「広報誌は、村民への贈り物」
そう語るのは、榛東村(しんとうむら)役場 総務企画課 秘書広報係で働く中根さんです。
中根さんは、新卒で入庁した市役所で5年間働いたのち、民間企業へ転職。そして再び公務員として、榛東村役場に入庁しました。
「公務員の仕事が、やっぱり好きだったんです」
一度役所の外に出たからこそ見えた、公務員として働く意味。そして、数ある選択肢の中から榛東村を選んだ理由とは。民間から公務員への転職を考えている方に、ぜひ読んでいただきたいインタビューです。
中根さんのプロフィール
令和7年度、榛東村役場に入庁。現在は総務企画課 秘書広報係として、広報誌の作成・ホームページの管理・村の制作物のデザインなどを担当。市役所勤務、民間企業勤務を経て、社会人8年目
原点は教育学部——「子どもだけでなく、もっと広く支えたい」
▼ 中根さんは、学校の先生になる道も考えていたんですか?
「そうです。私は学生のとき、学校がすごく好きな子どもではなかったんです。それでも、つらい時に先生の存在があったから楽しく過ごせた経験があって。そんな私だからこそ寄り添える子もいるんじゃないか、と思って教育学部に進みました」
そうして、教育学部で社会専攻を学び、小・中・幼稚園の教員免許に加えて、社会教育主事補の資格も取得した中根さん。学びを深めるうちに、気持ちに変化が生まれます。
「学校で助けてもらった、あの経験。それを子どもたちだけじゃなく、もっと広い対象に届けたいと思うようになりました。それが自治体の職員なのかな、と。教育の勉強を通じて、公務員になりたいと思うようになりました」
市役所での5年間、そして民間への挑戦
新卒では、榛東村とは違う自治体に入庁。配属先は納税課で、税の徴収業務を5年間担当しました。
「お金が絡むセンシティブな仕事で、ハードな部分もありました。でも職場はみんな和気あいあいとしていて、すごく楽しく働いていましたね」
それでも、日々の仕事の中で、ひとつの想いが芽生えていきます。
「広く人のために働きたくて公務員になったけれど、他にも方法があるのではないか」
そんな時に出会ったのが、地域やまちを盛り上げようとしていた民間企業の求人でした。
「今とは違う形で地域やまちづくりに携われるかもしれない。長いキャリアの中での挑戦と捉えて、一度、民間に出てみようと思いました。ただ、公務員の仕事も大好きだったので、いつか公務員に戻ろうと決めたうえでの挑戦でした」
転機。「私は、人と仕事がしたい」
民間企業に転職して、挑戦を続ける日々。
そんな中で、公務員として働く良さや、自分が大切にする生き方を実感します。
「困難な仕事や辛い場面でも、前に進み続けることができたのは、公務員としての組織の力、想いを同じくする仲間の力だったんだと痛感しました」
この気づきが、中根さんをもう一度、公務員の道へと導きます。
なぜ、榛東村だったのか
再び公務員を目指すと決めた時、選んだのは榛東村でした。
「実は父が自衛官で、榛東村には自衛隊の駐屯地があって。幼稚園の頃、村の官舎に住んでいたんですよ。私にとって、ゆかりのある大切な村なんです。榛東村は小規模な自治体で、私が前に働いていた市役所とは職員数も大きく異なります。でも、だからこそ、顔や名前がわかる仲間と共に、日々の仕事を楽しめると思いました」
面接で聞かれた「どんな準備をしてきましたか?」
選考は筆記試験と面接。1次面接では、副村長からの質問が印象に残っているそうです。
「『応募するにあたって、どんな準備をしてきましたか』と聞かれたんです。想定していなかった質問だったので、よく覚えています」
「長く村を離れていたので、今の榛東村を知りたくて。村の温泉に通って村民の方の生活を見聞きしたり、村内の施設を回ったりしていました。そのことをお話ししましたね」
志望書には「広報を担当したい」と書いていた中根さん。面接では「広報は村の行事などによって、変則的に働くこともありますが大丈夫ですか?」とも聞かれたそうです。
「『大丈夫です』って答えました(笑)。でも実際に働いてみたら、本当に大丈夫でした。榛東村の広報は、みんなで支え合いながら働くことができる環境なんです」
広報誌は「村民への贈り物」——現在の仕事

現在、中根さんは月1回発行される広報誌の作成を担当。ホームページの管理や、村の制作物のデザインにも携わっています。
「広報誌は、村民の皆さんへの贈り物だと思っています。表紙は、毎月届いて『わっ』と開けたくなるラッピング。『毎月届くのが楽しみだな』と思ってもらえたら嬉しいですね」

仕事の進め方も、自分なりに改善を重ねてきました。過去3年分の広報誌を分析し、何月号にどんな記事が載っているかをすべてリスト化。各部署への原稿依頼を2〜3か月前から始め、余裕を持って編集できる体制にしています。
発行日も、月の下旬から上旬へと前倒し。読者に少しでも早く情報を届けるための、地道だけれど大きな改革です。
「スケジュールに余裕があると、『もっといい記事にしよう』という気持ちが生まれるんです」
誌面のレイアウトにも、大きな裁量が与えられています。
「説明をずらっと並べるより、村のキャラクターが答えるQ&A形式にした方が読みやすいな、とか。少しでも村民の皆さんに親しんでもらえるよう、思い切って変えています」
榛東村役場で働くリアル——1日の流れと環境
中根さんの1日は、朝7時に起きて、車で約10分ほどの通勤からスタート。8時半に業務が始まり、定時は17時15分です。
午前中はメールとスケジュールの確認から。撮影があれば現場へ出て、制作物のチェックや修正依頼は早めに回し、午後は編集作業に集中する——そんなリズムで働いています。
「役場のすぐ近くに職員駐車場があって。近隣で働く職員も多いです。私のように、高崎市や前橋市、吉岡町など村の外から通っている職員もたくさんいます」
気になる残業についても聞きました。
「今年度は、イベント対応を除けば残業はほとんどありません。秘書業務を担ってくれる方が増えて、広報に集中できる環境になりました」
入庁1年目は秘書業務との兼務で多忙な時期もあったそうですが、継続して業務の見直しを進めることで、年度末にはほぼ残業のない状態をつくり上げたといいます。
榛東村は、人口規模に対して職員数が少なく、1人がいくつもの業務を担う自治体。それでも「孤独ではない」と中根さんは言います。
「前任者や副担当、隣で頑張っている仲間がすぐ近くにいます。広報誌も、校正は全職員がチェックしてくれますし、『写真撮っておいたよ』と周囲が声をかけてくれることもあります。この環境が、本当にありがたいなと日々感じています」
「自分のやったことが、ダイレクトに届く」——こんな人に来てほしい

▼ 最後に、どんな人が榛東村役場に向いていると思いますか?
「規模の小さい役場だからこそ、自分のやったことがダイレクトに反映されるんです。やりがいを感じたい人には、すごく向いていると思います」
「それから、裁量を持って『自分で色々決めて、やってみたい』という人。そういう方は、きっとこの役場で力を発揮できるはずです」
一度民間に出て、「人と仕事がしたい」という自分の軸を見つけた中根さん。取材の間、榛東村への愛着と仕事への誇りが、言葉の端々からあふれていました。
あなたも榛東村で、「誰かにダイレクトに届く仕事」を始めてみませんか。
_______________
この記事は、{取材日をご確認ください}にパブリックコネクト編集部が取材した内容をもとに作成しています。
記載の内容・所属・数値は取材当時のものです。



