「公務員ってもっと堅い雰囲気かと思っていたんですが、配属先は20代・30代ばかりで、すぐに馴染むことができました」
そう穏やかに語るのは、藤井寺市役所こども育成課で窓口業務に携わる、入庁3年目の職員。大阪府内の大学で奈良時代の日本古典文学を学んだ後、令和6年度に藤井寺市へ入庁。現在は児童手当の支給事務を中心に、子育て世帯への支援業務を担っています。
今回は、藤井寺市で働くことを検討している方に向けて、仕事内容・職場の雰囲気・ワークライフバランスについて、たっぷりとお話を伺いました。
- 万葉集と世界遺産の市。文学とフィールドワークが結んだ縁
- 子育て世帯を支える。児童手当の「縁の下の力持ち」
- 予測できない窓口対応。それでも『新しい目標』が仕事を面白くする
- 20代・30代だけの課。若手が集まる職場のリアル
- 小さなまちだから、一人ひとりと向き合える。藤井寺市を目指す方へ
万葉集と世界遺産の市。文学とフィールドワークが結んだ縁
ーまず、公務員を志望した経緯を教えてください。
学生時代から公務員を目指してはいたのですが、就職活動を始めてあらためて自分の経歴を振り返った時に、中学・高校と生徒会に所属していて、地域の方々と触れ合う機会がとても多かったことを思い出したんです。
その経験から、市役所のように地元の人に寄り添える仕事がしたいという気持ちが強くなりました。
ーその中で、なぜ藤井寺市を選ばれたのですか?
大学では奈良時代の日本古典文学、特に万葉集について研究していて、フィールドワークや文化財に触れる機会が多かったんです。藤井寺市には古市古墳群という世界遺産があるので、そのあたりが自分の学びとつながっているなと感じました。
また、子どものころから家族と一緒に藤井寺市内に遊びに来ることがよくありました。学生時代に初めてアルバイトをしたのも藤井寺市だったこともあり、自分にとってとても身近なまちだったというのも大きな理由の一つです。

子育て世帯を支える。児童手当の「縁の下の力持ち」
ー現在の業務内容を教えていただけますか?
こども育成課の育成担当に所属していて、主に児童手当の支給事務を担当しています。転入・転出・出産・離婚などに伴う窓口対応と書類の処理が日々の基本的な仕事です。
児童手当は2か月に1回の支払い事務がメインで、当市では偶数月の5日が支給日となっています。
ー具体的には、どのような流れで進めるのでしょうか?
例えば6月の支給日であれば、4月・5月分のお支払いになります。4月ごろから申請書類を一件ずつ処理し始めて、支給日の2週間前ごろには、申請がないまま転出した方やお子さんが生まれた方がいないかを住民票関係情報から一件ずつ確認します。大体100〜200人分のリストを作って、必要な方には申請のご案内をお送りします。
支給日の約1週間前になると会計上の締め切りが発生するので、支払い対象者の口座情報と金額をシステムに打ち出して会計に提出します。その後も、口座変更や結婚で名義が変わった方などのエラー解消のために個別にお電話をしたりお手紙を送るなど、支給日当日まで細かな対応が続きます。
また、国・大阪府・藤井寺市の負担割合に応じた交付金の申請や返還といった事務も担当しています。実績をもとにどれだけ交付金を使うかを申請して、使い過ぎた分があれば返還手続きも行います。お金の出入りを両方管理する業務なので、なかなか複雑です。

予測できない窓口対応。それでも『新しい目標』が仕事を面白くする
ーお仕事の中で大変に感じることはありますか?
窓口対応の時間が読めないことが、入庁当初は一番大変でした。短ければ5分で終わることもありますが、長いと一件で1時間ほどかかることもあります。お昼休みも当番制ではありますが、窓口が来たり電話が鳴ったりすると当番以外の職員も対応することが多いので、スケジュール通りに仕事を進めることが難しいと感じることがあります。
ー逆に、やりがいを感じる場面はどのようなときですか?
担当事務が変わるたびに一から新しいことを覚えなければならないのは大変ではあるのですが、その分、新しい目標ができてそれに向かって取り組んで達成していけるというフェーズが続くのがいいなと思っています。毎日いろんなことを学んでいけるのはとても良いことだと感じています。
あと、窓口でご相談に乗った方が、また別の機会に市役所を訪れた際に『あの時はありがとうございました』とお声がけいただくことが実際にあって。藤井寺市は大き過ぎないまちだからこそ、市民の方一人一人と向き合える環境があるんだなと実感します。
ー教育体制についても教えていただけますか?
配属された最初は、4年目の先輩が教育係として基礎的な事務を教えてくださり、わからないことはさらにその上のチーフに相談するという体制でした。OJTで一つひとつ仕事を積み重ねていく形ですね。
担当が変わるときも、上の方がきちんと引き継いで教えてくださるので、多少の不安がある中でもポジティブに取り組めています。

20代・30代だけの課。若手が集まる職場のリアル
ー職場の雰囲気を教えてください。
こども育成課はかなりコミュニケーションが活発で、課長以外の正規職員7名が30代3名・20代4名という構成です。市役所の中でもかなり珍しい年齢構成だと思います。年代が近いので共通の話題が多くて、地元が近い方も多いこともあり、和気あいあいとした雰囲気ですね。
事務職の同期とも仲が良くて、プライベートでご飯に行くこともあります。それと、藤井寺市には『3期会』という懇親会があって、3年目以下の職員が集まって交流を深める会が毎年開催されています。私が1年目のときも2年目・3年目の先輩方と一緒に交流させてもらいました。
ーお休みの取りやすさや残業状況はいかがですか?
年次有給休暇は年20日付与され、また、年次有給休暇とは別に夏期休暇が7月から9月の間に6日間付与されます。昨年・一昨年の担当内の状況でいうと、皆さん夏期休暇を使い切っていました。
繁忙期は児童手当の資格確認の時期にあたる6月から8月・9月ごろと、物価高対応の給付金事務のような突発的な事務が発生した場合に残業が増えることがありますが、それ以外は比較的落ち着いています。

小さなまちだから、一人ひとりと向き合える。藤井寺市を目指す方へ
ー最後に、藤井寺市を志望している方へメッセージをお願いします。
藤井寺市はかなり小さい市町村ではあるのですが、だからこその良さが確かにあると思っています。窓口でご相談に乗らせていただいた方が、また別の機会に市役所を訪れた時に声をかけてくださる。そういう市民の方との距離の近さは、大きな自治体ではなかなか経験できないことだと感じています。
いろんな人と向き合って、いろんな経験をしてみたいという方は、ぜひ一緒にお仕事できたらいいなと思っています。

ー本日はありがとうございました。
児童手当の支給事務は決して華やかな仕事ではないかもしれませんが、一件のエラーを解消できなければ子育て世帯に手当が届かなくなる責任ある仕事です。「市民の方一人ひとりと向き合える」という言葉の重みは、その業務の細かさと丁寧さの積み重ねの中にあるのだと感じました。
藤井寺市でのキャリアを考えている方には、ぜひその「小さなまちだからこそ」の意味を感じてもらえたらと思います。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年6月取材)



