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坂井市役所

 坂井市には多くの強みがあります。住みよい環境、人々の絆や繋がり、感謝と思いやりの心、歴史、自然、食文化など、非常に豊かであること。これは我々住む者としての財産であり、誇りとなるものです。  こうした本市の地域資源にますます磨きをかけ、この坂井市を笑顔と活気あふれるまちにするとともに、幸せと希望に満ちた坂井市を創っていくためには、職員が「チームさかい」として一丸となることが必要です。  坂井市の次なるステージに向け、「チームさかい」の一員として私たちと一緒に「明るく、元気に、前向きに」笑顔あふれる未来の坂井市を創りましょう。 坂井市長 池田 禎孝

「給料」よりも「時間」と「故郷」を選んだ。県への出向、タフな用地買収を経て辿り着いた、坂井市役所・土木職のリアルな働きがい

坂井市役所

2026/03/12

福井県坂井市役所、建設部建設課で働く酒井さんのインタビュー記事です。埼玉県の大学で土木を学び、Uターン就職で入庁して13年目。公園、下水道、道路とインフラ整備の最前線を歩んできた彼が語る、公務員土木職の真実とは。

 

県への派遣で経験した「用地買収」というタフな交渉業務、若手職員への指導方針、そして民間企業と比較した際の「給与と時間」のリアルなバランスについて、包み隠さず語っていただきました。

 

 


 

公園、下水道、そして県への出向。「交渉」に明け暮れた4年間

 

ーまずはこれまでの経緯と、坂井市役所に入庁したきっかけを教えてください。

 

酒井: 平成25年度に入庁し、今年で13年目になります。現在は建設部建設課で主査を務めています。 出身はここ坂井市です。大学は埼玉県の大学に進学し、土木工学科で専門的な勉強をしていました。

 

就職活動の際、ゼネコンや建設コンサルタント、鉄道会社など様々な選択肢がありましたが、やはり「地元で働きたい」という思いが一番強かったですね。慣れ親しんだ土地で腰を据えて働きたいと考え、一番身近な坂井市役所を選びました。

 

ーこれまでのキャリアについて教えてください。

 

酒井: 最初は都市計画課に配属され、3年間公園の維持管理などを担当しました。その後、上下水道課へ異動し、4年間下水道の整備工事や維持管理に携わりました。 その後、現在の建設課に異動になったのですが、1年経ったところで福井県への派遣が決まりました。


 

ー県への派遣は想定されていたのですか?

 

酒井: いえ、全くの想定外でした(笑)。建設課に来てたった1年だったので、「まさか自分が」と面食らいましたね。 派遣先は坂井市三国町にある「三国土木事務所」で、場所自体は市内なのですが、業務内容がガラリと変わりました。

 

それまでは工事の設計や監督がメインでしたが、県では4年間ずっと「用地買収」の仕事を担当しました。

 

ー技術職の酒井さんが、用地買収という「交渉」の仕事をされたのですね。

 

酒井: そうなんです。新しい道路を作るために必要な土地を、地権者の方にお願いして売っていただく仕事です。 土木の図面を引くのとは全く違い、業務の8割9割が「交渉」でした。玄関先で門前払いを食らったり、厳しい言葉を投げかけられたりすることも日常茶飯事でした。

 

「帰れ!」と言われることもありましたが、そこは粘り強く通い続けるしかありません。 ただ、土木の知識があったことは強みになりました。図面を見せながら「なぜここに道路が必要なのか」「どういう構造になるのか」を技術的な視点から説明できたので、そこは地権者の方の理解を得る上で役に立ったと思います。

 

ー4年間の交渉業務を経て、ご自身の中で変化はありましたか?

 

酒井: メンタルは鍛えられましたね(笑)。何度も足を運ぶ、関係のない世間話から入って信頼関係を築く、そういった泥臭いプロセスの大切さを学びました。 現在、市役所の建設課に戻ってきましたが、道路工事をする際にも用地買収は発生します。

 

県での経験があるおかげで、スムーズに交渉を進められるようになりましたし、図面を引く段階から「用地の取りやすさ」も意識できるようになるなど、視野が広がったと感じています。

 

「見て覚えろ」はもう通用しない。若手を育てる「言語化」の重要性 

ー現在の職場の雰囲気について教えてください。

 

酒井: 今の建設課は非常に雰囲気が良いですね。威圧的な人もいないですし、相談しやすい環境が整っています。 年齢の近い職員も多いですし、何かトラブルが起きても一人で抱え込まず、周りに気軽に意見を求められる空気があります。

 

ー酒井さんは中堅として若手を指導する立場だと思いますが、心がけていることはありますか?

