「歴史的町並みの建物から最新の庁舎まで、いろんな建物に触れることができる」
そう語るのは、八女市役所財政課管財係で働く古賀さん。入庁後、伝統的建造物が残る町並みの保存・修理から、新庁舎の建設まで、幅広い建物に携わってきました。
同じ建築技術職として学校教育課施設係で働くのが松尾さん。小学校、中学校、義務教育学校の建物を、日々の小さな修繕から大規模な改修工事まで、幅広く支えています。
今回は、公務員として建築の仕事を志す方に向けて、お二人が歩んできたキャリアや、仕事のやりがい、八女市役所で働く魅力について、たっぷりとお話を伺いました。
ものづくりへの憧れが導いた建築の道
ーまず、お二人がこれまで歩んでこられたキャリアについて聞かせてください。
古賀:八女市の出身で、福岡県内の高専の建築学科を卒業しました。小さい頃から工作が好きで、小学生の頃から高専に進みたいと考えていたんです。実家が建築塗装業を営んでいたこともあり、建物と接する機会が多かったため自然と建築の道を選びました。
高専卒業後は建設会社に就職し、工場や福祉施設の建設工事の現場監督を1年ほど担当しました。その後、実家の建築塗装会社での営業・工事管理を経て、26歳の頃に一級建築士資格を取得したタイミングで八女市役所を受験し、入庁しました。
松尾:私も八女市出身で、建築の専門学校を卒業後、県内の積算事務所に4年間勤務し、ショッピングモールやマンションの見積もりを担当しました。その後は住宅会社に9年間勤務し、戸建て住宅の見積もりを担当。二級建築士の資格は、住宅会社に勤務しながら、27歳のときに取得しました。
建築の道を志したきっかけは、父親が大工だったことです。幼い頃から現場について行くことがあり、その姿を見て自分も建築関係に進みたいと思うようになりました。
ー民間企業でお勤めのあと、公務員を目指した理由について教えてください。
松尾:前職は福岡市内が勤務先でした。福岡市もとても魅力的な場所ではあったのですが、地元の八女が恋しくなり、地元の人と関わりながら働きたいという思いがだんだん強くなったんです。
ちょうど市役所の募集があったこともあり、「自然の豊かさ」と「人の温かさ」という八女の魅力にも惹かれて、転職を決意しました。
古賀:一級建築士の資格を取得したことや結婚など、いろいろなタイミングが重なって八女市を受験しました。「八女には住んでいたい」と思っていましたし、長く働いていくうえで、休暇が取りやすく、福利厚生が充実していることも後押しになりましたね。

歴史的町並みを守り、新庁舎を形にする。八女市役所・建築職のキャリア
ー入庁後は、どのようなお仕事をされてきたのでしょうか。
古賀:入庁後は商工観光課に配属となり、市役所の近くにある伝統的町並みの保存修理を担当しました。その後、業務を引き継ぎながら都市計画課、地域振興課、定住対策課へと部署は変わりましたが、専門職として12年間、同じ業務を一貫して担当しました。
その後は新庁舎建設課へ異動し、設計段階から4年間在籍しました。設計事務所や建設会社との打ち合わせのほか、工事期間中の来庁者駐車場の調整、家具や案内サインの検討、旧庁舎の敷地内にあったケヤキやセンダンの木を活用した家具づくりなど、幅広い業務を担当しました。
現在は財政課管財係で2年目。本庁舎の建物の他、空調設備や給排水設備、消防設備等の施設管理を担当しています。また、今年度からは他部署から発注する工事の発注支援業務が増えましたので、様々な部署と協力しながら、業務に取り組んでいます。

松尾:平成28年に八女市役所に入庁してから、学校教育課施設係一筋で11年目を迎えます。小学校、中学校、義務教育学校の建物の維持管理を担当しており、プールの改修工事や外壁の塗装、校舎内部の改修といった大規模な工事から、扉の開閉不良や設備の不具合などの小規模修繕まで幅広く対応しています。
また、工事や修繕に関する専門的な業務だけでなく、書類の作成・管理、予算の適切な運用、問い合わせ対応や窓口業務といった一般事務も担当しています。

