
岩手県一関市は、令和7年7月22日から職員採用試験(後期試験)の募集受付を開始しています。
今回は、そんな一関市で採用担当を担っている千葉さんにお話を伺いました。
一関市の採用試験の特徴などについてはもちろんですが、採用担当者として、選考全般や面接試験に向けてのワンポイントアドバイスなどもいただきました。
「準備しすぎないこと」も大切だという意外なポイントなど、受験を控える方が気になるお話をお届けします。
ー令和7年7月から募集を開始している職員採用試験について、その特徴などを教えてください。
千葉:今回も事務職を中心に、高卒、大卒、そして社会人経験者と、幅広い区分で募集を行います。一関市では、主に前期と後期の年2回採用試験を実施しており、今回は後期試験の募集となります。前期試験では、主に大卒向けの職種を募集していましたが、後期試験では、大卒だけでなく高卒についても募集を行うのが特徴です。
ー職員を募集するにあたり、一関市ではどのような人材を求めているのでしょうか?
千葉:公務員というと堅いイメージがあるかもしれません。基本的な能力はもちろんある程度必要ですが、私たちが今、なによりも重視しているのは「コミュニケーション能力」です。コロナ禍や情報化社会の影響で、人と直接つながらなくても物事が進むようになりました。
しかし、公務員の仕事は福祉、教育、まちづくりと本当に多岐にわたります。様々な立場の方々と対話し、協力しながら仕事を進める力が不可欠なんです。人と人とのつながりを大切にできる方と一緒に働きたいですね。
ーエントリーシートや面接では、どのような点をアピールしてほしいですか?
千葉:よく「サークルの部長でした」「役職経験があります」といったアピールを多く見かけます。もちろん素晴らしい経験ですが、私たちが知りたいのは役職についていたことだけではなく、「その立場で何を感じ、どう行動したか」です。
なので、決して「部長」といった役職での経験でなくてもいいんです。一人のメンバーとしてでも構いませんので、自分の立場でどのような課題や困難があり、それをどう乗り越えたのかといった話を聞いてみたいですね。
新卒の方であれば、学校生活の中で苦労したことや壁にぶつかった時に、どう考え、行動したのかというプロセスをぜひ具体的に教えてください。
社会人経験者の方であれば、これまでに経験した仕事内容と絡めて、そういった深いお話を聞かせていただきたいです。
ー確かに「役職」をPRしなくてはと考えている方は多いかもしれないですね。志望動機の書き方についても、何か受験生にアドバイスはありますか?
千葉:志望動機についても、よく見られる内容として「自然が豊か」「人が温かい」といった理由を挙げる方が多いです。もちろんそれも魅力の一つですが、もう一歩踏み込んで、ご自身の経験や体験と結びつけ、「一関市で具体的に何をしたいのか」というイメージを伝えてもらえると、私たちの心に響きます。
ただ、色々と調べすぎて変に格好つける必要はありません。検索したことだけを並べた志望動機には、その人の想いや気持ちは詰まっていないですよね。正直に、素直に表現していただくのが一番良いと思います。
ー率直に伝えることが大切なのですね。面接についてもお聞きしたいのですが、一関市の、面接試験はどのような雰囲気なのでしょうか?
千葉:オンラインを取り入れた採用試験も一般的になってきましたが、私たちが大切にしているのは対面での対話です。やはり直接会って話すことで伝わるものがあると思いますし、実際に面接のために来ていただき、一関市の雰囲気や働くイメージを感じ取ってもらいたいと考えています。
私達採用担当者も、少しでも受験者の皆さんにリラックスしてもらいたいと思い、試験前の待ち時間では何気ない会話をさせていただくように心がけています。実際、受験された方からは「リラックスして臨めた」「面接もアットホームだった」という声を多くいただいています。
面接に緊張はつきものですが、是非力を入れすぎずに臨んでいただければと思います。
ーちなみにですが、面接に向けてはどのような準備をお勧めしますか?
千葉:最近の受験生は皆さん本当によく準備されていて、面接慣れしている方が多い印象です。
ただ、ノートに書いて暗記してきたことを話すだけでは、その人の本質や本音は面接官には伝わらないものです。そのため、実際の面接では、あえて少し意表を突くような質問を投げかけることもあります。そこで慌てずに、自分の考えを自分の言葉で語れるかがポイントですね。
準備しすぎると、想定外の質問には答えられなくなってしまうものです。まずはじっくりと自己分析をして、どんな質問に対しても自分の考えを、自分の言葉で返せるような準備をしておくことをお勧めします。
ーその他、選考全般において何かアドバイスできることはありますか?
千葉:細かい点ですが、エントリーシートの文章の構成や言葉遣いがおかしかったりすると、やはり少し心配になりますね。エントリーシートは事前に準備できるものなので、少なくとも何回か読み直してみる、誤字脱字等は無くす、といったことはしておいて損はないと思います。
また、面接は対面なので、身だしなみも重要です。スーツやワイシャツのサイズが合っていなかったり、ネクタイが曲がっていたりと、合否に直接影響しないものだとしても、公務員は市民サービスを提供しているので、やはり印象の影響はとても大きいと思います。
ー千葉さんご自身は、民間企業も経験されていると伺いましたが、民間ではなく、一関市役所で働く魅力とは何でしょうか?
千葉:個人的な意見になりますが、民間企業との一番の違いは「扱う分野の広さ」ですね。民間が主に営利を目的としているのに対し、市役所の仕事は「地域のため」「人のため」という奉仕の心が基本にあります。
私も最初は分野の広さに戸惑いましたが、様々な仕事を経験させてもらう中で、自分自身の成長と地域貢献の実感がもてるようになってきました。この点にやりがいを感じられる人にとっては、まさに天職だと思います。
そしてもう一つ、一関市は実はとても住みやすいんです。宝島社の「2025年版『住みたい田舎ベストランキング』」では、人口10万人以上20万人以下のまちの部の総合部門で、東北1位、全国7位に選ばれました。
私も関東方面からUターンで戻ってきましたが、生活に必要なものやサービスが揃っており、子育て世帯や高齢者にも優しいまちだと感じています。

ー最後に、一関市職員を目指す方へメッセージをお願いします。
千葉:一関市は、熱意を持った方を心から歓迎します。新卒の方も、社会人経験者の方も、この記事を読んで少しでも興味をもっていただけたら嬉しいですね。
市のホームページやYoutube等で市の様々な情報を発信しているほか、職員採用については、オンライン説明会やインターンシップなど、実際に働く職員とお話いただける機会も数多く用意しています。
一関市のことやそこで働く職員のことをもっと知ってもらい、「なぜ一関市で働くのか」について答えを見つけていただきたいですね。
皆さんの熱い想いをぶつけてくれる日を楽しみにしています!

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年7月取材・編集)