銀行員、携帯ショップ店員、専業主婦、パン製造工場のパート勤務と、仕事に育児に、様々な経歴をお持ちの鈴木さん。結婚、出産、育児を経て、40代で東大和市に転職しました。
東大和市の子育て支援制度を利用した際の職員の親身な対応に惹かれ、今度は自分が市民を支えたいという思いから市職員を志したそうです。
事務経験はゼロからのスタートでしたが、日々、奮闘中。地域振興課で都営住宅の募集、国際交流、市民葬儀など、幅広い業務に携わっています。採用試験のこと、日々の業務のこと、3か月が経った今思うこと、そして東大和市の魅力をお聞きしました。
※本インタビューは令和6年11月に実施したものです。
ーご経歴を教えてください。
鈴木:大学卒業後、派遣社員として銀行の窓口で働いていました。2時間ぐらい通勤にかかっていたことと、正社員を目指したかったことから1年ほどで退職しました。
次に携帯ショップで8年ほど働きました。主に携帯電話の販売や、故障修理などの窓口対応をしていました。そこで働いている時に結婚して子どもができたことと、体調を崩したことから退職し、4年ほどは専業主婦として育児に専念していました。その後、5年ほど9〜14時までのパート勤務で、パンの製造工場で働いていました。
今年、子どもが小学校3年生と中学校1年生になって手が離れるようになり、またフルタイムで働こうと思い、就職活動を始めました。
そんな中、東大和市の職員採用試験を市報で見つけました。40歳を超えているので、市職員の募集は年齢的に当てはまるものが、なかなか無かったのですが、今回の募集では「45歳まで対象」「勤続年数3年以上」「高校卒業」と条件が当てはまっていました。
そして採用試験に合格し、令和6年7月1日に東大和市に入庁しました。
ー次の就職先として、東大和市を選んだ理由を教えてください。
鈴木:子どもが生まれてから、保健センターや子ども家庭支援センターなどに行くことがあり、子どもが小さく生まれたことや、小学校に上がるタイミングで学校に行けなかったことを相談しました。
その時、不安な気持ちだったのですが、担当の方が相談にのってくれたり、的確にアドバイスをしてくれたり、「その後どうですか」と経過の連絡をくれたりと、親身に対応してくださいました。
市民として東大和市に住んでいて、とても安心できると感じていたので、私も東大和市の職員になって、「ここに住んでいて良かった」と市民に思ってもらえるような仕事に携わりたいと思い、応募しました。
ー採用試験内容と、試験全体を通しての印象はいかがでしたか?
鈴木:最初は質問項目が7個ほどのエントリーシートがあり、ウェブで送りました。1次試験では、論文と集団面接がありました。集団面接は応募者2人に対して試験官が2人でした。
論文は私が考えていた課題と違ったので、どうしよう…となりました。周りから鉛筆の音が聞こえて、より焦ってしまいましたが、5〜10分考えてから書き始めました。集団面接は、淡々としか答えられなかったのですが、面接官が優しい雰囲気で、わかりやすい質問を投げかけてくれたので、回答しやすかったことを記憶しています。
2次試験の個別面接の際は私1人に対し、市長・副市長・教育長のほか部課長など面接官が5人いました。主に市長からの質問が多く、今までの経歴に関することが多かったのですが、ありのままの自分でいられたと思います。市長から笑顔が素敵と褒めていただいたので、そういったところをアピールしました。
ー論文や面接の対策はどのようにしていましたか?
鈴木:公務員試験の本で、どんな課題があるのかを見て、自分なりに原稿用紙に書いてみたりしました。
面接対策はハローワークで、何度か模擬面接をしていただきました。職を離れており、事務経験も無かったので、仕事面は後々覚えるとして、自分自身の人柄を見てもらおうと思い、臨みました。
ー今の所属と業務内容をお聞かせください。
鈴木:地域振興課の市民協働・消費係に所属しています。主な担当業務は、都営住宅、国際交流、市民葬儀です。そのほか、自治会に関する業務を覚えているところです。
都営住宅には、年4回の定期募集と地元割当という募集枠があります。募集・審査は東京都が取りまとめていますが、地元割当は、地域振興課で冊子を作り、募集の日程調整を東京都の担当者と行います。11月には定期募集と地元割当の募集があり、それに向けて冊子を作成しています。
国際交流は、日本語ボランティアグループに関する事務を行っています。各グループで使用している公民館や図書館などの手配、取組を共有するための連絡会の開催、講座を開く際の日程調整を行っています。また、通訳を必要としている部署がある場合は、通訳ボランティア(外国語通訳交流員)の方を派遣しています。私が入庁してからは中国語の通訳の依頼が2回ありました。
市民葬儀については、電話や窓口で市民葬儀はどういうものなのかといった問合せを多くいただくので、それに対してお答えしています。
自治会については、コミュニティ助成などの補助金の手続を行っています。
ー1日の流れの例を教えてください。
鈴木:毎朝、係ごとのミーティングを行います。そこで1日の業務内容を共有します。その後メールのチェック・返信をし、調査依頼があった場合には調べ、回答します。また、その日に進めなければいけない業務を行います。今日であれば、11月に始まる地元割当の募集冊子を作成します。
ー都営住宅の冊子ですね。どのように作るのですか?
