奈良市役所子ども政策課で働く入庁3年目(インタビュー当時)の和田さんへのインタビュー記事です。香川県出身の和田さんが、地元ではなく奈良市役所を選んだ理由、子ども政策課での幅広い業務内容、そしてやりがい、働く上での魅力や課題、奈良市の魅力まで、多角的に語っていただきました。
ーご経歴を教えてください。
和田:もともとは香川県出身で、大学進学を機に奈良へ引っ越してきました。大学4年間、奈良で生活する中で、住み心地がとても良く、長く暮らしていきたいと考え就職先としても奈良を選びました。
地元へ帰ることも考えはしたのですが、本当の意味でひとり立ちして、人生を歩んでいくのが良い経験になるのではと考え奈良市役所を選びました。
―なぜ公務員を選ばれたのですか?
和田:もともと公務員志望で、基礎自治体でいくつか受けた形です。
県庁も考えたのですが、市民との距離が近く、自分の仕事が地域に根差していることを実感したいと思っていたので、市役所を選びました。
ーでは入庁してから、子ども政策課でどのようなお仕事をされているのですか?
和田:2年目から係が変わりまして、現在は子育て支援情報に関するPR活動、子どもたちが主体となって行う「子ども会議」の運営、子どもの権利に関する周知啓発活動、そして今年度から始まった「出会い・結婚支援事業」などを行っています。

ー婚活支援事業も含まれていて、かなり幅広いですね。
和田:はい、少しずつ業務に慣れていくに連れて業務が増え広がっている印象です。
ルーティン的で同じ業務もありましたが、「子ども」政策課という部署の特性上、少子化対策の一環として「出会い・結婚支援」も業務範囲に入ってきています。
ー新しい業務が増えてきているのですか?
和田:はい、新たな社会課題、時代の潮流も踏まえて、子どもの権利擁護事業や出会い・結婚支援など新しい取り組みが始まっていくことも多いですね。
ー例えば「子ども会議」はどのようなことをしているのですか?
和田:小学校5年生から高校3年生の子どもたちが主体となって会議を行い、自分たちの意見を市長と教育長に提案し、市政に反映していこうという事業です。
毎年夏休み期間中に6回程度の会議を開催しています。実際に子どもたちの意見が反映されたイベントを開催した年もあり、例えば、令和4年度は、子どもたちがどんな遊び場を望んでいるかというテーマで、子ども達の意見を反映した遊び場の企画・運営まで、子ども達自身が行いました。
子ども自身が意見を言う、意見表明権を大切にしようという取り組みで、今年度で10周年を迎えています。
ーでは、組織体制も教えていただけますか?
和田:係としては、私と係長、そして会計年度任用職員の3名です。人数が少ないため、何かに依らず全ての業務を広く同じ位の割合で関わっています。
定期的に係内で会議を開いていて、どの業務をいつしなければいけないか係長が整理してくれています。そのおかげで、多くの仕事を漏れなくタスク・スケジュール管理できていますね。
―大変なことはなんですか?
和田:同じ事業を継続していくとしても、何を踏襲し何を発展させていくか考えていくのは大変です。
例えば子ども会議は10年間継続していますが、意見表明の場をひろげてつくっていくべきではないかという意見もあります。あとは、子どもの権利の啓発活動についても、ある程度子どもの権利の認知度が上がった後、次のステップで何をするのか考えなければいけません。
これは常々考えていますが、どの事業もどのように発展させ内容をさらに良くするか、考え続けていくことは大変ではありますね。
やはり一過性の効果で終わるのは良くないですし、継続性と発展性を非常に重視していると思います。
ー業務を進める上で、やりがいを感じる点について教えてください。
和田:仕事自体は楽しみながらやっています。子ども分野に関わりたいという思いがもともとあり、この部署へ配属されたのもありがたかったです。
そのうえで、自分で考えた企画が実現できるのが非常に強いやりがいですね。例えば、子どもの権利に関する周知啓発活動について、漫画広告で行うという提案をしまして、令和7年度に事業を進めていく予定です。
あとは子ども会議についても、今年度はテーマが広すぎてまとめるのが大変であったため、来年度はテーマをしぼり関係部署と協力体制をとっていますが、順調に進んでおり周囲の評判も良いです。関係各所と連携をとりつつ、自分の考えが形になっていくのが嬉しいですし自信につながっています。
ー職場の雰囲気についてはいかがですか?
和田:楽しくわいわいと仕事しています。もちろん、集中するときは集中して、という環境ですが、基本的にはほどよくお話も楽しめる柔らかい雰囲気だと思います(笑)
そういった環境で色んな意見を言いやすいですし、わたしの提案に対して上司の方も、否定から入るのではなく、「こういう懸念点があるけど、どう思う?」と投げかけてくれます。そういった意味でも働きやすい環境です
ーワークライフバランスについてはいかがですか?
和田:残業がないとは言えず、必要に応じて行ってはいますが、プライベートが潰れるというほどではありません。
実は市役所内にはよさこいのダンスチーム「八重櫻」があり、私も所属しています。毎週火曜日の夜に2時間練習していますが、体も動かせて良いリフレッシュとなっています。
このチームは年齢や性別に関わらず、多くの職員が参加しています。チーム活動を通して、職員同士の交流が深まり、旅行へ行くなどプライベートな交流も生まれています。
毎年8月に奈良市でバサラ祭りというお祭りがあり、そこへ参加したり、他の地域でもイベントに参加するなど、奈良市の魅力を発信するPR活動にも繋げられていますね。
平日土日かかわらず、楽しい取り組みを職員の皆さんと一緒にできているのは非常に大きいやりがいになっていますね。

ー最後に、奈良での暮らしについても教えてください。
和田:奈良の人は非常に優しいです。人見知りしない人が多いというか、いつでも声をかけてくれる人当たりの良さをすごく感じますね。その点で、やはり住み心地も良い街だと思います。また、どこに行くにも便利で、静かで落ち着いている点も非常に気に入っています。奈良市は本当におすすめですよ!
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年2月取材)