愛知県知多市役所で採用担当として働く藤田さんと新美さんのインタビュー記事です。
採用試験を受験するにあたって、志望動機や学生生活での経験って何を話せばいいのか、どこを強みにすればいいのか、気になりませんか?
今回はそんな疑問を採用担当のお二人に聞いてみました。そもそも二人はどのような志望動機を持って入ってきたのか、そして採用担当として思う、学生生活で身に付けておいてもらいたいことなど、普段なかなか聞くことができない、「採用担当」としての考えを知ることができる内容となっています。
ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。
藤田:平成24年に入庁しました藤田です。入庁後は税務課や、福島県南相馬市への被災地派遣、防災危機管理課などを経験しました。現在は、職員課で採用を担当しています。
出身は知多市の隣の常滑市で、大学時代はスポーツ社会学を専攻し、オリンピックやスポーツの歴史などを学んでいました。大学での専攻とこれまでの経歴はあまり関連性がないですね(笑)
新美:入庁6年目の新美です。現在は藤田さんと同じく職員課で採用の担当をしています。職員課に配属される前は、長寿課で福祉関係の業務に携わっていました。
私も実は大学時代、スポーツ分野を専攻していました。福祉、人事と来ているので、私も大学で学んでいたこととこれまでの経歴はあまりつながっていないですね。
ー必ずしも大学の専攻をそのまま業務に活かしているということではないのですね。お二人はなぜ公務員になりたいと思ったのでしょうか?
藤田:私は将来やりたいことが明確に決まっていたわけでは無かったため、民間も含め様々な道を考えていました。昔から公務員を目指していたというわけではなく、就職活動をするにあたり、父から「公務員はどうだ?」と紹介されたのがきっかけです。実は私の父も公務員だったので、公務員という仕事自体は昔から身近に感じていました。
新美:勤務地を転々とするよりは広い意味で安定した職に就きたいと考えていました。そのため、あまり民間ということは考えておらず、就職先としては公務員が良いなと思っていました。周りの友人にも市役所職員や消防職員、警察職員を志望する人が多かったということも影響しているかもしれないですね。
ー知多市役所を志望した理由を教えてください。
藤田:民間を軸に就職活動をしていたため、自治体で受験しようと思ったのは地元常滑市と知多市だけでした。「地元の為に」という志望理由はよく理解できるのですが、私の場合、知り合いが市民として窓口に来るのは少し気恥ずかしい気持ちもあったので、地元ではなく知多市にしようと思いましたね(笑)
常滑市はとても広いというのと、私自身知多にはよく訪れていたということもあり、意外と知多市の方が土地勘もあり詳しかったかもしれません。
新美:私が志望した一番の理由は、藤田さんと異なり「地元だから」です(笑)
知多市のことはよく知っていると思っていましたが、受験に際して知多市のことを色々と調べていると、それまで知らなかった魅力をたくさん発見することもできました。面接の際にはとにかく「自分の育った街をより良くしたい」という想いを伝えました。
ー就職活動はどのように進めていましたか?
藤田:私は民間企業を中心に就職活動をしていたため、SPIの勉強はしていましたが、公務員試験対策というものは特にしていませんでした。
面接についても、知多市での試験の前に民間企業の専攻で何度か経験をしていたため、改めて対策ということはしませんでした。スケジュール的に少し早かった民間での就活経験が活きたと感じています。
新美:私は公務員一本で就職活動をしていましたので、大学で公務員講座を受講し、3年生の秋頃から試験対策を始めました。筆記試験対策はもちろん、論文や面接対策として大学のキャリアセンターを利用し、模擬面接なども経験しました。今振り返ると、筆記試験対策よりも面接での対応が重要だったなと感じています。
ーここからは「採用担当」としてお話をお聞きしたいと思います!まず、どのような人材を求めていますか?
藤田:好奇心旺盛な人がいいですね!知多市では通年でのノーネクタイの取り組みもそうですが、働き方も含め今まさに変化の途中だと思っています。
また、市役所では定期的な異動があるので、自分の興味や知識の領域だけでは通用しません。異動先で新たに勉強する意欲のある人が求められます。短いと1年、長かったとしても全く違う分野に異動することもあるので、好奇心旺盛で常に新しいことに挑戦できる人が理想ですね。

