富山県出身、銀行勤務10年、二児の母。結婚を機に「縁もゆかりもなかった」かほく市に移り住み、32歳で市役所への転職を決めた三宅さん(総務部総務課職員係・入庁2年目)。
なぜ、キャリアの折り返し地点で新しい一歩を踏み出したのか。試験のこと、面接のこと、子育てと両立する毎日のこと。民間から公務員への転職を考えるあなたに読んでほしい、等身大のインタビューをお届けします。
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◆ プロフィール
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三宅さん/かほく市役所 総務部総務課職員係(入庁2年目)
富山県出身。大学では経営法学科で金融法務を専攻し、新卒で金融機関へ。窓口・事務、個人向け営業などの職種で10年間勤めたのち、かほく市役所へ転職。現在は正規職員の給与、健康管理、職員研修を担当する。結婚を機にかほく市へ移住し、5歳と3歳の育児中。
- ◆縁もゆかりもないまちが、「ちょうどいい」まちだった
- ◆ 挑戦させてもらえた10年間。だからこそ、見えてきた「自分に合う働き方」
- ◆ 受けたのは、かほく市ただ一つ。背中を押したのは「募集要項」だった
- ◆ 「公務員の仕事」のイメージは、いい意味で裏切られた
- ◆ 通勤5分。朝の「賭け」と、とある1日のスケジュール
- ◆ 残業のこと、繁忙期のこと。率直に聞いてみた
◆縁もゆかりもないまちが、「ちょうどいい」まちだった
▼ 三宅さんは富山のご出身だそうですね。かほく市に住むことになったきっかけを教えてください。
「結婚のタイミングです。夫の実家と私の実家、そのちょうど中間地点がかほく市だったんです。正直に言うと、かほく市自体にゆかりは全然なくて(笑)。ただ、子育て支援が充実している印象があったということと、お互いの実家に帰りやすくて、大きな幹線道路にもすぐ乗れる。『これからずっと住む場所』の候補として、すごく環境がよかったんです」
▼ 暮らし始めて、どのくらいになりますか?
「今年で6年になります。最初は『候補のひとつ』だったんですけど、結果的にずっと住むまちになりました」

◆ 挑戦させてもらえた10年間。だからこそ、見えてきた「自分に合う働き方」
▼ 前職は金融機関で10年。ひとつの会社で勤め上げるのはすごいことだと思います。どんなお仕事をされていたんですか?
「入社してすぐは窓口や事務がメインで、5年目以降は事務方のリーダーを任せてもらいました。最後の2年は、個人のお客様を担当する外回りの営業です。手を挙げれば挑戦させてもらえる社風で、採用活動のブースに立ったり、産官学連携の研修で中国・大連への視察に参加させてもらったり。やりたいことを叶えられる、本当に恵まれた環境でした」
▼ それだけ充実していた中で、転職を考えるようになったのはなぜでしょう?
「きっかけは、渉外(営業)の仕事を経験したことです。職場や上司に恵まれていたのは前職時代も変わらないんですけど、営業って、答えがないんですよね。事務は手順どおりにやれば必ず終わるけれど、営業は相手のあること。『これだけやればこの結果が出る』という見通しが立たない。それを面白いと感じる人もいると思うんです。ただ私は、誰かにプレッシャーをかけられたわけでもないのに、勝手に自分でハードルを上げて、達成できない自分が許せなくなってしまうタイプで」
▼ きっちりやりたい性格が、事務では強みに、営業では自分を追い込む方向に働いてしまった。
「そうなんです。仕事に優劣があるのではなくて、自分にはどんな働き方が合うのか、が見えてきた感じです。ちょうど結婚して、新しい土地に来て、勤務地も変わって、と環境が大きく変わる中で、働くことに対する価値観も少しずつ変わっていって。これから何年、何十年、子どもがいて家族が増えて……という未来を考えたとき、仕事の悩みを家に持ち帰らずに、家族と笑って過ごせる働き方がしたい。それが一番の想いでした」
◆ 受けたのは、かほく市ただ一つ。背中を押したのは「募集要項」だった
▼ 転職活動では、他の自治体や企業も受けましたか?
