富山県射水市役所で社会福祉士として働く細橋さんのインタビュー記事です。大学で福祉を学び、新卒で入庁した細橋さん。社会福祉士を目指したきっかけや、数ある自治体の中から射水市を選んだ理由、現在の仕事内容や職場の雰囲気、そして今後の目標について語っていただきました。
ーまず、簡単な自己紹介をお願いできますか?
細橋:令和6年4月に社会福祉士として入庁しました。愛知県の大学で社会福祉学を専攻し、社会福祉士資格を取得して入庁しました。
ーもともと社会福祉士志望だったんですね。
細橋:人と関わる仕事に魅力を感じ、福祉分野を選びました。大学時代は児童養護施設での実習などを通して、福祉の仕事の奥深さとやりがいを肌で感じ、社会福祉士への道を志すようになりました。
社会福祉士の仕事は、子どもだけでなく、障がいのある人や高齢者など、様々な支援を必要とする方々と関わる幅広い仕事です。その多様なニーズに対応できる専門職として、社会福祉士を目指しました。

ー大学は愛知県で学ばれていたとのことですが、就職先として地元である射水市を選ばれた理由は何だったのでしょうか?
細橋:大学4年生の時に、射水市内にある事業所で実習をさせていただく機会がありました。その時に、射水市では高齢者の方々が主体となって地域のサロン活動などを活発に行っていることを知りました。その活動を支えているのが射水市役所の地域福祉課であることを知りました。
地域の方々が生き生きと活動されている姿に感銘を受け、またそのような場を作っている射水市で私も働きたいと思うようになり、射水市役所を志望いたしました。
また、生まれ育った地域だからこそ、人々や地域の情報、これまでの繋がりを生かせるのではないかと期待しました。
ー公務員試験の勉強は大変でしたか?社会福祉士の国家試験の勉強と並行されていたのですよね?
細橋:社会福祉士の国家試験が2月だったので、両立は大変でした。大学4年生の4月から6月くらいまでは、どちらかというと公務員試験の勉強がメインでしたね。
ー射水市の試験はいかがでしたか?
細橋:筆記試験はマークシート方式で約60分だったと思います。手応えは…結構良かったと思います!(笑)
その後の面接も、そんなに堅苦しい雰囲気ではなくて、自分でも和やかな感じで話せたかなと思います。地元が射水市ということもあり、小学校時代のスポーツクラブの話など、個人的な話も交えながら、実習経験や射水市で社会福祉士として働きたいという思いをしっかりと伝えられたと思います。
ーでは、入庁されてから現在まで具体的にどのようなお仕事をされているか教えていただけますか。
細橋:地域福祉課では、在宅福祉や介護予防、認知症施策など高齢者に関する事業を担当しています。窓口での相談や電話での相談に応じたり、関係機関と連携したりといった業務です。
私は主に認知症に関する事業を担当しており、「認知症サポーター養成講座」などを企画・実施しています。
また、「思いを伝えるノート(射水市終活支援ノート)」の担当もしています。これは射水市が発行する、自分の情報や希望を書き留めておくノートで、毎年内容を検討し、より多くの市民に活用してもらえるようPR活動も行っています。例えば、コミュニティバスや広報いみずなどでノートの活用を普及しました。

ー相談業務だけでなく、事業の企画・運営や普及啓発など、多岐にわたるお仕事をされているのですね。社会福祉士として、専門性を生かせる場面は多いですか?
細橋:はい。射水市では、福祉職だけでなく、医療職(医師、薬剤師など)や介護職(ケアマネジャー、ヘルパーなど)といった様々な専門職の方々と連携する「多職種連携」に力を入れています。
例えば、研修会などでそういった他職種の方々と関わる機会が多くあります。1年目からそういった繋がりを持てるのはとても勉強になりますし、射水市ならではの魅力だと感じています。
また、社会福祉士は福祉に関する3つの課(地域福祉課、社会福祉課、こども福祉課)に配属されています。地域福祉課は主に高齢者分野、社会福祉課は主に障がい分野、こども福祉課は主に児童分野を担当していますが、各課で情報共有や連携を密に行っているため、相談業務などで困った際には、先輩社会福祉士や保健師、理学療法士といった専門職の方々に相談しやすい環境です。
ー多職種連携が進んでいて、庁内にも専門職の仲間がたくさんいるというのは心強いですね。1年目から主担当として事業を任されることもあるとのことですが、プレッシャーを感じることはありますか?
細橋:そうですね、1年目から自分が主担当として事業を任されるので、その責任感からプレッシャーを感じることはあります。正直、初めてのことばかりで大変だと感じることも多いです(笑)。
でも、困ったときには周りの先輩職員が「どうした?」と気軽に声をかけてくださいますし、アドバイスもたくさんいただけます。
ー周りのサポートがしっかりしているのですね。職場の雰囲気はいかがですか?
細橋:はい、とても良いです!専門職(社会福祉士、保健師、理学療法士)は窓口に近い席に固まって配置されているので、相談業務が多いということもありますが、それもあってか気軽に話しかけやすい雰囲気です。
お昼休憩の時間なども、皆さんで和気あいあいと会話していますし、仕事以外のプライベートな話もできるような、仲間意識の強い、温かい職場だと感じています。
ーワークライフバランスについてはいかがですか?
細橋:休みはすごく取りやすい課だと思います!1年目から夏休みもとれています。有給休暇も、自分が「ちょっと疲れてるな」と感じた時など、休みたいと思った日には気兼ねなく休むことができています。
皆さん、ちゃんと自分の仕事を責任感持ってやり遂げた上で、休みもしっかり取られているという印象です。
ー1年間働かれて、特にやりがいを感じた瞬間はどんな時でしたか?
細橋:窓口や電話で相談にのった際に、帰り際に「ありがとう」と言っていただけたり、「ちょっと話すだけで楽になったわ」といった言葉をいただいたりした時ですね。
あとは、その方の状況に合わせて、適切なサービスに繋げることができた時です。その方のために、自分が少しでも役に立てたのかな、と実感できた時は、とても嬉しく感じますし、やりがいを感じる瞬間です。
ー最後に、今後の目標を教えてください。
細橋:来年に向けては、様々な研修会に参加し、医師や薬剤師、ケアマネジャーなど、多職種の方々と繋がりを深め、経験値を高めたいです。
今はまだ1年目で、悩んだり困ったりしたときは先輩に相談して助けていただいてばかりなのですが、いずれは私も、地域の方々からはもちろん、市役所の他の職員からも「社会福祉士のことなら細橋さんに相談しよう」と頼られるような存在になりたいと思っています!
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年3月取材)