「人の役に立ちたい」「地元を活性化したい」――そんな想いを抱く求職者にとって、地域に密着した自治体での仕事は大きな魅力です。
玉名市役所入庁10年目を迎える村上さんは、これまで4つの部署を経験し、多様な視点と経験を培ってきました。
彼が語る玉名市で働くやりがい、職員を支える環境、そして地域への熱い想いを通して、あなたのキャリアパスを考えるヒントをお届けします。
地域への想いが芽生えた背景
ーまずは、村上さんの簡単なご経歴と、公務員を目指されたきっかけを教えてください。
村上:私は玉名市で生まれ育ち、小学校から高校までを地元で過ごしました。その後、長崎県立大学で4年間学び、就職活動をしました。
就職活動を始める前、将来の人生を思い描いたときに、安定した組織へ就職したいという思いがありました。
高校生の頃は特に具体的な職業を考えていなかったのですが、大学生になり、文系の自分に何ができるだろうと考えた時に、安定した仕事として公務員という選択肢が浮上しました。
ー玉名市役所を志望されたのはなぜでしょうか?
村上:大学3年生の頃から公務員試験の勉強を始め、他の地方自治体も受験したのですが、地元で働きたいという強い気持ちと、実家から通えるという安心感から、玉名市役所を志望しました。
通勤のイメージもしやすく、地域に貢献したいという思いが最終的な決め手となりました。

多岐にわたる10年間のキャリアパス
ー入庁されてから現在までの部署の異動と、それぞれの仕事内容について教えてください。
村上:入庁して10年目になりますが、これまでに4つの部署を経験し、現在が5つ目の部署です。
最初の配属は農林水産政策課担い手支援係で、補助事業を通じた農家の支援や農業者団体の事務局を担当しました。また、玉名市の農業をPRするイベントの運営にも携わりました。
2部署目は秘書課秘書係で、玉名市長の秘書兼運転手として、市長の公務に付き添うという貴重な経験をさせていただきました。
その次はくらしサポート課保護係で、生活保護のケースワーカーとして市民の方々の生活を支援しました。
さらに今年の3月までは税務課市民税係で、市県民税の賦課や住民税の申告受付といった税務業務に携わり、税についての知識を深めることができました。
そして今年の4月からは総務課人事研修係で、人事評価や職員研修、働き方改革に関する業務を担当しています。
10年目で5部署目というのは、一般的なジョブローテーション(10年で3部署程度)と比較すると多い方かもしれませんが、様々な分野を経験し、視野が広がった良い機会だったと捉えています。

ー現在の総務課人事研修係での具体的な仕事内容について教えていただけますか?
村上:現在の業務は主に3つあります。
1つ目は「職員研修の企画・実施」です。講師との連絡調整や、外部の機関で研修を受ける職員の派遣手続きなど、多岐にわたる研修業務を担っています。
2つ目は「人事評価制度の運用」です。業務目標の設定や上司部下間での面談の実施など、年間を通して職員に周知を図り、年度末には評価結果の取りまとめなどを行います。
また、今年度は人事評価制度の見直しにも係全体で取り組んでおり、職員にとってより良い制度となるよう検討を進めているところです。
3つ目は「働きやすい職場環境づくり」です。早出遅出勤務制度の導入など、子育てや介護と仕事の両立支援、ワークライフバランスの推進に向けた取組を進めています。また、来年度以降のフレックスタイム制導入に向けた検討も進めています。

