「誰かを幸せにできる仕事、笑顔にできる仕事だと感じています」
そう語るのは、宇美町役場企画財政課収納対策室で徴税吏員として働く、入庁5年目の飯笹さんです。飲料メーカー、出版社と二つの民間企業を経験したのち、縁あって宇美町役場に入庁しました。
今回は、飯笹さんに、これまでの歩みや現在の仕事の中身、そして仕事を通じて感じてきた率直な思いについて、飾らない言葉で語っていただきました。
- 飲料メーカーから出版社へ。たどり着いた「誰かを幸せにできる仕事」
- 町民と向き合う徴税の仕事。「答えのない仕事」だからこそ
- 育休も結婚休暇も。神輿を支え合う宇美町役場の働きやすさ
- バイクで巡る宇美町の四季。学び続けたい人へのメッセージ
飲料メーカーから出版社へ。たどり着いた「誰かを幸せにできる仕事」
ーまず、これまでの歩みを聞かせてください。
飯笹:福岡県久留米市の生まれで、大学進学を機に大分に移りました。もともと人と関わる仕事、誰かを幸せにできるような仕事に就きたいという思いがあり、おいしいものを食べたり飲んだりしているときは誰もが自然と笑顔になると思ったことから、大学卒業後は関西の飲料メーカーに事務職として就職し、福岡の支店に配属されました。
受発注業務や物流の手配、経理といった裏方の仕事を担当していたのですが、入社してまだ経験も浅い頃に熊本地震が起こり、水や飲料が不足してインフラも道路も止まってしまうような状況を経験しました。何をしていいか分からない中で、自分の中で優先順位をつけることや、タスクを管理することの大切さを、身をもって学びました。
ーその経験は、後のお仕事にどうつながっていったのでしょうか。
飯笹:裏方の仕事は経理や物流管理が中心で、人と直接顔を合わせる機会が少なかったので、次第にもっと人と関われる仕事がしたいという思いが強くなり、出版社に転職しました。取材や営業をしながらさまざまな業種の方とお話しする機会があり、相手と向き合う力や、何を求めているかを察する力、文章を書く力が磨かれていったと感じています。
その中でさまざまな自治体のPRに携わる機会があり、自治体が自分たちの地域の魅力を発信していく姿に触れ、官公庁の仕事に強く興味を持つようになりました。
ーその出版社での経験が、宇美町役場へとつながっていく決め手は何だったのでしょうか。
飯笹:前職の関係で以前から宇美町を訪れたことがあり、自然に恵まれ、都市部にも近く利便性も高い町だと感じていました。転職活動の際もいろいろな自治体を見比べたのですが、その中でご縁があって採用していただき、現在5年目を迎えています。
民間で働いていたときも人と接する仕事に力を入れてきましたが、役場では住民の方一人ひとりのために、税金や福祉、教育に防災といったさまざまな分野のプロの職員が力を合わせて働いている姿を目の当たりにして、自分が思い描いていた誰かを幸せにできる仕事がここにあると感じました。

町民と向き合う徴税の仕事。「答えのない仕事」だからこそ
ー現在のお仕事について、詳しく聞かせてください。
飯笹:入庁以来ずっと企画財政課収納対策室に所属し、徴税吏員として税金の徴収と収納管理を担当しています。税金は公平公正なものである一方、コロナ禍をきっかけに生活が厳しくなり、その影響が今も続いている中で、失業や病気など、さまざまな事情から納付が難しい状況にある方もいらっしゃいます。
そうした方には、状況に応じて納付の方法を一緒に考えながら相談させていただいていますし、一方で滞納が続く場合には差押えなどの滞納処分にあたることもあるので、真面目に納めてくださっている町民の方との公平性を保てるよう、私たちの中でもきちんと調査をした上で判断しています。誰もが納得する正解がある仕事ではないので、最初はすごく悩んだ時期もありました。
ーそうした場面で適切な判断をするために、どんなことを大切にしているのでしょうか。
飯笹:税金の制度や国の支援策は常にアップデートされていくので、間違ったことは言えないという緊張感があります。だからこそ日々の自己研さんが欠かせなくて、ファイナンシャル・プランニング技能士や相続アドバイザーの資格を自分から取りにいきました。
役場自体が研修の機会をとても多く用意してくれる環境でもあるので、常に知識を更新し続けないといけない職場というのが、逆に自分自身の成長にもつながっていて、日々楽しさを感じられている理由の一つです。
ー日々の学びの中でも、特に大きな転機となった出来事はありますか。
飯笹:入庁2年目に経験した、QRコード決済やアプリ納付の導入です。全国的にも大きな動きがあったタイミングで、前例がなく誰も分からない業務だったので、最初は本当に手探りでした。
トラブルやエラーと日々向き合いながら、町民の方がいかに払いやすく、便利になるかを考えながら取り組みましたし、自分だけで抱え込まず、近隣の自治体の担当者とも密に連絡を取り合い、情報交換をしながら答えを探っていきました。
当時は教わる側でしたが、今では逆に他の自治体の方から問い合わせをいただく立場にもなっていて、昨年は町の推薦で東京の研修に2週間参加させてもらう機会もありました。今も全国の同じ業務をしている方たちとつながって、情報交換を続けています。

