2022年5月より泉南市長に就任されている大阪府泉南市の山本 優真市長に、今求めている人材像や泉南市で働くメリットなどについてお話を伺いました。
—これまでのご経歴ついて
山本:2013年3月に立命館大学を卒業し、半年ほど民間企業で勤務しました。かねてより政治や行政の仕事に関心を寄せていましたので、機会を得て23歳で衆議院議員秘書へ。3年後の2016年10月に泉南市議会議員選挙に挑戦し初当選致しました。
泉南市議会議員として2期目の任期中に竹中勇人前市長が引退を表明された際、市長選への立候補を決意致しまして、2022年5月より泉南市長に就任しております。
—泉南市の重点施策を教えてください。
山本:「子育て支援」・「教育」・「成長戦略」・「公共施設等の最適化」の4点を柱として推進しています。日本で3名しかいない平成生まれの首長として、比較的若い世代の視点を活かした政策の実現が使命だと考えています。
「子育て支援」・「教育」の分野は特に注力しており、限られた任期でも成果を出し、泉南市民の方々に変化を感じ取って頂けるようスピード感を意識して進めてきました。就任より1年半の期間で10以上の政策を実現しています。
「成長戦略」では関西国際空港の活用施策など、泉南市の魅力向上を戦略的に進めていく成長戦略室という新しい部署を立ち上げています。部門横断的な視点を持ち、複数部門間の連携・調整を図ることを役割としました。
「公共施設等の最適化」については支出の抑制重視から転換し、老朽化対策、街の賑わい創出、健全な財政運営のそれぞれを天秤にかけながら積極的な発想で公共事業を考えていく方向に舵を切っています。
—政策の実現に向けて市役所の職員とはどのような関わり方を意識していますか。
山本:政策の実現には職員の頑張りが必要不可欠です。現場の声を大事にしながら進めていくために、部長・課長などの管理職のみと交流するのではなく、若い世代の職員の声にも積極的に耳を傾けています。
ランチミーティングや意見交換会を行い、市役所の中を実際に歩き回って若手職員に声をかけています。習慣化しているので職員のほうも慣れてきていて、市長とどんな話をしたのかといった詮索も無くなってきたかなと感じています。
市議会議員のときには管理職との関わりのみでしたので、そこは市長という立場になって大きく変わった点だと言えます。風通しの良い雰囲気で意見が言える組織が主体的な職員を育てると思いますので、世代を問わず話をしやすい環境作りを心がけています。
先ほどあげた成長戦略室と公共施設再編室という2つの部署を2023年度に立ち上げたことも、広義に捉えると職員との関わり方についての施策と言えるかもしれません。市長が直轄するいわゆる首長部局というかたちには意図的にしませんでした。
というのは、市長が誰であろうと自らを律することのできる「自律した組織」であるべきだとの考えがあるためです。
トップダウンで全ての物事を決めるのではなく、職員の持つ主体性を発揮できるかたちにしたいと思い、部門横断的な役割を2つの部署に期待しています。
—主体的な人材・組織を作っていくことを重視されているのですね。
山本:そうですね。新設部門に限らずどの部署でも新しいことを生み出す風土を強化していきたいと考えています。現在は成長戦略部門が最も新しいアイデアを求めていますが、数年をかけて市役所全体を積極的に変化を生み出すことができる組織にしていきたいです
既にその機運は高まってきていまして、働き方改革についての提案を職員からの意見に基づいて実施しています。2023年2月より、1日の勤務時間数は変更せず、始業時間と終業時間を繰り上げ、繰り下げる勤務体制である時差出勤を導入しています。
また、市長自らが動くことで組織風土が醸成されるとの意見を踏まえ2023年1月にイクボス宣言を行ない、第2子出生時に育児休業を取得しました。議会前の時期だったので2週間程度を分散して取りましたが、私自身にとっても組織にとっても有意義だったと感じます。
今後新たに泉南市役所で働くこととなる方にも、ぜひ必要な変化について声をあげる職員になってほしいですね。私は新しい視点・新たな世代からの話をたくさん聞きたいですし、それがより良い街づくりへつながっていくと確信しています。
—泉南市役所が求める人材像について具体的に教えてください。
山本:「まちづくり」の色々な方面に関心を持っている方と働きたいと思っています。自治体の仕事は全方位的に変化を生み出すことができますので、どうしたら泉南市民全体の満足度や幸福度が向上するかということを考え、実現したいという方をお待ちしています。
他自治体での取組み事例がないけれども10年後に必ず必要になること、のアイデアをお持ちの方は是非来て頂きたいです。なぜなら私は、新しいことが大好きですから(笑)。今まさに政策のアイデアを通しやすい環境だと言えると思います。
他には、民間企業での勤務経験をお持ちの方など目標達成思考で自律的に動ける人材であったり、技術職の方などは中途採用で即戦力となって頂けることを期待します。重点施策である「公共事業等の最適化」では街を「リメイクする」という発想で力を発揮頂きたいです。
技術職員による知見が必要な事例として、公民連携でのSENNAN LONG PARKの整備事業のような類似案件が現在も検討されていたり、築年数の経過した公共施設の最適化検討などで人材を求めています。
そしてもちろん市役所の仕事では決められた仕事をミスなく丁寧に行なえる資質が必要な部署も多くあります。それぞれの適性があり多様な人材がいてこそ良い組織だと思っています。
そして、もしこれまで泉南市にご縁がなかったとしても全く問題ありません。私自身が岐阜県生まれで色々なご縁の中で現在市長を務めていますし、職員にも他府県出身者は多数おります。ご心配なくお越し頂ければと思います。
—最後に、泉南市役所で働く良さ・やりがいについてお伺いしたいです
山本:若い世代によって次代の泉南市を創り上げるという風土が強い点をまず挙げます。解決すべき市の課題は多くありますが、それに対する提案を積極的に受け付けていますので、自分が関わった結果がこうなったという成果も見えやすくやりがいがあると思います。
また、関西国際空港があることによるスケールの大きな仕事というのも魅力ではないでしょうか。大阪・関西圏全体の発展を視野に空港のあり方を考え他自治体と一緒に進める事業があったり、外に目を向けて仕事をする機会も多々あります。
2023年4月に人口約180万人のフィリピン第3の都市ダバオ市と姉妹都市協定を締結したことも同様の事例と言えます。市内の子どもたちに国際交流の機会を提供するとともに、大阪・関西圏全体への経済的連携構築を泉南市が担うことも目的としています。
飛行機を使えば東京もフィリピンも「隣町」だというスケールで経験が積める自治体はなかなか無いと思います。そして、働き方改革をはじめこれからも時代に応じて変化を止めず、働きやすさとやりがいを両立できる職場であることを常に目指します。
新しい挑戦をしたい方、民間での経験を自治体で活かしたい方、仕事の正確性を極めたい方はもちろんのこと、次期市長を目指したいといった強いパッションをお持ちの方まで、一緒に泉南市をより良い街にしていける仲間をお待ちしています。
—どうもありがとうございました。