能美市役所では、新規採用職員を対象に、市の主要施設や施策への理解を深めるための体験型研修を行っています。
令和7年9月18日、今年度入庁した新規採用職員20名が、「市立病院施設体験研修」に参加しました。
今回は、行政職だけでなく、専門職を含む多様な職種の同期が一堂に会し、医療・介護の最前線を「見て」「聞いて」「体験する」1日となりました。その研修の様子と、参加した新規採用職員のリアルな声をお届けします!

研修の概要
- 日時: 令和7年9月18日(木) 8:40~16:00
- 場所: 能美市立病院、介護老人保健施設はまなすの丘
- 参加者: 新規採用職員 20名
- 主な内容:
- 医療DXの取り組み紹介(オンライン診療、電子カルテ等)
- 看護体験(車椅子操作、食事介助体験)
- 認知症ケア技法「ユマニチュード」の学習
- 院内および介護老人保健施設の見学
- 医療技術部の職種・検査紹介
① 最先端の「医療DX」を学ぶ
能美市が進める「スマートインクルーシブシティ」の一環として、市立病院と地域の公民館等を結ぶオンライン診療や、電子カルテによる情報共有の仕組みについて学びました。
【参加した新規採用職員の気づき】
「近くの公民館で医師の顔を見て診察を受けられ、薬も届く仕組みは、市民の方にとって大きな安心感につながると実感しました。デジタル推進課と病院が連携している点にも驚き、部署を超えた連携の重要性を学びました」(健康福祉部・田中さん)
「電子カルテには身体的な個人情報が多く含まれるため、セキュリティの重要性を再認識しました。DXが患者さんと医療従事者双方の負担軽減につながることを理解できました」(総務部・北山さん)
② 「される側」を知る看護・介護体験
今回の研修で最も反響が大きかったのが、看護部での車椅子体験と食事介助体験です。
車椅子で坂道を下る怖さや、ベッド上で寝たままゼリーを食べる難しさを、自らの体で体験しました。

【参加した新規採用職員の気づき】
「車椅子体験では、少しの段差や坂道のスピードに恐怖を感じました。介護役の職員に『下り坂ですよ』と声をかけられても怖く、相手に寄り添う声掛けや配慮がいかに重要か、身をもって知ることができました」(企画振興部・古川さん)
「ベッド上で目を閉じてゼリーを食べさせてもらう体験をしました。いつ口に来るかわからない不安や、飲み込みにくさを感じました。相手の立場に立って考えることの大切さを学びました」(教育委員会・舟津さん)

③ 認知症ケア「ユマニチュード」と多職種連携
認知症の方と関わるための技法「ユマニチュード(見る・話す・触れる・立つ)」の講義や、薬剤師・検査技師・リハビリ職など、病院を支える多様なプロフェッショナルの仕事を見学しました。
【参加した新規採用職員の気づき】
「ユマニチュードの4つの柱は、介護の現場だけでなく、窓口対応や市民の方とのコミュニケーション全般に活かせる技術だと感じました」(土木部・内澤さん)
「普段なかなか立ち入れない現場で、多くの職種が連携して成り立っていることを知りました。土木部である自分も、市民や業者さんと連携して仕事を進める点は同じ。早く役に立てる職員になりたいと感じました」(土木部・池田さん)

採用担当者より
今回の研修を通して、参加した職員たちは「相手の立場に立つこと(当事者意識)」や「部署を超えた連携(チーム能美市)」の大切さを深く学びました。
配属された課の業務知識だけでなく、こうした現場体験を通じて「市民の生活を支えるとはどういうことか」を肌で感じられるのが、能美市役所の研修です。

レポートの最後には、
「公務員としての自覚を改めて意識し、常に学びの姿勢を忘れずに成長していきたい」(産業交流部・川渕さん)
「この経験を活かし、市民の方に寄り添う対応を心がけたい」(健康福祉部・下道さん)
といった力強い決意が多く綴られていました。
このように能美市役所では、新規採用職員が安心して成長できるよう、新規採用職員研修を充実させています。同期と一緒に学ぶ時間は、知識やスキルを身につけるだけでなく、互いに支え合える関係を築く大切な機会でもあります。入庁後も仲間と共に学び、支えあいながら、一歩ずつ成長していける職場づくりを大切にしています。



