射水市役所で人事課職員として働く浦上さんのインタビュー記事です。民間企業で働いていた浦上さんは、世界的な金融危機を契機に公務員を志望。射水市役所に入庁後、様々な部署を経験し、現在は採用担当として活躍しています。人事の立場から風通しの良い職場環境やユニークな取り組み、そして何よりも「自分のためになる」という仕事への熱い思いを語っていただきました。
ーご経歴を教えてください。
浦上:元々は大学を出て射水市内の製造業の会社で2年ぐらい働き退職、そこから公務員試験の勉強を始めて射水市役所へ入庁しました。
退職したのは、古い話になりますがリーマンショックの影響が大きいですね。そのときは週休4日になってしまって、将来への不安も非常に大きく、公務員は安定したイメージもあり、市役所を目指しました。
―入庁されてからのご経歴も教えてください。
浦上:入庁後の経歴は、課税課4年、学校教育課4年、市民病院医事課3年、未来創造課3年ときて、現在人事課1年目の15年目です。
ー幅広く経験されているんですね。
浦上:はい。最初に配属されたのは課税課で固定資産税を担当しました。その後は教育委員会や病院での事務業務、直近の未来創造課では広報の担当を行っていました。
―未来創造課ではどんな仕事をされていたんですか?
浦上:月1で発行される市報「広報いみず」の作成やSNSなどの配信を担当していました。あとは、珍しい取り組みとして、市の公式Vチューバー「いみず雫」のYouTubeチャンネルがあり、そちらの企画・運営などもやっていました。市が公式でVチューバーを運営している自治体は結構珍しいんですよ。月1回のYouTube配信の企画を考えたり、映像をチェックしたりとなかなか大変でしたが、とても面白い仕事でしたね。

ちなみに未来創造課時代に一番印象に残っていることは、自分が企画した「いみず雫」のYouTube動画が全国広報コンクールの映像部門で入選に輝いたことです。
全国広報コンクールで入選に輝いた「いみず雫」のYouTube動画
発信していく仕事というのは、今の人事採用業務にも繋がっていると思います。私が射水市役所の仕事を楽しいと思っているからこそ、その思いを応募者に伝えて射水市役所を選んでもらいたいです。
―現在の仕事はどういった体制なのですか?
浦上:人事課は全員で9人で、メインで採用担当をしているのは、私と係長の2人です。
―採用担当になってどのように仕事を行っていったのですか?
浦上:最初はまず何をしていいのかもわからず手探りでしたが、意外とすっと仕事に入っていけました。先ほどお伝えしたように、異動すればガラッと業務は変わるのですが、前の部署の経験やスキルは今に生きていると感じています。特に前の課の広報担当の経験は今の仕事にとても役立っています。
ー前の課の経験が生きているというのは素晴らしいですね。では、射水市での採用活動全般についても教えていただけますか?
浦上:令和6年度については、4月中に募集職種、定員、応募枠などを発表し、5月当初から応募受付を開始しました。5月末に締め切り、1次試験は6月中旬頃ですね。
ー1次試験はどのような内容でしょうか?
浦上:1次試験は、筆記試験です。筆記試験は、一部の専門職を除いて公務員試験特有の専門試験をなくしています。 公務員試験対策をがっつりしていない方でもチャレンジしやすい内容になっています。
また、社会人経験者枠も別途用意しています。そちらは全国のテストセンターで試験を受けることも可能ですので、より受験しやすい形です。
ーなるほど。受験しやすいように工夫されているんですね。
浦上:はい。1次面接は7月中旬頃からはじめるのですが、オンラインで行うことにしているのも県外に住む学生や民間経験者が受験しやすいように配慮しています。1次面接の面接官は主に人事課の職員が務めるので、私も面接官を担当しました。2次面接(最終試験)は8月中旬頃に、市長、副市長、教育長などの幹部による面接試験を行います。最終的な合否は9月上旬頃に発表されるというのが、大まかな本市の採用スケジュールです。
ーでは、射水市役所が求める人物像について教えてください。何かターゲットとなる人物像のようなものはあるのでしょうか?
