのですが、「ここで働きたい!」という強い意志を持っている方は、そんな中でも表情がりりしく引き締まっているんです。
一方で、挨拶や会話をする際には笑顔が見えたりと、自分が見られているということを常に意識している方は、試験に真摯に向き合っていることが伝わってきますね。

ー働きたいという気持ち、見られているという意識が自ずと表情に現れるのですね。続いて、渡慶次さんが思う、豊見城市役所で働く魅力を教えてください!
渡慶次:一つは、まちがコンパクトであるというところですね。市の全体像が把握しやすく、公園のこと、道路のことなど、自分の仕事がまちのどこに繋がっているのかをイメージしやすいので、働く実感と言いますか、やりがいを感じやすい環境だと思います。

そして、市役所自体がちょうどいい規模感だというところも豊見城市役所のいいところです。
職員数が多すぎないので、ほとんどの職員がお互いの顔と名前を知っています。だからこそ生まれる一体感がありますね。
市長自らも職員とのコミュニケーションを大切にしていて、部署の垣根を越えて和気あいあいと仕事ができる、風通しの良さも大きな魅力だと感じています。実際に働いてみると「こんなに雰囲気がいいんだ!」と感じてもらえると思います!
ー最後に、豊見城市職員を目指す方へメッセージをお願いします。
渡慶次:皆さんはおそらく「公務員=お堅い」というイメージを持っているのではないでしょうか?これは決して間違ったイメージではなく、もしかしたら入庁後に「思ったよりこんなに堅いの?」と感じる部分もあるかもしれません。
ですが、それはあくまで法律に基づいて働くという業務上の話であり、そこで働く職員の雰囲気や人間関係が堅いというものではありません。
一緒に働く仲間はとてもフランクで、本当に温かい人ばかりです。困ったときには必ず助けてくれますし、働く中で一人で仕事をしているんじゃないと必ず実感できると思います。
ぜひ、豊見城市の発展のために、あなたの力を貸してください!
一緒に働ける日を楽しみにしています!

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年7月取材)