生まれも育ちも、かほく市。大学卒業後、複数の内定の中から選んだのは、子どもの頃から知っているまちの市役所だった。
防災環境対策課 交通防犯係の浜田さんは、入庁8年目。工事の入札、まちづくり、能登半島地震の災害対応——さまざまな現場を経験し、いまはカーブミラーから交通安全教室まで、まちの「安全」を幅広く担っている。4歳と2歳の娘を育てる父でもあり、朝は4時起きで自分の時間をつくる「朝活派」でもある。
「公務員になりたい」より先に、「人の役に立ちたい」があった。そんな浜田さんに、就活のこと、8年間の仕事のこと、そして等身大の毎日を聞きました。
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◆ プロフィール
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浜田さん/かほく市役所 防災環境対策課 交通防犯係(入庁8年目)
かほく市出身。大学時代は経済学部に所属し、子どもたちとの野外活動の運営や小学校・学童でのボランティアに打ち込み、教員免許も取得。新卒でかほく市役所に入庁し、管財室(工事の入札・契約)、都市建設課(建築・公園・市営住宅等)を経て、現在は交通安全と防犯を担当。4歳と2歳の育児中。
- ◆ カーブミラーから交通安全教室まで。まちの「安全」をまるごと担当
- ◆ 複数の内定の中から、地元・かほく市役所を選んだ理由
- ◆ 億円単位の入札から始まったキャリア。「公務員=堅い」は、いい意味で裏切られた
- ◆ 一番大変だったのは、能登半島地震の対応
- ◆ 若手の意見が、まちのルールになる瞬間
- ◆ 朝4時起きの「朝活」と、娘2人とのルーティン
- ◆ 残業は月10時間未満。
- ◆ 生まれ育ったまちの「これから」を、つくる仕事
◆ カーブミラーから交通安全教室まで。まちの「安全」をまるごと担当
▼ まずは、いまのお仕事について教えてください。
「係の名前の通り、交通安全と防犯の2つを担当しています。交通安全のハード面で言うと、皆さんもよく見るカーブミラーの設置や、停止線などの交通施設の整備。ソフト面では交通安全教室の実施ですね。石川県だと、小学生の頃に自転車教室をやった記憶がある方も多いんじゃないかなと思うんですけど、そうした教室を警察の方と小学校・幼稚園をつないで実施しています。防犯のほうも同じで、防犯カメラや防犯灯の整備というハード面と、防犯教室や防犯協会の皆さんと連携したパトロール、不審者が出た場合の対応といったソフト面。その全部を担当しています」
▼ 係は何名体制ですか?
「3名体制です。今年、大学を卒業したばかりの22歳の後輩が入ってきたので、私の仕事を引き継ぎながら一緒に動いています。私はこの係に来て3年目で、係の仕事は概ね把握できているので、後輩と二人で回しつつ、判断に迷うところは係長に相談しながら進めている感じですね」

◆ 複数の内定の中から、地元・かほく市役所を選んだ理由
▼ 浜田さんは、かほく市のご出身だそうですね。
「そうです。生まれも育ちもずっとかほく市で、大学も家から通っていました。かほく市以外に住んだことは一度もないですね」
▼ 大学時代は、どんなことに打ち込んでいましたか?
「大学に行ったからには今までやったことのないことをしようと思って、ボーイスカウトのような、子どもたちと自然の中でキャンプをする団体に2年ほど所属していました。あとは大学と連携している小学校で授業のアシスタントをしたり、夏休みに学童へ行ってお手伝いをしたり。子どもと関わる活動が多かったですね。その流れで経済学部ではありましたが、教育実習にも行って、教員免許も取得しました」
▼ 教員という道もあった中で、就職活動ではどんな進路を考えていたんですか?