浦上:はい。射水市では人材育成基本方針の中で、目指す職員像として「い・み・ずな職員」(いろいろな人と協力しながら みずから考え行動し ずっと進化し続ける職員)を掲げています。まさにこれが射水市役所の求める人物像を表現していると思います。
重要なことがギュッと詰まった職員像だと思っていて、自分自身もこんな職員でありたいと感じています。あと、この語呂合わせも気にいってます(笑)。

ー他に、制度や社風でのPRでポイントはありますか?
浦上:射水市役所は風通しが良い職場で、若手職員の意見も尊重されやすく何でも言い合える雰囲気があると感じています。
例えば、「煌めきミーティング」という制度があり、若手職員が市長とざっくばらんに会話しながら、日ごろ思っていることや提案を直接伝える場も設けられています。市長は若手職員の意見に耳を傾けてくれるので、そういったところが風通しがよい職場につながっていると思います。
あと、ワークライフバランス充実の取組として自治体の中でも珍しい早出遅出勤務制度を導入しています。この制度は、自分の都合で出勤時間を調整できる制度です。例えば、「歯医者に行きたいので16:30に帰りたいから朝ちょっと早く出てきて早く帰ろう」ということができる制度です。全体の勤務時間は変わりませんが、フレシキブルに働ける制度ですね。交代勤務以外のどの職員でも日単位で利用できます。
―働く環境については他にありますか?
浦上:庁舎が平成28年に新しくなり、きれいで環境がいいというものありますが、職員用の椅子などの備品も新しくなっていて非常に良いですね。他市町村から人事交流で射水市役所に派遣された方が、「あの椅子に座れなくなるのが寂しい」と言ってくれるほどで、職場の環境は他自治体に比べてかなりいいと思っています。
―ありがとうございます。あとは浦上さん個人としては、射水市役所についてどんなことをもっと伝えていきたいですか?
浦上:私としては、もっと市役所の仕事、その面白さややりがいを色んな人に知ってもらいたいと思っています。市役所の仕事は、地域のため、人のためになる仕事ですが、私はそれ以上に「自分のため」になる仕事だと感じています。
例えば、広報担当だった頃、初めて写真を本格的に撮るようになり、撮影のスキルが身につきました。その経験は私生活でも子どもの写真を撮ったりするときに役立っています。撮影スキルが身につくのは市役所の中でも少し特殊な仕事ですが、業務で身につく「知識」にも同じことが言えると思います。
市役所の仕事は「地域貢献」だけに意識を向けなくても、自分のためにもなる仕事だと感じられることが、面白さだと思います。
ーありがとうございます。「公務員は考えていない」という方にも、市役所の仕事の面白さを知ってもらいたいですよね。
浦上:そうですね。公務員は試験のハードルが高いと思われがちですし、そもそも公務員が職業の選択肢に入っていない人たちにも面白さを知ってもらって目指してもらいたいですね。市役所ならではの面白さでいうと、ちょっとネガティブに捉えられがちですが、全く違う部署への異動が3~4年ごとにあるということも、是非ポジティブに捉えてほしいです。
もちろん、新しい部署に異動すれば、1から仕事を覚えなければいけないので大変ですが、新しいことを勉強して身につけることで、自分の知識や経験として吸収され、自分の成長につがります。
異動によって、「全く別の仕事」と言っても過言ではないぐらい新しいことを経験できる面白さを、これから市役所を目指す方や若手職員には感じてほしいです。最初の異動の時は、私も戸惑いましたし、大変でした。でも、それも今となっては良い経験だったと思いますし、年齢を重ねるごとに異動にも慣れてきて、少しずつ楽になってきました。異動をネガティブに捉えてほしくない、というのが私の思いです。
ーでは最後に、求職者へメッセージをお願いします。
浦上:就職先としての射水市役所はあなたの人生を豊かにします!いろいろと大変なこともありますが、先輩職員が必ずサポートしてくれます!一緒に働けることを楽しみにしています!
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年1月取材)