「経験を活かして、もっと大きな仕事がしたい」
「U・Iターンして地元に貢献したいけれど、公務員試験の勉強は大変そう…」
そんなふうに感じている方へ。新潟県庁が、民間企業等での職務経験を持つ方を対象にした「キャリア採用試験」をほぼ通年で実施していることをご存じでしょうか。
この試験は、特別な公務員試験対策が不要で、年齢や学歴の制限もなく、誰もが挑戦しやすいのが大きな特徴です。
今回は、この「キャリア採用」を担当する新潟県庁人事委員会事務局の髙橋さんに、求める人材像や、具体的な試験内容、そして新潟県庁で働く魅力について、詳しくお話を伺いました。
- 特別な対策は不要!挑戦しやすい新潟県庁の「キャリア採用試験」
- 新潟県の未来のため。求める人材とは?
- 県外に出て気づいた新潟の魅力。新潟県庁を選ぶ理由
- 「県民のコンサルタント」として柔軟な発想を
- 共に働く仲間へ。歓迎メッセージ
特別な対策は不要!挑戦しやすい新潟県庁の「キャリア採用試験」
ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。
髙橋:新潟県庁人事委員会事務局で採用担当をしています。
採用の中でも、特に民間企業等でご経験を積まれた方を対象にした「キャリア採用」を担当しています。
試験全体の実施計画から、受験案内の作成、そして試験の実施や合格発表など、一通りのプロセスに携わっています。
また、今年度はリクルートのための広報活動として、キャリア採用で既に入庁された方へのインタビューブログの作成や、県の重点政策を解説するためのオンラインセミナーの企画を担当しています。
特に、キャリア採用の方のインタビューは、実際に入庁して勤務されている方の生の声ですので、県職員の仕事内容やワークライフバランスの参考になると思います。
[各種リンク]
キャリア採用職員にインタビュー!【一般行政(広報・プロモーション)】

ー「キャリア採用試験」の特徴などについて教えてください。
髙橋:この試験には、「ジョブ型」と「地域枠」の2種類があります。
「ジョブ型」は特定の専門分野で、即戦力として活躍いただくことを目的とした採用枠です。
募集時期によって分野は変わるのですが、一般行政職としては、ICTや広報・プロモーション、行政実務経験などの分野があります。その他、専門職として福祉行政、林業、電気など、様々な職種を募集しています。
また、「地域枠」は上越、中越、下越、佐渡の4つのエリアから希望の勤務地を選べる採用枠です。「地域枠」では、一般行政職や総合土木職を募集しています。
キャリア試験の最大の特徴としては、教養試験や専門試験といったいわゆる公務員試験を行っておらず、特別な対策が不要であることです。
ジョブ型に関しては、一次選考は自己PR書と職務経歴書による書類審査のみで、地域枠についてはこれらに加えSPI3を受験いただきます。

ー興味を持った方が、まずは受験しようと思える環境ということですね。
髙橋:そのとおりです。また、ご自身のベストのタイミングで受験いただきたいので、キャリア採用試験は年4回、ほぼ通年で募集期間を設けています。
要件に関しても配慮しており、過去の職務経験が通算して3年以上あれば、学歴の制限はありません。
ーご自身の年齢によっては応募をためらう人もいると思いますが、実際のところはやはり若い方の方が有利なのでしょうか?
髙橋:年齢による有利不利はありません。
これまでにどのような経験を積まれてきたのかが重要になるため、年齢によって踏みとどまってしまうことなく、まずはチャレンジしていただきたいですね。
新潟県の未来のため。求める人材とは?
ー新潟県庁のキャリア採用では、どのような方を求めているのでしょうか?
髙橋:私たちは、民間企業等で培われた、行政にはない強みを持った方を求めています。
例えば、柔軟な発想や経営感覚などが挙げられますね。行政の仕事は堅いイメージがあるかもしれませんが、今は時代の変化に対応するため、民間企業等で培った営業ノウハウやITスキルなどが求められています。
皆さんの豊富な社会経験は、必ず新潟県の力となります。
ー柔軟な発想や経営感覚が必要とされているのですね。では採用試験の中で、特にアピールしてほしい点などはありますか?
