「隠岐広域連合」という名前を、はじめて目にする方も多いかもしれません。市役所や町役場とは少し違う響きですが、これは島根県と隠岐の4町村(隠岐の島町・海士町・西ノ島町・知夫村)が力を合わせてつくった公的な組織で、ここで働く職員は公務員です。病院、消防、介護、本土とを結ぶ船――隠岐で暮らす人たちの毎日を、まるごと支えているのが本連合の仕事です。本記事では、隠岐広域連合とはどんな組織で、どんな仕事があるのか、そして働く魅力を分かりやすくご紹介します。
隠岐広域連合とは ― 4町村と島根県でつくる「公務員」の組織
隠岐広域連合は、平成11年9月1日に設立された、地方自治法にもとづく公的な組織(地方公共団体の組合)です。島根県と、隠岐諸島の隠岐の島町・海士町・西ノ島町・知夫村が構成団体となっています。隠岐諸島は、島根半島の北東およそ40〜80kmの日本海に浮かぶ群島で、4つの有人島と180あまりの小島からなります。
離島というかぎられた条件のなかで、病院や消防、介護、交通といった「暮らしに欠かせない仕組み」を、一つの町や村だけで支えるのは簡単ではありません。そこで4町村と島根県が一つにまとまり、効率よく、安定して島の暮らしを支えるためにつくられたのが、この広域連合です。
設立:平成11年9月1日(地方自治法第284条にもとづく広域連合)
構成団体:島根県・隠岐の島町・海士町・西ノ島町・知夫村
隠岐4町村の人口:約17,949人(令和8年2月末現在)/面積:346.04k㎡
事務局:隠岐の島町(島後)

本広域連合は、「行財政運営の効率化」と「隠岐島民の福祉の向上」、そして「安心して暮らせる島づくり」を使命としています。一つひとつの町村だけでは支えきれない暮らしの基盤を、みんなで力を合わせて守るために生まれた組織なのです。
そして大切なポイントは、隠岐広域連合で働く職員は「公務員」だということです。給与や休暇などの待遇は、隠岐の島町の職員とほぼ同等に整えられています(待遇の詳しい内容は、別の記事であらためてご紹介します)。
島の暮らしを支える仕事 ― 病院・消防・介護・交通
隠岐広域連合がになっているのは、島で生きるために欠かせない仕事ばかりです。おもな事業をご紹介します。

隠岐病院(隠岐の島町):病床数115床、15の診療科、CT・MRIや屋上ヘリポートを備えた隠岐島の中核病院。救急告示病院として「断らない医療」を提供し、へき地医療の拠点にもなっています。
隠岐島前病院(西ノ島町):病床数44床、8の診療科を持つ島前地区の中核病院。
診療所・訪問看護:令和6年度から本広域連合が運営しています。
消防・救急:消防本部・消防署を中心に、分署・出張所を配置。救急救命士や高規格救急車により島民の安全・安心を守ります。
介護保険:保険者として、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう支えています。
フェリー「おき」・超高速船「レインボージェット」:隠岐と本土を結ぶ、島の生命線となる海上交通。
福祉:障がい者支援施設「仁万の里」、福祉型障がい児入所施設、松江市の交流・宿泊施設「レインボープラザ」など。


このように隠岐広域連合は、「医療」「消防・救急」「介護・福祉」「交通」という、島の暮らしの土台をまるごと担っている組織です。
数字と歩みで見る隠岐広域連合
隠岐広域連合は、設立から25年以上にわたって島の暮らしを支え続けてきました。はじめは病院や介護保険などの事業からスタートし、時代の変化にあわせて担う役割を広げてきた歩みがあります。

平成11年:設立(病院・介護保険・救急医療などからスタート)
平成14年:消防の事務を引き継ぎ、広域消防を担う
平成18〜25年:フェリー「おき」、超高速船「レインボージェット」の運営を開始
令和6年:隠岐の島町の町立診療所・訪問看護の運営を本連合に移管
医療・消防・介護・交通を一手に担う、島になくてはならない大きな事業体であること。それが、数字や歩みからも見えてきます。
「一般行政職」はどんな役割?
本連合では、事務局(総務課・介護保険課)をはじめ、病院や消防などの運営を支える事務の仕事があります。総務、企画・財政、介護保険、医事(病院の事務)など、その範囲は幅広く、一つの分野にとどまらず島の暮らし全体に関われるのが特徴です。
職員数(令和8年4月1日現在):正規職員254名/合計353名
おもな配属先:事務局、隠岐病院・隠岐島前病院、診療所、消防本部 など



隠岐で働く・暮らすということ
隠岐広域連合で働くことは、「島の暮らしを、自分の仕事で支える」ことそのものです。公務員としての安定した待遇のもとで、医療・消防・介護・交通という、地域になくてはならない仕事に携わることができます。
豊かな自然に囲まれた隠岐での暮らしは、都市部とはひと味違う魅力があります。隠岐出身の方のUターンはもちろん、島の暮らしに惹かれて移り住むIターンの方にとっても、「公務員として地域に貢献する」という働き方は、確かな選択肢になるはずです。
最後はぜひ、隠岐の島の魅力を写真でご覧ください。