「受けていません。かほく市一本です。当時、転職先を探していたタイミングでは、自宅から通えそうな範囲で、且つ自分の年齢で受けられる事務職の募集がなかなかなくて。そんな中で、かほく市の職務経験者採用は35歳まで。通勤を考えても近隣で、これなら自分もチャレンジできるかなって」
▼ 実は大学時代にも、公務員を考えたことがあったそうですね。
「ありました。公務員の仕事への興味はずっとあったんです。ただ、「公務員試験」のハードルが高く感じて、そのときは諦めたんです」
▼ その苦手意識を、今回はどう乗り越えたんですか?
「募集要項を見ると、試験の配点が書いてあったんです。面接の配点が半分くらいを占めていて。『人物重視で見てくれるんだ』というのが第一印象でした。学科試験さえ突破すれば、あとは自分を売り込むだけだって」
▼ 試験対策はどんなことを?
「丁寧にやったのは、作文対策と面接対策です。『なぜ民間から公務員なのか』『なぜ数ある自治体の中でかほく市なのか』は絶対に聞かれると思ったので、自分の言葉で説明できるように準備しました。あとは市のホームページや広報誌を読んで、市の方向性や施策の情報収集をした上で面接に臨みました」
▼ 面接は、どんな雰囲気でしたか?
「定型的な質問だけでなく、私の提出した書類やこれまでの経験に寄り添った質問をしてくれました。また、実際に働き始めてからのライフスタイルを気遣ってくれるような話題もありました。一方的に質問されるような圧迫感はなく、一人ひとりに合わせた会話のキャッチボールができる面接でした」

◆ 「公務員の仕事」のイメージは、いい意味で裏切られた
▼ 入庁して1年余り。公務員のイメージとのギャップはありましたか?
「ありました。公務員の仕事は、想像以上に変化が多くて、業務の幅が広いことですね。『公務員の仕事=決まったルーティンワーク』というイメージがあったんですが、実際は毎年のように変わる法改正に対応したり、新しい研修を企画したりと、常にアップデートが求められる環境でした。
▼ 職場の雰囲気はどうでしょう?
「すごく大きい組織ではないぶん、上司との距離が、いい意味で近いんです。民間出身の私の意見や提案にも耳を傾けてくれる。中途採用でも壁を感じることなく、すんなり馴染むことができたと感じています」
▼ 逆に、入庁して大変だったことはありますか?
「パソコンのスキルですね。意外に思われるかもしれませんが、金融機関は専用のシステムにすべてが組み込まれた世界で、営業資料も本部の審査を通ったもののみを使うという決まりがありました。『自分で一から資料をつくる』こと自体が、ルール上できない環境だったんです。だから自分に足りないスキルは自覚していました。市役所は国や県への報告物が多くて、WordやExcelが必須。この1年は、実務を通しながら勉強しました。でも、無理をしたと感じたことはなくて、だんだんスキルがついていきましたね」
◆ 通勤5分。朝の「賭け」と、とある1日のスケジュール
▼ ここからは1日の過ごし方を伺います。朝は何時に起きていますか?
「6時15分です。身支度と朝食の準備を20分くらいで並行してやって、6時40分に子どもたちを起こします。そこはもう、毎日が賭けです(笑)。機嫌がよければボーナスタイム。悪いと、抱っこじゃなきゃダメ、食べさせてくれなきゃイヤ、なんなら全部イヤで布団から出たくない、みたいな日もあるので。ロスがあっても巻き返せる時間が、6時40分なんです」
▼ 保育園への送りは三宅さんの担当ですか?