「当時は自己分析が主流になってきた時代で、自分なりに突き詰めて考えたときに、一番頭にあったのが『仕事をしていく上で、人の役に立ちたい』ということでした。だから民間企業も市役所もいろいろ受けましたし、金融業界や大学法人など、いくつか内定もいただいていたんです。その中で、『人の役に立ちたい』を一番体現できるのはどこかと突き詰めたら、やっぱりかほく市役所なんじゃないかと。それで選びました」
▼ 市役所の試験は時期が遅いですよね。先に内定が出たところに決めてしまおう、とはなりませんでしたか?
「ならなかったですね。受ける候補は順番に受けきると決めていたので。かほく市役所の試験は9月頃で、筆記と小論文と面接がありました。それまでの就活でいろんな面接を経験していたので、特別緊張するというよりは、自分の思いをこのまま話そう、という気持ちで臨めました」
◆ 億円単位の入札から始まったキャリア。「公務員=堅い」は、いい意味で裏切られた
▼ 入庁後は、どんな部署を経験されてきましたか?
「最初の3年間は管財室で、工事の入札・契約の業務を担当しました。その後、都市建設課に移って、建築関係、公園の維持管理、都市計画、市営住宅の担当を2年間。そして今の防災環境課に来て3年目です」
▼ 最初が入札のお仕事。新卒にはかなり緊張感がありそうです。
「扱う金額が本当に大きいんです。昨日まで大学生だった人間が、いきなり億単位の工事の入札にかかわるので、絶対にミスが許されない。入札は公正さが何より大事な仕事なので、その緊張感がありました」
▼ 職場の人間関係はどうでしたか?
「僕はかほく市出身なので、名前と場所を言えば『ああ、あそこの浜田さんね』と分かってもらえたり、僕が小さい頃に遊んだ公園や小学校を、みんながなんとなく知っていたり。近所の優しい人たちと一緒に働いている、そんな感覚で早く馴染めました」

◆ 一番大変だったのは、能登半島地震の対応
▼ 8年間で一番大変だった仕事は何ですか?
「これは石川県内の自治体職員なら、多くが同じ答えになると思うんですけど、能登半島地震の対応ですね。当時は都市建設課で建築・住宅関連を担当していたので、通常業務に加えて、みなし仮設住宅(民間の賃貸住宅を仮設住宅として利用する制度)への入居手続きも担当しました。かほく市も被害は大きくて、市内には多くの家屋が被害を受けた地区もありましたので」
▼ 普段とは異なる働き方で、ご負担も大きかったと思います
「被災者の方に寄り添って動くので、朝早くや夜遅くの対応もありましたし、発生当初は土日も出ていました。地震が起きたのが1月で、私が4月に今の部署へ異動するまで、落ち着くことはなかったです。ただ何より、被災された方々のことを日々考えて動いていました」
◆ 若手の意見が、まちのルールになる瞬間
▼ 逆に、8年間で一番うれしかった・達成感があった場面を教えてください。
「かほく市は、全国的には珍しく人口が少しずつ増えているまちなんです。新しい住宅がどんどん建つと、生活環境も変わっていく。だから、従来と同じやり方がもう通用しなくなってきているんですね。そういう中で、比較的若い世代の自分が、市民の方から直接話を聞いて、他の自治体の事例も調べた上で『こういう形で決めていくべきじゃないか』と上司に提案して、それが採用されて動き出したとき。達成感がありますし、地元の方から『ありがとう』と言われたときは、やっぱり一番うれしいですね」
▼ 就活のときの「人の役に立ちたい」という思いは、いま叶えられていますか?
「正直に言うと、半分半分かなと。やっぱり甘くないので。市民の方から厳しいご意見をいただくこともありますし、公平・公正に判断しなければいけない以上、どうしてもお応えできない要望もあります。人の役に立てる一方で、難しい場面もある。全部が全部叶えられています、とは言えないですね。それでも、その中で役に立てた瞬間が、確かにあるんです」
◆ 朝4時起きの「朝活」と、娘2人とのルーティン
▼ ここからは1日の過ごし方を伺います。朝は何時に起きていますか?
