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宇和島市病院局

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患者さんの「本音」を拾う仕事。宇和島病院の社会福祉士が語る、葛藤の先にある「ありがとう」の重み。

宇和島市病院局

2025/12/22

「医療機関のソーシャルワーカー」と聞いて、皆さんはどのようなイメージを抱くでしょうか。 「専門用語が飛び交う難しそうな職場」「最初から高度な知識がないと務まらない」……そんなハードルの高さを感じて、選択肢から外してしまう方もいるかもしれません。

実は、今回お話を伺った宇和島病院の清家さんも、かつては「病院という職場を避けていた」と語る一人でした。

急性期病院という、一分一秒を争う医療の現場。そこで患者さんの「暮らし」と「想い」をつなぐ架け橋として活躍しているのは、ケアマネジャーや児童福祉といった異業種から飛び込んだ二人の社会福祉士です。

患者さんの本音に向き合う日々と、温かい仲間に支えられた職場のリアルに迫ります。 「飛び込むなら今がチャンス」と語るお二人の言葉は、未経験から医療の世界へ挑戦する勇気をくれるはずです。

 


医療と生活の「橋渡し役」。急性期病院における社会福祉士の使命

ーまずは、お二人が宇和島病院でどのような業務を担当されているのか教えてください。

 

松森:私たちは「医事課地域連携係」に所属し、主に入院患者さんの入退院支援を行っています。宇和島病院は急性期病院なので、治療を終えて病状が安定したら、患者さんは退院を目指さなければなりません。

 

しかし、ご高齢の方や独居の方、身寄りのない方など、すぐに元の生活に戻るのが難しいケースも多々あります。そうした方々が安心して地域に戻れるよう、ご本人やご家族の相談に乗り、地域の行政やケアマネジャー、転院先の病院などと連携して調整を行うのが私たちの主な仕事です。

 

ーまさに医療と生活をつなぐ「橋渡し」のような役割ですね。

 

松森:そのとおりです。入院時だけでなく、外来通院中の方から相談を受けることもあります。内容は多岐にわたりますが、まずは患者さんが何に困っているのかを受け止め、解決に向けて院内外の関係機関と協力しながら支援していく、という点は共通しています。

 

清家:現在は5名の社会福祉士が在籍しており、それぞれが一般病棟を2つずつ担当しています。そんな中、私は外来担当として、病棟を持たずに幅広く相談を受けています。

 

ー5名体制というと、業務量としてはどのような感覚でしょうか?

 

松森:正直、余裕がある人数だとは言えないので、何とか今の人数で回しているという感覚はありますね(笑)

 

ただ、だからこそチーム内の連携は密にとっていますし、それぞれが責任を持って患者さんと向き合っています。

清家さん(左)と松森さん

病院は向いていないと思っていた。異業種からのUターンと、志望理由

ーお二人は、最初から病院勤務することを目指していたのですか?

 

松森:私は大学卒業後、県外の一般企業で働いていました。その後地元宇和島市に戻り、ケアマネジャーとして働いていた時期があります。

 

清家:私は元々県外で児童福祉関係の仕事をしていました。親から「そろそろ帰っておいで」と言われたことや年齢的な節目もあり、地元である宇和島にUターンしました。

 

実は…こんなことを言うとあれなんですが、私は「病院」という職場を避けていたんです(笑)

 

ーそれは意外ですね(笑)なぜ病院を避けていたのでしょうか?

 

清家:医療関係の仕事は専門性が高く、自分には向いていない、難しいだろうという先入観がすごくあったんです。なので、まさか自分が病院で働くことになるとは思っていませんでした。

 

地域連携係で働いている同級生がいるのですが、たまたま誘いがあって、「とりあえず受けてみようか」という気持ちで受験したところ、ご縁があって採用していただきました。何がきっかけとなるのかは、わからないものですよね。

 

ーお二人とも実際に入ってみて、前職の経験は活きていますか?

 

松森:すごく活きていると思います。私は市役所でケアマネジャーをしていたので、地域のケアマネジャーさんや行政の担当者の顔が浮かぶんです。同じ地域で働いていたということもありますが、「この件ならあの方に連絡すればスムーズだ」とか、「介護保険の手続きはこう流れる」というイメージがつかめているのは大きいです。

 

清家:私は児童福祉だったので分野は全く異なりますが、「ご家族との関係構築」という点では共通しています。

 

患者さんご本人だけでなく、ご家族がどう考えているのか、どう接すれば本音を話していただけるのか。そういった対人援助のベースとなる部分は、前職の経験が活きていると感じます。

 

患者さんの「本音」を受け止める。葛藤の先にある「ありがとう」

ー実際に働いてみて感じる「やりがい」について教えてください。印象に残っているエピソードはありますか?