髙橋:ご自身の職務経験について、「どのような業務を任され、それに対してどう向き合い、どんな実績を上げたのか」「これまでのキャリアを県でどう活かせるのか」を具体的に伝えていただきたいです。
ー髙橋さんの中で、これはインパクトが大きかったというような例はありますか?
髙橋:例えば業務改善によって「数千万円の経費削減に貢献した」といった実績をお聞きしたことがあります。
そこに至る過程や考え方ももちろん素晴らしかったのですが、やはり具体的にここまでの金額感を示されると、単純に「すごいな」と強く印象に残りますし、全体としてより説得力が増しますね。
また、別の方の事例ですが、地道にコツコツ努力して成果に繋げたというエピソードを挙げられていた方も個人的に記憶に残りましたね。行政の仕事は、小さな成果を一つ一つ積み上げていくことも求められるため、行政の仕事に適性がありそうな印象を受けました。
ーキャリア採用だからこそ、志望動機に悩む方も多いかと思います。何かアドバイスはありますか?
髙橋:「新潟が好き」「地元へUターンしたい」など、志望するきっかけは人それぞれであり、どんなことでも構わないと思っています。
大切なのは、その先にある入庁後のビジョンが志望動機として伝わってくるかです。
ご自身の経験を活かし「新潟県庁でどんな仕事がしたいのか」「新潟県にどのような貢献がしたいのか」まで深く考えていただけると、入庁後も活躍してもらえるだろうという期待が高まりますね。
県外に出て気づいた新潟の魅力。新潟県庁を選ぶ理由
ーちなみにですが、髙橋さんご自身はなぜ新潟県庁を選ばれたのですか?
髙橋:私は県内新発田市の出身で、大学進学を機に初めて県外に出ました。出身地が様々な友人たちと話す中で、地元については市区町村単位ではなく、都道府県単位で会話することが普通だったんです。
私も自然と「新潟県」出身者として話していて、同時に新潟県への愛着にも改めて気づきました。新潟のお米や魚介類の美味しさや、自然環境の豊かさは、他県では当たり前のものではなかったんです。20歳になってお酒が飲めるようになってからは、日本酒県としての魅力も感じることができました。
将来仕事をするなら、その愛着ある新潟に軸足を置き、且つ県内全体に目を向けた仕事をしたいと思うようになり、基礎自治体ではなく新潟県庁を選びました。
当時は、地元の商店街が衰退していく様子を目の当たりにしたのをきっかけに、広く県内の地域振興やまちづくりに携わりたいと思っていましたが、業務の幅が広い県庁なら、それ以外にも自分に合う仕事を見つけられるかもしれない、という期待もありました。
ーこれまでどのような業務を経験されましたか?
髙橋:入庁して10年になりますが、これまで労働委員会事務局での労働トラブル解決支援業務、地域振興局での医療・福祉関係の窓口業務、防災局の原子力安全対策課での予算・交付金管理事務などを経験しました。
こうして振り返ると、本当に様々な分野を経験しましたね。
ー新潟県庁でならではと言えるような業務もあるのでしょうか?
髙橋:新潟県だけではないかもしれませんが、やはり県内全域が業務の対象となるので、様々な地域の特徴や文化に触れることができるのは県庁で働くからこそできる経験ではないでしょうか。
新潟県庁としてユニークなものとしては、「佐渡島の金山」が世界遺産に登録されたので、今まさに、日本で一番新しい世界遺産の魅力を発信していく、という仕事があります。
また、「日本酒振興室」という部署があって、新潟が誇る日本酒の振興に携わる仕事もあります。
県庁の業務は本当に幅が広いので、働いている中でも、これは新潟県庁でしか経験できないだろう、という業務を見つけることができると思いますよ。
「県民のコンサルタント」として柔軟な発想を
ー髙橋さんが感じる、新潟県庁で働く魅力とはどういったところでしょうか?