鈴木:今回は桜が丘団地で募集をかけるのですが「家族向けの募集であること」、「募集の期間」、「抽選の日程」、「応募資格」を載せます。収入も記載が必要なので、収入の記入方法が分かるような表を作って載せています。Wordで作成した後、たくさん印刷するので、専用の印刷機を予約して印刷します。
ー入庁して3か月経って、市役所の印象はいかがでしょうか?
鈴木:市役所は窓口対応というイメージがありましたが、デスクに向かって事務作業することも多いですし、多岐にわたって業務があることが分かりました。
また、公務員は堅いイメージがありましたが、皆さんコミュニケーションを取って、明るい雰囲気でお仕事をされているので、イメージと違いました。
ー入庁してからの研修や、仕事のレクチャーはどういった形で受けましたか?
鈴木:入庁後は研修が3日間ありました。他には新人職員向けのeラーニングで、3か月に渡り空いた時間で、地方公務員法・地方自治法・中途入社の基礎研修などを学びました。
実務に関しては、一から教えてもらうというよりは、今までの資料を参考にしながら書類や伝票を作成し、わからないところは聞くという形です。
ー面白さを感じた部分ややりがいだと思った部分を教えていただけますか。
鈴木:正直、面白さはまだつかめてないです。なので、これから面白さを見つけられたらと思っています。
やりがいに関しては、自治会はご年配の方が多く、耳が聞こえづらかったり、目が見づらかったりするため、そのことに配慮したことで、喜んでいただけた時に感じました。
また、窓口に来た目的を済ませた後に、聞いてほしい話をされる方もいらっしゃいます。こちらが話を聞くことで笑顔になって、「ありがとう」と言ってもらえたときには、嬉しかったです。
今後、さらに知識を増やして、色々な人からありがとうと感謝されるような仕事ができればいいなと思っています。

ー今までの経験や、お人柄が仕事にも生かされてるのでしょうか。
鈴木:携帯ショップの窓口で働いていたときも、大事なところに分かりやすいように付箋を貼ったり、線を引いたりしていたので、そういった点は活かされているのかなと思っています。
性格上、どちらかというと、自分の意見を言うというよりは聞く側であることが多いので、話を聞くことに対して喜んでもらえることがあります。傾聴力までいかなくても、自分の中で強みとなっているのかもしれません。
ー大変だったことや、困ったことはありましたか。
鈴木:パソコンに慣れない中でのスタートであることや、業務が次から次へと舞い込んでくるので「今これをやってるけど、これも、あれもやらなきゃいけない」と頭の中がいっぱいになってしまうのが大変です。
やらなければいけないことを順位付けし、わからない場合はどこを参照するのかを整理して、スムーズに仕事ができるようになりたいと思っています。
また、根拠となる法律の説明も必要なので、身につけなければならないところなので、今、苦労しているところです。
ー鈴木さんから見た東大和市はどんな地域で、どんな職場でしょうか?
鈴木:東大和市に住んで10年ほど経ちますが、公園がいっぱいあり、緑豊かで綺麗だという印象があります。
特に、東大和南公園は、とても広くて、家族みんなが好きな公園です。子どもがサッカーをしたり、私も犬の散歩でよく行きます。
また、子育て支援にとても力を入れてると、前から思っており、東大和市の魅力だと感じています。
職場はまだ慣れていませんが、周りは皆とても良い人たちですし、いい雰囲気だと思いますので、私もコミュニケーションを重ねて仲良くなっていければと思っています。
ー東大和市の子育て支援の制度で魅力に感じたものは何ですか?
鈴木:放課後の居場所の確保が充実している点です。学童保育以外にも「ランドセル来館」というのがありまして、私の子どもも利用していました。
また、「病児・病後児保育のお迎えサービス」という、子どもが熱を出してしまったときなどに、お迎えに行ってくれるサービスがあると聞き、助かると思いました。
ー最後に東大和市を目指している方にメッセージをお願いします。
鈴木:私も事務の経験がありませんでしたが、前職は関係なく、一生懸命やればどんな職場でもやっていけるということを、私の経験を通して感じていただければと思います。
面接のときには、前もって準備することも大事ですが、ありのままの自分で臨めばいいと思いますので、ぜひ頑張ってください。
ーありがとうございました。