ーこの仕事ならではのやりがいや面白さについて教えてください。
松尾:自分が関わった工事が完成して、それを利用する子どもたちや先生方の笑顔を見たり、喜びの声をいただいた時に、一番やりがいを感じます。
以前、ある小学校のトイレの改修工事を担当したのですが、実はその学校にいとこの子どもが通っていて、あとから「すごく綺麗になってた」と言ってくれたときは本当にうれしかったですね。
古賀:仕事が形に残ることがやりがいです。利用者の方から「市役所、便利になったね」という声をもらえたときはうれしいですね。
新庁舎は造りがシンプルになって、旧庁舎で多かった庁舎内で迷う方もほとんどいらっしゃらなくなりました。夏休みには、多くの学生さんが新庁舎の談話スペースで勉強する姿をよく見かけるんですけど、そのスペースの家具製作は私が市内の家具屋さんと一緒に取り組んだものです。この家具には、市役所の敷地内に植栽されていたケヤキ・センダン・クス、あと八女で育ったスギの木を利用しています。

風通しのいい職場と、無理のない働き方
ー職場の雰囲気について教えてください。
古賀:風通しがよくて、同僚にも上司にも何でも相談しやすい雰囲気です。管財係は4人体制で、建築職は私と係長の2人。業務の話しはもちろんですが、他愛もない雑談やプライベートの話も気軽に交わし合えるような、明るい雰囲気の職場です。
松尾:学校教育課も困ったことや悩みごとは相談しやすいですし、相談しなくても、困っている様子を見たら声をかけてもらえる雰囲気があります。仕事中はそれぞれ黙々と集中して作業する時間が多いですね。
ー残業や休みの取りやすさについてはいかがですか。
古賀:基本的に残業はほとんどないですね。休日に出勤した分は、振替休日としてしっかり取得できています。エレベーターの点検は平日の夜間に行うこともあって、庁舎の計画的な停電点検は年に1回、休庁日に実施しています。
松尾:休みも非常に取りやすいですね。夏季休暇は6月から10月の間に5日間取得できて、ほとんどの職員が消化しています。あと、人事課からは年休の取得促進(夏季休暇+1月当たり年休を1日取得するプラスワン休暇)など、計画的に有給休暇を取るようにという全庁へのアナウンスがありますので、安心して休みを申請できています。
ー最後に、建築技術職を目指す方へメッセージをお願いします。
古賀:八女市役所の建築職の最大の魅力は、伝統建造物が残る町並みの保存・修理から、最新の技術を詰め込んだ新庁舎建設のような大規模なプロジェクトまで、本当に幅広く多様な建築物に直接携わることができる点です。
ものづくりが好きな方、建築のプロとして誇りを持って働きたい方、私たちと一緒に八女市の未来を建築していきましょう!
松尾:八女市がとにかく大好きな方、興味がある方はもちろんですが、「実はまだ八女市のことをあまりよく知らない」という方であっても全く心配はいりません。
少しでも建築の力で地域を支えたいという思いがあるなら、ぜひ気軽に八女市役所へ挑戦してみてください。皆さんと一緒に現場でお仕事ができる日を、心から楽しみにお待ちしております。

ー本日はありがとうございました。
古賀さんの町並みや新庁舎への思い入れ、松尾さんの学校施設への丁寧なまなざしから、それぞれが向き合ってきた建物への愛着が伝わってきた取材でした。
古い町並みを守ることも、新しい庁舎を建てることも、子どもたちの学校を維持することも、どれも地域の暮らしを支える仕事です。八女市役所の建築技術職には、そうした幅広い建物に携われる面白さがあります。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年7月取材)