 

酒井: 「何のためにその作業をするのか」をしっかりと言語化して伝えるようにしています。 今の時代、土木職の志望者が減っていて、必ずしも土木の専門知識を完璧に持っている子ばかりが入ってくるわけではありません。

 

現場で測量一つするにしても、「とりあえずやれ」ではなく、「この測量は工事のこの基準を決めるために必要なんだよ」と、背景や目的から丁寧に教えることを意識しています。 自分が当たり前だと思っていることでも、新人にとっては未知の世界ですから、そこを省略せずに伝えることが成長への近道だと思っています。

 

残業は少なめ、でも冬は、、、「ワークライフバランス」のリアル

 

ー働き方について詳しくお伺いします。建設課での残業やワークライフバランスはどうでしょうか?

 

酒井:通常業務における残業は少ないと思います。もちろん業務時間中は集中して仕事をしていますが、「残業続きで帰れない」といった状況はほとんどありません。定時で帰れる日も多く、プライベートの時間は確保しやすい環境です。

 

もちろん時期や部署によります。例えば、以前所属していた上下水道課時代は、大規模な工事の設計が重なったり、不慣れな業務があったりして残業が増える時期もありました。

 

ー季節による変動などはありますか?

 

酒井: はい、そこは坂井市ならではの事情で、やはり冬場の大雪の時期は忙しくなります。除雪業務の対応に追われることになるので、通常業務以外の対応が発生します。また、梅雨時期の大雨や台風などの災害時も緊急対応が必要です。 そういった「いざという時」の忙しさはありますが、裏を返せば、それ以外の平時は非常に安定していると言えます。

 

「給料」か「時間」か。民間企業と比較して選んだ、坂井市での生き方

 

ー土木職を目指す学生さんの中には、ゼネコンなどの民間企業と迷う方も多いと思います。ぶっちゃけた話、どう思われますか?

 

酒井:正直にお話しすると、お給料の面だけで見れば、民間企業の方が絶対に良いと思います(笑)。特に初任給や若いうちの収入を比べると、ゼネコンや建設コンサルタントの方が高いのが現実です。 「若いうちはバリバリ稼ぎたい」という人にとっては、公務員の給与体系は少し物足りなく感じるかもしれません。

 

ーそれでも酒井さんが公務員を選び、続けている理由は何ですか?

 

酒井: 「生活の安定」と「転勤がないこと」の価値が非常に大きいからです。市役所の職員であれば、基本的に転勤はありません。あったとしても市内の異動です。

 

 生まれ育った坂井市に腰を据えて、家のローンを組んだり、子育ての計画を立てたりと、長期的なライフプランが描きやすい。この「見通しの立ちやすさ」は、お金には代えがたいメリットだと感じています。

 

ー「地元に根付く」ということの価値ですね。

 

酒井: そうですね。あとは、仕事の成果がダイレクトに自分たちの生活圏に反映されるのも魅力です。

 

自分が担当して直した道路を、自分や家族が使う。市民の方から「道が綺麗になって助かったよ」と直接声をかけてもらえる。数字だけでは測れない、精神的な充足感や働きやすさがあると思っています。

 

地図に残り、記憶に残る。市民に一番近いエンジニアとして

 

 

ー坂井市で土木技師として働く「面白さ」はどんなところですか?

 

酒井: 坂井市は合併してできた市ということもあり、地形が非常にバリエーション豊かです。 海もあれば山もあり、広い平野もあります。山間部での工事と平地での工事ではやり方が違いますし、海沿いであれば「塩害対策」を施した構造物を作る必要があります。

 

同じ市内でも場所によって求められる技術や配慮が全く異なり、飽きることがありません。自治体によっては平地しかない、山しかないというところもありますが、坂井市は土木技師として幅広い経験が積めるフィールドだと思います。

 

ー最後に、これから坂井市役所を目指す方へメッセージをお願いします。

 

酒井: 公務員というと「お堅い」「デスクワークばかり」というイメージがあるかもしれませんが、土木職は現場に出て、市民や業者さんと話し、形あるものを作り上げるクリエイティブな仕事です。

 

給料面での派手さはないかもしれませんが、転勤がなく、地元に腰を据えて働ける環境は、長い人生を考えた時に大きな安心材料になります。 坂井市役所は、若手が活躍できるチャンスが多く、困った時は助け合える温かい職場です。「地元のために働きたい」「地図に残る仕事がしたい」という思いがある方は、ぜひ私たちと一緒に働きましょう。

 

ー本日はありがとうございました。

 

県への出向や用地買収という厳しい現場を経験してきたからこそ、地元・坂井市で腰を据えて働けることの価値を誰よりも理解されている酒井さん。地域の安全を守るための大変さはありますが、それ以外の日常におけるワークライフバランスの良さは、長く働き続ける上で何よりの魅力です。

 

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年12月取材)

 

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