藤井寺市男性保育士のインタビュー。
短大卒業後、民間保育園での勤務を経て、一般企業に転職。しかし、保育への思いを再燃させ、再び保育士の道へ。現在は藤井寺市の公立保育所で10年目のキャリアを積んでいます。
なぜ再び保育の道を選んだのか、そして藤井寺市の保育にはどんな魅力があるのか。仕事のやりがいから、男性保育士としての働きやすさ、成長できる環境まで、詳しくお話を伺いました。
―まずは、これまでのご経歴を教えていただけますか?
短大を卒業してから、まず民間の保育園で数年間働きました。そこから、条件面等の理由から一度保育の現場を離れて、一般企業で営業職などを経験しました。一般企業で働く中で、やはり「保育の仕事が諦めきれない」「もう一度保育士をやってみたい」という気持ちが強くなっていきました。子どもたちの成長に関わる仕事の魅力は、やはり大きかったです。
―再挑戦にあたり、公立の保育士、特に藤井寺市を選ばれた理由は?
保育士として働くなら、給与や福利厚生などの面も含めて、公務員として働くのが良いなと考えていました。藤井寺市は地元ということもあり、以前から公立保育士の試験を何年か受け続けていたんです。
平成27年から藤井寺市で保育士として働いています。戻るなら、次は行政の保育士として働きたいという思いが強かったです。

―藤井寺市で実際に働いてみて、民間の保育園との違いは感じますか?
はい、保育のやり方や質に対する考え方は違うと感じます。藤井寺市は古墳があったり公園が多かったりと、自然が豊かなところが魅力です。その環境を活かして、散歩に出かけたり、自然の中で身体を思いっきり動かして遊んだりすることを大切にしています。
散歩にもよく行きます。ただ子どもたちに「さあ、遊んで」と促すだけでなく、私たち保育士も一緒になって本気で遊ぶんです。大人が楽しんでいる姿を見て、子どもたちも安心して思い切り遊べる。そうやって一緒に遊ぶ中で、子どもたちの身体はもちろん、心も豊かに育っていく。そこが藤井寺市の保育のすごく良いところだと、入ってから改めて感じています。
―「身体づくり」も重視されていると伺いました。
はい、「よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ」という基本的な生活習慣を大切にし、心身ともに健康な身体を作ることを重視しています。この考え方にも非常に共感しています。
学び続け、成長できる環境:研修制度と若手の意見も尊重される風土です。
―藤井寺市全体として、そういった保育方針はどのように共有されているのですか?
定期的に研修の機会があります。藤井寺市全体の保育士が集まる研修が年に3~4回、それとは別に、各保育所内で月に1回、研修や学習会を行っています。
―かなり頻繁に研修があるのですね。どのような内容なのでしょうか?
全体の研修では外部から講師を招いて新しい知識を学ぶこともありますし、各園での学習会では、食育や発達段階に応じた関わり方など、その時々で必要なテーマをみんなで決めて学んでいます。若手だけでなく、経験豊富なベテランの先生も含め、全員が参加します。

―ベテランの方も学び続けているんですね!
保育の世界は、ある程度学んだら終わりということはなく、常に新しい知識や考え方が出てきます。ベテランの先生方もずっと勉強されていますし、その姿を見て、自分も頑張らないとなと思えます。
あとは、全体の雰囲気として、トップダウンというよりは、若手の意見も尊重される、風通しの良い職場だと思います。
「どういう意図でそう考えたのか」「なぜそうしたいのか」という背景や思いを、年次に関わらずしっかりと聞いてもらえます。
―新人・若手職員との接し方は気をつけていることはあるんですか?
新人の方も、何か行動するときには必ず意図や思いがあるはずです。まずはそれを否定せずに、「どうしてそうしようと思ったの?」と聞くようにしています。その上で、「こういうやり方もあるよ」と提案する形をとっていますね。
私自身、新人の頃は失敗を恐れずにチャレンジできる環境で育ててもらえました。もちろん失敗することもありますが、その経験から「次はどうすればいいか」「どうすれば繰り返さないか」を学ぶことが大切です。
失敗しても大丈夫、先輩がフォローするから、という気持ちで、どんどんチャレンジしてほしいと思っています。失敗から学ぶことは本当に多いですし、成功すれば大きな自信につながります。

