子どもたちの柔らかな笑顔と、日々の確かな成長に触れられる保育士という仕事。
その道を志す中で、公立と私立、正規職員と臨時職員といった働き方の違いに思いを巡らせる方も少なくないと思います。
今回お話を伺ったのは、知多市の公立保育園で働く宮島さん。
岐阜県の私立幼稚園での勤務を経て、結婚を機に知多市へ。臨時職員として約10年の経験を重ね、正規職員としての道を歩み始めました。
宮島さんが語る言葉の一つひとつには、保育への真摯な想いと、子どもたちへの深い愛情が溢れていました。
「子どもが好き」その想いを胸に、知多市へ
ー宮島さんが保育士を目指されたきっかけからお聞かせいただけますか。
宮島:はっきりと目指し始めたのは中学生ぐらいだったと思います。私には年の離れた小さい兄弟がいたり、いとこも年下の子が多くて。昔から自然と小さい子たちと過ごす時間が長かったんです。その中で、なんとなく「小さい子が好きだな」と感じたのがこの道を選んだきっかけだったかな、と思っています。

ー短大卒業後は地元に戻られ、私立の幼稚園にお勤めだったのですね。
宮島:名古屋市内の短大に通っていました。卒業してからは地元の岐阜県にある私立幼稚園で8年間勤めていました。一度退職したのですが、夫がもともと知多市に住んでいたのと、友人が知多市の保育園働いているという話を聞いたことがきっかけで、臨時職員として働きはじめました。
ー臨時職員から正規職員になられたのはどのような経緯だったのですか?
宮島:昨年度、知多市で経験者採用があることを知りました。先輩の先生から「経験者採用枠があるけど、どう?」と紹介をしていただきました。「私が力になれるのであれば」という気持ちで試験を受けさせていただき、今年度から正規職員として入庁する形になりました。

ー岐阜県のご出身とのことですが、初めて知多市に来られた時の印象はいかがでしたか。
宮島:私の地元は本当に山が多くて、とても田舎なんです。なので、知多市に来た時は工業地帯の風景や海がこんなに近い、というのがすごく印象的でした。
実際に住んでみると、三重や地元に出るにも高速道路が近いですし、名古屋の友人たちとも会いやすい距離で、すごく便利なところだなと感じました。名古屋ほどせわしなくないですし、すごく良いまちだなと思いました。
公立園での出会いと、正規職員としての新たな責任
ー私立幼稚園・公立保育園の両方で勤務されたご経験から感じる違いはありますか。
宮島:私が最初に公立園に来て思ったのは、先生同士の繋がりの広さです。市内にたくさんの園があるので、異動などを通じて様々な先生方と関わる機会があります。一緒に働いたことのある先生と別の園で再会することもあります。
私立園だと、その園の中での人間関係が中心になると思いますが、公立園ではその幅がもっと広がっていくと感じます。この先生と出会えて良かったな、と思える先生方にたくさん出会えたことが、すごく大きな違いだったと思っています。
ー臨時職員や会計年度任用職員として約10年勤務された後、正規職員になられて、何か変化はありましたか。
宮島:保育の業務内容、特に担任を持つという点では、私もずっと担任をしてきましたので大きくは変わりません。
ですが、園の中で早朝や延長保育の当番といった勤務時間が増えたことと、やはり責任の重さは違いますね。もちろん、子どもを預かる責任はどんな立場でも変わりませんが、自分がこの知多市の職員、公務員になったんだという、新たな責任感みたいなものは、やはり違うのではと感じています。

日々の成長に触れる喜び。保育士という仕事の醍醐味
ー宮島さんのお仕事のスケジュールを教えていただけますか。
宮島:朝、出勤して、クラスに入るのは8時半からです。早朝当番の日は園を開けて子ども達を迎える準備をします。実際に子どもたちと関わるまでに、その日の予定の確認や環境整備などを行います。
子ども達が登園してくると、保護者の方が毎日書いてくださる連絡帳を確認しその日の様子や体調を把握するところからスタートします。
未満児クラスの子ども達は、午前のおやつを食べ、天気が良ければ外遊びをするのが主な活動です。11時過ぎから給食の準備をして、お昼ごはんを食べ、その後はお昼寝の時間です。子どもたちが起きたら午後のおやつを食べ、ご家庭ごとのお迎えの時間まで過ごします。
延長保育の当番の日は、夜7時まで保育に入りますし、それ以外の日は、一日の振り返りや次の日の準備などの業務をして終わる、という形になります。

ー毎日のお仕事の中で、特に「楽しい」と感じるのは、どのような瞬間でしょうか。
宮島:そうですね、どの瞬間も「楽しいな」とか「面白いな」「可愛いな」と感じます。ご飯を食べたり、一緒に遊んだりする中で、子どもたちの「自分でやりたい」という気持ちや「甘えたい」という気持ちが色々見えてきます。
今までできなかった姿が見られたり、「わ、すごい。こんなことを考えてるんだな。」ということに気づけたりした瞬間は、やっぱり面白いですね。
ーこれまで知多市の保育園で働かれる中で、特に印象に残っているエピソードはありますか。
宮島:臨時職員の時に、年長クラスを担任させてもらったことがあります。運動会のクラス対抗リレーがとても接戦になったんです。自分のクラスが勝つこともすごく嬉しかったですが、隣のクラスの子たちが勝っても負けても、みんなで頑張っている姿がすごく印象的で。結果発表の時には、すごく胸に込み上げてくるものがあったな、と今でも覚えています。
今の未満児クラスでも、日々の成長に感動します。4月当初は、お母さんと離れるのが初めてで大泣きしていた子達が、今では私の顔を見るだけで「先生」と笑顔を向けてくれたり、抱きついてきてくれたりするので、本当に些細なことなんですけど、お母さんから離れて安心できるようになった姿は、すごく大きな成長だな、と感じます。
温かい人間関係の中で。感謝の気持ちを大切に
ー今働かれている園の雰囲気はいかがですか。
宮島:以前いた園より規模が大きく、先生の数もとても多いです。若い先生も多く、色々な考えに触れることができて、沢山の刺激をもらっていますね。
私は知多市で2つの園しか経験していませんが、今の園はとても明るくて、風通しがいいですね。
ー保育士として働く上で、宮島さんが一番大切にされていることは何ですか。
宮島:一番大切にしたいなと思っているのは、誰に対しても感謝を伝えることです。
自分一人で保育をしている訳ではないので、周りの人にしっかり感謝の気持ちを伝える。それが大人だけじゃなく、子どもに対しても、保護者の方に対しても、そういう気持ちで接するということは、ずっと心がけているところかなと思います。

ー最後に、これから保育士を目指す方々へメッセージをお願いします。
宮島:保育士は子どもと関わる仕事ですが、子ども以外にも保護者を含めて色々な人と関わる仕事です。人と関わることが好きだと思っている方と、これから一緒に仕事していけたら嬉しいなと思います。
知多市に住んでみての知多市で働く魅力としては、子どもや保護者の方と、保育以外のことでもコミュニケーションが取れることがある点です。「今度こういうお祭りがありますよね」とか、「お兄ちゃんの運動会ですもんね」という話ができたりして、またそこからの出会いやつながりがある感じています。
ほどよい規模感の知多市だからこその新しい発見がたくさんあると思います。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年10月取材)