髙橋:県職員の仕事は、約200万人の県民の生活を支える、非常にスケールの大きな仕事です。
国や市町村と連携し、様々な分野で県民の課題を解決していく、まさに「県民のコンサルタント」のような役割だと感じています。
仕事の幅も本当に広く、私も入庁して10年目になりますが、まだまだ経験したことのない仕事がたくさんあります。あらゆる分野から県民の課題解決に貢献できることが、新潟県庁で働く魅力だと思います。
また、新潟は県土が広いので、異動で県内の様々な地域に住み、その土地の文化や暮らしを知ることができるのも大きな魅力ですね。個人的には、出張先でその土地ならではの美味しい食事やラーメンを食べられるのも楽しみの一つであり、ここで働く魅力の一つだと思っています(笑)
ー新潟県庁で働くことが向いているのは、どういった人だと思いますか?
髙橋:行政の仕事は堅いイメージがあるかもしれませんが、実際は打ち合わせなど県庁内外の人とコミュニケーションを取る機会が非常に多いです。
そのため、人と話すのが好きな方は県庁での仕事にもなじみやすいのではないでしょうか。
また、これまでの考え方にとらわれず、「こういう発想はできないか?」といったアイデアマンのような方も向いていると思います。
ーアイデアマンですか?前例踏襲の仕事ばかりではないということでしょうか?
髙橋:公務員の仕事というと、「前例踏襲」とか「ルーティンワーク」というイメージが強いかもしれませんが、実はそんなことはないんです。
例えば私のいる人事委員会では、人材確保という課題に対して、民間の状況や国の動きも踏まえながら、日々、受験しやすい試験方法の検討や受験者への周知方法などをブラッシュアップしています。

共に働く仲間へ。歓迎メッセージ
ー「新潟県で働いてみたい」と思ったら、どのようにして情報収集をするのがお勧めですか?
髙橋:いくつか方法はありますが、まずは人事委員会のホームページですね。
受験案内や試験の実施状況などはこまめに更新するようにしているので、興味をもった時点で最初に確認をしていただけると、ご自身が受験することのできる試験の実施予定などを知ることができます。
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県職員の働き方の参考になるものとして、「note」で職員のインタビューブログを掲載しているので、県職員がどんな風に仕事をして、どんな生活を送っているのか垣間見えるかと思います。
そしてもちろん、パブリックコネクトさんにも、働く魅力を伝える職員のブログや動画を掲載しているので、活用していただきたいです!
また、転職フェアなどでお話をお聞きすると、県職員に興味はあるけど、どんな政策を実施しているのかイメージしにくいといったお声をいただくことがあります。今年度私が企画を担当しているオンラインセミナーでは、県の重点政策についてお手軽に情報収集することができるので、是非ご参加いただきたいですね。
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ー最後に、これから新潟県庁を目指す方にメッセージをお願いします!
髙橋:新潟県は、豊かな自然と美味しい食に恵まれ、さらに新幹線や高速道路も整備されていて、とても暮らしやすい場所です。
また、キャリア採用では、県外出身の方も多く活躍しています。地元である必要は全くないため、Iターン、Jターンも大歓迎です!
新潟での暮らしのイメージが湧かない…なんて方は、まずはホームページ等で情報収集してみてはいかがでしょうか。U・Iターン支援策についてもセットで確認いただくといいかもしれませんね。
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新潟のつかいかた – 巡りかた・食しかた・買いかた・暮らしかた
「新潟県をもっと良くしたい」という熱意のある方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。
あなたのこれまでの経験は、必ず新潟県の未来をより良くする力になります。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひキャリア採用試験へのエントリーをご検討ください。
皆様のご応募をお待ちしております!
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年8月取材)