人との関わりから生まれるやりがいと成長
ー様々な部署を経験される中で、仕事のやりがいや魅力を感じたのはどのような時ですか?また、大変だと感じるのはどのようなことですか?
村上:仕事のやりがいも大変なことも、どちらも「人を相手にする仕事」という点に集約されます。
市民の方々や他の職員と関わる中で、自分の説明や対応によって相手の不安が解消されたり、「相談してよかった」と感謝の言葉をいただいたりした時は、大きな達成感とやりがいを感じます。
特に窓口や電話対応では、相手の反応がすぐに分かるため、ダイレクトに貢献を実感できるのが魅力です。
一方で、思い通りにいかないことも多く、まさにそれが仕事の大変さでもあります。
しかし、そうした困難な状況の中で、考え悩み、より良い方向へ進んでいく過程こそが、私自身の成長に繋がっていると感じています。
ー入庁から約10年経ち、ご自身の成長を特に感じる点はありますか?
村上:まだまだ成長段階だと思っていますが、入庁1年目の頃と比べると、大きく変わったと実感する点があります。
それは「相手を尊重すること」ができるようになったことです。
様々な部署で多くの人と出会い、それぞれの考え方や価値観に触れる中で、自分と異なる意見や立場を理解し、尊重して対応することの重要性を学びました。
若かった頃は、知らないことも多く、自分の経験からしか物事を考えられない未熟さから、周りに迷惑をかけることもあったかもしれません。
しかし、たくさんの先輩方からの指導や声かけに支えられ、今では相手の意見を傾聴し、その人自身を受け止め、尊重した上で対応するという姿勢が身についたと感じています。
ー仕事をする上で大切にしていること、意識していることはありますか?
村上:最も大切にしているのは、「自分と相手は違う」という認識を持つことです。相手の意見が自分と違うからといって、相手の意見を否定するのではなく、まずその人の意見そのものを受け止め、聞くことを心がけています。
相手の考えていることや価値観を尊重し、その人自身を受け止めるところから、どのような仕事にも取り組んでいきたいと思っています。

地域に根ざした働きやすい職場環境
ー職場の雰囲気や、上司・同僚との関係性はいかがですか?
村上:総務課は、職員一人ひとりがそれぞれの業務に真摯に向き合い、一生懸命に取り組んでいることが目に見えてわかる部署です。皆さんが自分の職務を全うされている姿を見て、互いに尊敬し合える環境だと感じています。
困った時には、「こうした方がいいんじゃない?」とすぐに声をかけ合い、知恵を出し合って助け合える、非常に良いチームワークの職場です。
また、同期採用は現在自分も含めて13人おり、入庁から約10年が経つ今でも、年に2回は集まって飲み会をするなど、活発に交流を続けています。
様々な部署を経験している同期との情報交換は、自分自身の視野を広げる上でも貴重な機会となっています。
ー玉名市役所全体の雰囲気や、職員の方々の特徴について教えてください。
村上:玉名市役所の職員は、地元への愛着が非常に強い方が多いと感じています。例えば、8月に発生した豪雨災害の際には、それぞれの部署の職員が「玉名市のために」という強い思いで、一致団結して懸命に汗を流している姿を見ました。
一方で、地元の出身者が多いものの、市外出身の職員もすっかり地域に溶け込んでいますので、地元以外の出身者でもすぐに馴染める温かい雰囲気があります。

求職者へのメッセージ
ー最後に、玉名市役所への受験を検討している求職者の方々へメッセージをお願いします。
村上:市民の生活を支え、地域課題の解決に貢献できるといった仕事面のやりがいはもちろんですが、玉名市役所は、仕事とプライベートの両立がしやすい、安心して長く働ける職場です。
玉名市内に本庁と3つの支所があるだけで、車で20~30分圏内での移動となるため、遠方への転勤や単身赴任の心配がありません。そのため、腰を据えて生活基盤を築きやすく、例えば家を建てたとしても、安心して働き続けることができます。
また、玉名市ならではの魅力もたくさんあります。
交通アクセスに優れた立地ですが、市内には渋滞がほとんどなく、通勤が快適です。学園都市として、小学校、中学校、高校、大学までが揃っており、子育てのイメージがしやすい環境です。さらに、小児科や総合病院などの医療機能も市内に整っているため、暮らしやすさも抜群です。
私たちは、地域の方々の笑顔と良質なくらしを支援するために働き、自分自身も成長できるような環境で働きたい方を心からお待ちしています。

ー本日はありがとうございました。
村上さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。10年目で5部署目という多岐にわたるご経験から、公務員の仕事の奥深さ、そして玉名市で働くことの魅力がひしひしと伝わってきました。
人との関わりを大切にし、常に成長しようと努める村上さんの真摯な姿勢は、これから公務員を目指す方々にとって大きな指針となることでしょう。
玉名市を支えるのは、村上さんのような温かいお人柄と地元への深い愛情が溢れる方々なのだと、改めて感じた取材でした。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年10月取材)