「実は最近朝活を始めまして、4時前後に起きています。目覚ましはかけていなくて、今朝は3時50分でした(笑)。まず30分ほどで身支度と、子どもたちの登園準備や前の晩の片付けを済ませて、そこからは完全に自分の自由時間です。最近は読書にはまっていて、小説と自己啓発本を1冊ずつ並行して読んだり、スマホでゲームをしたり動画を見たり。妻と娘たちが起きてくる6時半頃まで、気ままに過ごしています」
▼ そこから登園の準備ですね。
「朝ごはんを食べさせて、着替えをさせて。妻は通勤に1時間ほどかかるので朝早くに家を出ます。なので出発前の着替え、歯磨き、髪結びは私の担当です。7時半から7時45分くらいに娘2人と3人で家を出て、保育園に預けてから市役所に向かいます。通勤は車で5分、駐車場から歩いて5分の、あわせて10分くらいですね」
▼ とある1日の仕事の流れを教えてください。
「朝はまず、その日の予定を係で共有します。離席中に自分宛ての電話が来ることもあるので、『この時間は小学校に行っています』『4時半から会議です』といった情報共有を最初にやっておくんです。例えばある日だと、午前中は小学校の交通安全教室。ボランティアの推進隊の方や警察の方と一緒に、小学生に交通安全の指導をします。移動も含めると、それで午前中が終わることも多いですね。午後は現場の確認に出ます。『カーブミラーの角度を変えてほしい』『防犯灯がチカチカしている』といった連絡があるので、実際に現地へ行って自分の目で確かめて、係長や後輩と対応方針を共有して、業者さんに依頼する。翌週に防犯キャンペーンが控えていれば、啓発グッズやチラシを作成したり、という感じです」
▼ 現場に足を運ぶことを大事にされているんですね。
「そうですね。自分の目で見て確かめた上で話さないと、仕事の信頼関係にもかかわるので。『よく分からないけど、あの辺りが切れていると連絡を受けました』ではなくて、どの防犯灯のどこが切れているのかを確認してから伝える。現場・現地を自分の目で見ることは、大事にしています」

◆ 残業は月10時間未満。
▼ これから応募を考える方のために、残業についても率直に伺います。
「今の部署では、月10時間もないですね。自分で仕事の采配を決められる部署なので、苦に感じることは特にないです。残業のほとんどは、防犯協会など、外部の方との会議です。皆さん普段お仕事をされているので、どうしても夜になるんですが、事前に日程が分かっているので調整できます」
▼ お子さんのお迎えとの両立はどうしていますか?
「保育園の送り迎えは基本すべて私なので、18時までにはお迎えに行かないといけないんです。夜の会議がある日だけ、あらかじめ妻にお願いしておく。それで特に不便は感じていないですね」
▼ 有給休暇は取れていますか?
「取れています。子どもが熱を出すのでどうしても、というのもありますし(笑)、子の看護休暇などの特別休暇もあります。行事も含めて子ども中心にはなりますけど、自分の都合で休みたいときは有給を取って、たまに一人旅に行ったりしています」
◆ 生まれ育ったまちの「これから」を、つくる仕事
子どもの頃に遊んだ公園を知る人たちと働き、通い慣れた小学校で交通安全を教え、住み慣れたまちの変化に合わせて新しいルールを提案する。浜田さんの8年間は、「人の役に立ちたい」という就活の軸を、地元でひとつずつ形にしてきた時間でした。
人口が増え続けるかほく市では、いま、まちの変化に合わせて仕事のやり方そのものをつくり直せる若い力が求められています。「地元で働きたい」「誰かの役に立つ仕事がしたい」——そんな思いを持つあなたに、このまちで活きる場所があります。

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この記事は、2026年7月22日にパブリックコネクト編集部が取材した内容をもとに作成しています。
記載の内容・所属・数値は取材当時のものです。