 

松森:がん患者さんの支援などは特に印象に残りますね。患者さんは、医師との話では納得していても、時間が経つと「本当は家に帰りたい」「やっぱり転院したい」と気持ちが揺れ動くことがよくあります。

 

でも、それを医師に直接言うのはとても勇気がいるんです。そんな時、私たち相談員が間に入ることで本音を拾い上げることができます。

 

ー相談員として「本音の受け皿」になるわけですね。

 

松森:そうです。「家に帰りたいなら、在宅の準備をしましょう」と関係機関を調整し、ご本人の希望通りに自宅へ帰してあげることができた時や、ご家族から「悔いが残らない最期を迎えられました」と言っていただけた時は、この仕事をしていて良かったと心から思います。

 

清家:私も、患者さんやご家族から「ありがとう」と言われる瞬間が一番嬉しいですね。

 

一人暮らしで不安を抱えている患者さんに、「あんたがおってくれたけん、ここまで来れた」「どうしていいか分からんかったけど、助かった」と言葉をかけていただくと、人の役に立てたんだなと実感することができます。

ー逆に、大変だと感じる部分はありますか?

 

清家:やりがいが大きい反面、大変なこともたくさんあります。

 

一番はやはり「医療用語」ですね。最初はカルテを見ても何が書いてあるか全く分からなくて…。今でも勉強の毎日ですが、周りの看護師さんや先輩に助けられながら何とかやっています。

松森:急性期病院ならではのスピード感も大変ですね。退院までの期間が短いので、次から次へと依頼が来ます。状況を素早く把握して、ご家族や関係機関と調整し、退院につなげる。このサイクルの速さに慣れるまでは少し苦労しました。

 

また、医師の治療方針と、患者さん・ご家族の意向が食い違うこともあります。その間に挟まれて調整するのは、やはり難しさを感じる部分です。

 

福祉職は「優しい人」が多い? 支え合う温かい職場環境

ー職場の雰囲気について教えてください。忙しい中でも、働きやすさは感じますか?

 

松森:福祉に携わる人が多いからか、基本的に「優しい人」が多いですね。性格的にカッとなるような人はおらず、穏やかで話しやすい雰囲気です。

 

現在は女性スタッフが多いですが、男性の私でも居心地の悪さは感じません。医療的なことで分からないことがあっても、同じ室内にいる看護師さんがすぐに教えてくれますし、職種の垣根なく相談できる環境です。

 

ーお休みや残業についてはいかがでしょう?

 

松森:残業は「自分次第」というところも大きいですが、あっても1日1〜2時間程度で、定時で帰れる日も多いです。土日は基本的に休みですし、オンオフの切り替えはしやすいですね。

 

休暇についても、基本的にはお互いに調整して希望通りに取ることができます。小さなお子さんがいるスタッフも多いので、急な発熱などで休む場合も「お互い様」の精神でカバーし合っています。

 

ー子育て世代にとっても働きやすい環境なんですね。

 

松森:そう思います。私自身も小さい子どもがいるので、土日にしっかり休みが取れて、家族との時間を大切にできる今の働き方はとてもありがたいです。前職までの不規則な勤務と比べて、生活のサイクルが安定しました。

飛び込むなら「今」がチャンス。これからのキャリアと未来の仲間へ

ー最後に、社会福祉士を目指す方へメッセージをお願いします。

 

松森:病院には、市役所や施設とはまた違った「学び」があります。ここで得られる医療知識や地域の社会資源に関する情報は、自分自身の家族が困った時にも必ず役立つ一生モノの知識になります。

 

また、最近では市役所との人事交流も始まりました。今後は病院だけでなく、行政側の視点も学びながら、より幅広い視野を持ったスペシャリストを目指せる環境になっていくと思います。

 

清家:私も最初は不安だらけでしたが、周りのサポートのおかげで何とかやってこられました。「医療の知識がないから」と諦める必要はありません。

 

松森:そうですね。飛び込んでみれば周りが助けてくれますし、安定した環境でじっくりとキャリアを積むことができます。

 

食わず嫌いをせず、まずは飛び込んできてください。知識は後からついてきます。

 

私たちと一緒に、地域医療の現場で働いてみませんか?

ー本日はありがとうございました。

 

「気持ちが揺れ動いても、私たちなら受け止められる」。その言葉の頼もしさに、社会福祉士という職の大切さを実感しました。

急性期病院という、「治療」や「スピード」が最優先されがちな環境の中で、松森さんと清家さんはあくまで患者さんの「生活」や「心」に寄り添い続けています。お二人が紡ぐ言葉の端々から、忙しさの中にも決して失われない優しさと、チームで支え合う温かい空気感が伝わってきました。

医療と生活、病院と地域、そして患者さんの不安と安心。その間に立ち、見えない架け橋を架けるお二人の存在は、宇和島病院にとってなくてはならない「温かさ」なのだと感じた取材でした。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年11月取材)

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