育休も結婚休暇も。神輿を支え合う宇美町役場の働きやすさ
ー公務員としての働き方について、民間時代と比べて感じることはありますか。
飯笹:率直に、とても働きやすいと感じています。子どもが体調を崩したときにも休みが取りやすく、時短勤務をしている職員もいますし、育児休業を推奨する雰囲気があります。男性職員でも育休を取得している方が多数いますね。
ーご自身も実際にそうした休暇を取られたことはありますか。
飯笹:はい。入庁後に結婚式を挙げた際には結婚休暇をいただきましたし、土日と合わせて1週間ほど、夢だった新婚旅行にも行かせてもらいました。普段からお互いに助け合い、引き継ぎを大切にしているからこそ、そうした休みも安心して取ることができるのだと思います。
今、自分が助けてもらっている立場でも、次は誰かを助ける立場になる。みんなで一つの神輿を担ぐように、宇美町のより良い未来に向かって仕事をしているような感覚があります。
ーその「助け合い」の空気は、日々の業務の中ではどのように感じますか。
飯笹:役場全体がコンパクトで、職員同士の垣根が低いんです。分からないことがあれば隣の係にすぐ聞きに行けますし、逆に聞かれることも多いです。職員の仲がとても良くて、開けた雰囲気の職場だと感じています。

バイクで巡る宇美町の四季。学び続けたい人へのメッセージ
ー宇美町での暮らしについても聞かせてください。
飯笹:現在は宇美町の外から通勤しているのですが、子育てのしやすさも実感しているので、将来的には町内に引っ越したいと考えています。JRやバスも使えて自然も豊かな町です。趣味でバイクに乗るのが好きで、仕事帰りに山の方まで走ることもあります。四季を感じられる景色に出会えるのが楽しみの一つです。
ー地域とのつながりを感じる場面は、業務以外にもありますか。
飯笹:役場職員として消防団にも所属していて、地域のお祭りの警備や防火・防災の活動を通じて住民の方と接する機会が多くあります。そうした場面で挨拶をしていただいたり、声をかけていただいたりすることも多く、皆さん優しい方ばかりで、そうしたつながりもこの町で働く魅力の一つだと感じています。
ーお仕事の中で、これまでで最もやりがいを感じた瞬間はどんな時でしたか。
飯笹:正直なところ、処分に関わる業務を担当し始めた当初は、悩む気持ちの方が大きかったです。しかし、真面目にがんばっている町民の方たちがほとんどいる中で、自分の仕事はただ取り立てているのではなく、まちづくりの財源をつくることにつながっているのだと思えるようになってから、少しずつ気持ちが変わっていきました。
実際に、改善策を一緒に考えて状況を立て直せた方から「ありがとう」と言っていただけたり、「飯笹さんと話したい」と指名で来てくださる方がいたりすると、信じてもらえているのだと感じますし、自分が就きたかった、誰かを幸せにできる仕事、笑顔にできる仕事はこれだったのだと実感します。
ー最後に、宇美町役場をめざす方へメッセージをお願いします。
飯笹:宇美町は、学びたいという意欲をすごく応援してくれるまちです。町を良くしたいという熱意があれば、新卒か中途か、町内出身か町外出身かに関わらず、誰もが全力で仕事に打ち込める環境が整っています。結婚や子育てといったライフイベントを控えている方にとっても、助け合いの職場なので安心して働けると思います。
私自身も、助け合いの心を持って、一緒に成長していけるような方に来ていただけたらうれしいです。

ー本日はありがとうございました。
画面越しでも、飯笹さんの言葉には終始熱がこもっていました。正解のない仕事に悩んだ時期を経て、そこに「誰かを幸せにできる仕事」という実感を見出していく過程には、5年間の重みがにじんでいました。
前職での経験一つひとつが今の仕事に地続きでつながっているように、飯笹さんの言葉もまた、迷いながら積み重ねてきた時間の分だけ、静かな説得力を持っていました。迷いながらも誰かのために働きたいと思う方には、宇美町役場はきっと似合う場所だと思います。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年7月取材)