「朝は私です。それでも余裕があるのは、家から職場まで車で5分だからですね。前職のときは片道25〜30分かかっていたので、この差は本当に大きいです。私は職場に着いてから仕事を始めるまで、エンジンがかかるまでの1人時間が欲しいタイプなので、30分ほど早く8時前には席に着くようにしています。子どもを送ってからでも間に合うんです」
▼ とある1日の流れを教えてください。
「8時半に始業して、30分でメールの処理をします。朝会や朝礼はないですね。9時から報告物の整理をして、10時からお昼までは職員の対応や、期日のある成果物を『今日はここまで』と決めて進めます。12時から1時まではしっかり休んで、午後は午前の続きや資料作成。3時頃からパートナー企業との打ち合わせや職員からの相談対応を行い、4時から定時の5時15分までは翌日以降の整理とスケジューリング。忙しくなければ、それで1日が終わります」
▼ 仕事の進め方は、どのくらい任せてもらえるものですか?
「1年目は常に上司にスケジュール感を確認しながら進めていました。2年目の今は、上司から確認されることもありますが、基本的には私のほうから『今月はこれをやるので、こういうスケジュールでいきます』と月単位・週単位で共有するスタイルです。自発的に動ける裁量はあると思います。」
◆ 残業のこと、繁忙期のこと。率直に聞いてみた
▼ これから応募を考える方のために、残業についても率直に伺います。実際どうですか?
「職員係は、他の部署に比べたら時期にもよりますが、残業は少なくないと思います。それでも繁忙期でなければ、月0〜20時間以内には収まることも多いです。」
▼ 繁忙期はいつ頃ですか?
「年末と年度末です。年末は年末調整、賞与、昇給の準備、予算資料。年度末は人事異動に新規採用職員の受け入れ、システム作業が重なるので、残業がぐっと増える月もあります。給与や労務の仕事は、業務によっては、これが終わらないと次に進めないという流れがあって、最後は人の目でチェックする部分がどうしても残るんです。そこはこの仕事の宿命かなと思っています」
▼ 転職のときに描いた「仕事の悩みを家に持ち帰らず、家族と笑って過ごす」毎日は、いま実現できていますか?
「できています。事務の忙しさは、私にとって苦痛じゃないんです。答えがあって、やれば終わるので。自分の性格に合った仕事だからこそ、家では満足いく形で子どもに向き合えていると思います」
◆ 「かほく市に来てよかった」を、つくる側になる
▼ 仕事を離れた時間は、どう過ごしていますか?
「基本は子どもとの時間です。子どもと楽しく過ごすこと、何かを教えたり経験させてあげたりすることが楽しみになっています。あとは職場の若手で月に何回かバレーボールをやっていて、声がかかれば参加したり。早く帰れるようになったぶん、自分の時間も子どもとの時間も長く持てるようになりました」
▼ 最後に、これから挑戦したいことを教えてください。
「まずは、今いる総務課での業務を通じて、組織全体を俯瞰する視点を養って、職員の皆さんが最大限のパフォーマンスで働ける環境づくりに挑戦したいです。そのうえで、将来的には、前職の経験を生かせる産業振興の分野や当事者目線を活かせる子育てや教育の分野など、色々経験したいですね。どの部署に行っても『かほく市っていいね』って思っていただける結果を残すのが目標です。外から来た自分だからこそ、民間の経験も活かしながら組織にとって良い変化をもたらすきっかけの人になれたらと思っています。」
▼ ありがとうございました!
縁もゆかりもなかったまちで、暮らしを選び、仕事を選び、いまは「来てよかった」をつくる側に立とうとしている三宅さん。
かほく市役所の職務経験者採用は、三宅さんが背中を押されたときと同じように、いまも人物重視の選考でみなさんを待っています。試験勉強に自信がなくても、一度諦めた選択肢でも、遅すぎることはありません。あなたの経験が、このまちで活きる場所があります。

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この記事は、2026年7月22日にパブリックコネクト編集部が取材した内容をもとに作成しています。
記載の内容・所属・数値は取材当時のものです。



