公務員という安定した職業だけでなく、地域に深く貢献し、自身の成長も実感できる職場を求めていませんか?
今回は、インターンシップも経験された玉名市役所の事務職・橋本さんに、採用試験の内容や職場のリアルを語っていただきました。
教員を目指していた学生が、いかにして公務員の道を選び、玉名市でどのような毎日を送っているのか。入庁前の心境、職場の温かい雰囲気、そして将来の目標まで、これから新たなキャリアを考えるすべての方にヒントとなるお話を聞くことができました。
公共のために働く。教員志望から公務員へ
ーまずは簡単なご経歴と、公務員を目指されたきっかけについて教えていただけますか?
橋本:出身は熊本市で、県内の大学に通っていました。最初は教員を目指して大学に入ったのですが、徐々に自治体の職員、公務員の方にシフトチェンジしていきました。
きっかけは、インターンシップで出会った先輩職員の方々の住民に対する姿勢です。地域住民のために懸命に働く姿を見て、自分も地域に貢献できる仕事に就きたいと思うようになり、自治体の職員、公務員を目指しました。
インターンシップで感じた「人との繋がり」
ー大学時代にはインターンシップも経験されたと伺いました。どのような業務を体験されましたか?
橋本:大学3年生の夏に玉名市役所で5日間のインターンシップに参加しました。
現在も私が所属しているくらしサポート課で、ケースワーカーの方に同行したり、支援制度の説明や相談対応の様子を見学したりしました。
住民一人ひとりに寄り添い、生活の安定を支える仕事であることを実感しました。
ーインターンシップに参加され、どのような印象を受けましたか?
橋本:インターンシップでは、職員の方々が住民の方に丁寧に対応し、課内で意見を出し合いながら協力して業務を進めている姿が印象的でした。
一人ひとりが自分の仕事に責任を持ちながらも、互いに支え合う雰囲気があり、職場全体の温かさも感じました。

多彩な選考過程と入庁前の期待
ー玉名市の採用試験は、どのような内容でしたか?
橋本:私が受験したときは、玉名市は全部で四次試験までありました。一次試験が録画面接で、事前に録画した動画を送って合否が決まるという形式でした。
二次試験はSPIで、テストセンターに行き、パソコンで受験しました。
三次試験はウェブでの集団面接で、専用システムに接続し他の受験者2、3人と一緒に質問に答えていきました。
そして四次試験が、集団討論と個人面接でした。そこで初めて市役所が会場となり、市長などとの対面での試験でした。
試験全体を終えての手応えはすごく良かったです。特に言葉に詰まることもなく、自分の思いをしっかりと述べることができたので、終わった後はすごく達成感を感じました。
ー初めて社会人として働くにあたって、入庁前の不安などはありましたか?
橋本:入庁前は、社会人として働くことへの不安や、自分に務まるかという緊張が少しありました。
特に、責任のある仕事をきちんとこなせるのか、また職場で円滑にコミュニケーションを取れるのかが心配でした。学生の頃とは違い、自分の行動が市民の方々に直接関わるという点に、身が引き締まる思いでした。

地域の暮らしを支える事務職の仕事
ー現在のお仕事内容について、具体的に教えていただけますか?
橋本:私は今、玉名市役所のくらしサポート課の生活支援係に配属されており、庶務・財務業務を担当しています。
職員や非常勤職員である会計年度任用職員の休暇や勤務時間の管理、文書の受付・整理、物品管理、予算や支出の処理など、係内の円滑な業務運営を支える仕事を担っています。
正確で迅速な事務処理を心がけ、職員がスムーズに業務を進められるよう努めています。
ー入庁後の研修制度についても教えてください。
橋本:入庁後の研修制度はとても手厚かったです。入庁して最初の1週間は、玉名市役所の会議室で新規採用職員全員が集まり、人事制度や会計事務などの市役所の主な業務について座学で学びました。
その後、配属されてからも、3日間外部の研修機関で、接遇や社会人としての心構えを学ぶ機会もありました。

ー実際に業務を行う中で、苦労したことや、やりがいを感じる瞬間はどのような時ですか?
橋本:市役所の業務は幅広く、私が担当している仕事も文書管理から会計処理まで多岐にわたります。最初は業務の優先順位のつけ方に苦労しましたが、スケジュール管理と周囲との連携を意識することで、徐々に効率的に仕事を進められるようになりました。
また、一緒に働いている職員の方々から「助かった」「ありがとう」と声をかけてもらえることが一番のやりがいです。
担当する業務では、目立たない部分も多いですが、備品の手配や経理処理など、日々の仕事の積み重ねが係全体の円滑な運営につながります。
自分の仕事が誰かの支えになっていると実感できる瞬間が励みです。

働きやすさを実感!温かい職場の雰囲気と今後の目標
ー入庁前後のギャップはありましたか?
橋本:入庁前は「市役所の仕事=窓口での対応や書類の処理」というイメージが強かったのですが、実際に働いてみると、市民の方のくらしを支えるために、いろいろな部署が協力して動いていることを知りました。
行事の運営や庁内での打ち合わせなど、思っていた以上に人と関わる場面が多く、毎日が新しい発見の連続です。
最初は不安もありましたが、先輩方がいつも優しく教えてくださるので、安心して成長できる環境であると感じています。
一方で、時折土日に仕事があることが意外でした。他の部署からの依頼で、投票所などでの選挙事務やスポーツイベントなどの行事に従事することがあります。
ただ、面識のなかった他部署の人とコミュニケーションを取れる貴重な機会にもなっていますし、イベントなどが無事に終わったときには充実感も感じます。
ー職場の雰囲気について教えてください。
橋本:職場は明るく、職員同士のコミュニケーションが取りやすい環境です。業務で分からないところがあっても周囲の先輩や上司に気軽に相談でき、サポートしてもらえる体制が整っていると感じています。
また、休みも取りやすく、仕事とプライベートの両立がしやすい職場であると感じています。
同期採用は自分も含めて17人いて、とても仲が良く、仕事の相談や雑談もしやすい関係です。
行事の動員や飲み会などを通じて話す機会も多く、コミュニケーションが活発です。困ったときも支え合える同期の存在が大きな励みとなっています。
また、2年目の先輩方との飲み会も毎年恒例で開催され、年が近い職員の方とも積極的に交流する機会が多いです。

ー最後に、今後の目標を教えてください。
橋本:市民から信頼される職員になることが私の目標です。
市民の皆さんにとって行政は身近でありながら、手続きや制度がわかりにくい場面もあります。そのため、どんな小さな相談や手続きでも丁寧に対応し、分かりやすく説明することを常に意識しています。
今後は、日々の業務や市民対応を通じて経験を積み重ね、地域の課題に柔軟に対応できる職員として、市民の安心と信頼に応えられる存在を目指します。

ー本日はありがとうございました。
橋本さんの真っ直ぐな言葉の端々から、玉名市役所で働くことへの誠実な想いが伝わってきました。
住民の方々や職員の皆さんから頼られる存在になりたいという目標に向かって、ひたむきに努力される橋本さんの姿は、きっと多くの人々の心に響くのではないでしょうか。
未来の玉名市を担う若き力が、地域に新たな風を吹き込むことを期待しています。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年10月取材)