―職場の雰囲気はいかがですか?
すごく良いです。意見交換もしやすいですし、全体的に和やかな雰囲気ですね。先生同士、和気あいあいとしています。
―男性保育士はまだ少数派かと思いますが、働きにくさを感じることはありますか?
現在、藤井寺市の公立保育士全体で男性は6人ほど、割合でいうと1割弱くらいでしょうか。私が今の保育所に入った当初は、男性保育士が初めてだったようで、周りも少し戸惑いがあったかもしれませんが、今は男性も増えてきていますし、正直なところ、私自身も周りの女性職員の方々も、性別を特別意識することはほとんどないですね。「男性だから」「女性だから」ということはなく、一人の保育士として自然に働けていると感じます。
―勤務体制や連携体制についてはいかがですか?時差勤務などもあると伺いました。
朝7時から夜7時まで開所しているので、早出(7時、7時半、8時出勤など)や遅出のシフト勤務があります。当番勤務は2~3日に1回くらいのペースですね。日々の業務に追われたり、勤務時間が異なったりして、常に密に話し合う時間を取るのは難しい面もあります。
ですが、子どもたちのお昼寝の時間などを利用して、その日の子どもの様子で気になったことや、可愛いエピソード、面白い発見などを共有するようにしています。そういった小さなコミュニケーションの積み重ねが、連携につながっていると感じますね。
―ワークライフバランスについてはいかがでしょう?
以前に比べると、残業はかなり減ってきています。業務の効率化が進められたりしたおかげで、定時で上がりやすくなりました。
また、第一子の時に育児休業を取得しましたし、今度第二子が生まれる際にも取得する予定です。私が入庁した頃は男性の育児休業取得はまだ珍しかったかもしれませんが、今では他の男性職員も取得していますし、事前に相談すれば問題ないです。

―ご自身のお子さんの子育てと仕事の両立はいかがですか?
特に大変だと感じることはないですね。休みもきちんと取れますし、早く帰れる日も増えたので、自分の子どもと過ごす時間もしっかり確保できています。不満は特にないです。
―改めて、保育士としての仕事のやりがいは、どんなところに感じますか?
やはり、子どもの成長を間近で見られることですね。特に、子どもが何かにつまずいて、一緒に「頑張ろう!」と励まし合いながら乗り越えて、達成できた時の喜びは格別です。「やってきてよかったな」と心から感じます。
―藤井寺市の保育の特徴である「子どもとの近さ」も、やりがいにつながっていますか?
そうですね。藤井寺市の保育では、単なる「指導者と子ども」という関係ではなく、もっと近い距離感で関わっていると感じます。一緒に本気で遊んだり、時にはぶつかり合って喧嘩したり、そして仲直りしたり…。嬉しい時は一緒に喜び、悔しい時は一緒に悲しむ。そういう人間同士としての関わり合いの中で、深い信頼関係が築けていると感じますし、それが大きなやりがいにつながっています。子どもと近い距離にいられる、そこが藤井寺市の保育の大きな魅力だと思います。

―最後に、藤井寺市で働くことに興味を持っている方へメッセージをお願いします。
藤井寺市の保育は、自然の中で身体をたくさん動かし、子ども一人ひとりの育ちを大切にしています。そして、保育士自身も子どもと一緒に楽しみ、成長していける環境です。研修制度も充実していて、常に新しいことを学び続けられますし、若手の意見も尊重される風通しの良い職場です。子どもが好きで、子どもと一緒に成長したいという熱意のある方、ぜひ一緒に藤井寺市の保育を盛り上げていきましょう。
―本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年3月取材)