新美:何事にも前向きな人がいいですね(笑)市職員として守るべき部分はしっかりと抑えつつも、物事を前向きにとらえ積極的にチャレンジしてもらいたいと思っています。
市役所では、広い分野で、多くの人と関わりながら仕事をしていくこととなります。当然のことながら、自分のやりたいことだけできるのではなく、必ずしも息の合う人とばかり仕事ができるわけではありません。どんな環境であっても、まずは前向きに取り組む力を持っている人が求められると思っています。そしてそういった考え方は、学生生活の中で養えるのではないでしょうか。

ー学生時代にやっておいてほしいこと、身に付けてもらいたいことなどはありますか?
藤田:チームや組織に所属し、何かをやり遂げた経験があると良いと思います。市役所の仕事はほとんどがチームや課で行うものなので、組織の中で活動した経験は必ず強みになります。サークル活動やボランティア活動など、組織の規模や活動内容によって得られる経験は様々だと思いますが、組織内で自然とリーダーシップを発揮できるような人は、どんな組織に入っても重宝される存在ですね。
新美:私自身も大学時代にはサークル活動をしていました。チームプレイができることは、人と関わっていく上でとても大切だと思います。
また、公務員は「市民のため」に働く仕事なので、学生時代にボランティア活動などを経験しておくと、市役所に入ってからも活かせる場面があると思います。私も、学生時代に名古屋ウィメンズマラソンでAEDを背負ってランナーをサポートするボランティアや、障がい者スポーツの資格を活かした活動に参加していたことがあります。
人の為に何かをする大切さを学べたのは勿論ですが、普段関わる機会の少ない方々と接することで、多様な人々と共生するという知多市の取り組みに、より魅力を感じることができるようにもなりました。
ー知多市役所を受験したいと思った場合、採用試験情報を入手するお勧めの方法などはありますか?
新美:採用試験に関する情報は、市の広報誌、ホームページ、SNSなどで広く情報発信をしています。知多地域のケーブルテレビでも、過去に採用情報を放映したことがあります。色んな媒体で情報を発信していますが、情報を逃さないように自ら積極的に調べる、登録するなどして情報収集してもらえると幸いです。
藤田:新美さんが言ったように、広報誌やホームページ、SNSなどはチェックしてもらいたいですね。
また、採用試験に関する情報や職員のインタビューなどについては、今後はPUBLIC CONNECTにも順次掲載を予定しているので、そちらも確認してもらえればと思います。


「広報ちた」はこちらから閲覧することもできます!
ー採用を担当するお二人から見て、知多市で働く魅力はどういったところでしょうか?
藤田:知多市は「緑園都市」を謳っており、臨海部には大きな工場が立ち並ぶ一方、緑と花の推進課では緑化事業や公園整備などを行っているなど、自然と産業が程よく調和した街です。そんな「産業」や「緑化」の両側面に携わることができるのは、知多市ならではの魅力だと思います。
また、知多市役所には職員組合がなく、職員同士が運営費を出し合い、互助会という組織を運営し、慶弔事業や、ふれあい事業、ボランティア活動などを行っているというのも特徴の一つだと思っています。ふれあい事業では、ボーリング大会やチャンバラ合戦などのイベントを開催し、職種に関わらず職員同士の交流を深めています。そんなアットホームな職場環境も、魅力の一つだと感じてもらえるはずです。

新美:知多市は「ちょうどいいまち」だと思っています。名古屋市や中部国際空港からもアクセスしやすい場所に位置しているので、夏の花火大会といった多くの人が訪れる観光業にも携わることができます。都会というわけではなく、だからといって田舎過ぎるわけでもなく、観光業においては多くの人に来てもらえる。そんな丁度良さを感じることができるのではないでしょうか。


ー最後に、採用担当として「これだけは伝えたい!」ということはありますか?
藤田:公務員と聞くと「大変そう」とか「試験が難しそう」と感じる人もいるかもしれませんが、大切なのはあなたの中身です。是非、学生時代には試験勉強だけでなく、様々な経験を通じて自分自身の内面を磨くことも大切にしてください。
知多市には様々な試験方法もあるので、試験に自信がないという方も、諦めずにまずは挑戦してもらいたいと思います!
新美:もし受験しようか迷っているようなら、とにかく一度受験してみてください!
市役所のイメージは「堅い」と思っていませんか?実際に、私も入る前と後では「公務員」に対するイメージが全然変わりました。
説明会などで先輩職員と交流する機会もあるので、まずは知多市役所で働く人がどんなひとなのかを知ってもらいたいと思います。例年5月に募集内容を公表し、それに合わせて説明会も実施していますので、興味がある方は是非参加してみてください。市役所で働くイメージが湧くと思いますよ!

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年1月取材)