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射水市役所

「いいとこ、いいもの、ギュギュッと!射水」 射水市は富山県のほぼ中央に位置し、海や河川、丘陵に囲まれた自然豊かなまちです。 半径約7kmとコンパクトな市域も特徴で、名所などの「いいとこ」と海の幸・里山の幸などの「いいもの」がギュギュッと詰まった住みよいまちとして発展してきました。 また、「子育てするなら射水市で」をキャッチフレーズに掲げ、切れ目のない充実した子育て支援を実施しており、子育て世代からも選ばれています。 これまで以上に未来世代から選ばれるまちを創り上げるために、一緒に働きませんか? まちづくりの主役は、このサイトを見ている「あなた」です!

「公務員こそ、クリエイティブで面白い」。元金融業界の職員が挑む、射水市の公共施設改革と“枠を超える”働き方

射水市役所

2026/03/09

富山県射水市役所、公共施設マネジメント推進課で働く夏野さんのインタビュー記事です。証券会社での勤務を経て「経験者枠」の一期生として入庁。現在は市の大きな課題である「公共施設の維持管理・再編」の最前線に立っています。

                                        

 「椅子に座っていられないほど忙しい」現場を救った包括管理委託の導入や、民間提案制度によるLED化の推進など、前例にとらわれない発想で改革を進める夏野さん。「公務員は面白い」と語るその熱意の源泉と、ダイナミックな仕事の裏側に迫りました。

 


金融業界から市役所へ。「安定」のイメージを覆した現場のリアル

 

―まずはこれまでのご経歴と、射水市役所に入庁されたきっかけを教えてください。

 

夏野: 出身は隣、石川県です。大学卒業後は金沢の証券会社に就職し、営業として働いていました。 転機となったのは結婚と出産です。夫の住む射水市に引っ越してきたのですが、子育てとの両立が難しく、ちょうど射水市役所が初めて「社会人経験者枠」の募集を開始したので応募し、平成24年度に入庁しました。今年で13年目になります。

 

―入庁後はどのような業務を経験されましたか?

 

夏野: 最初は長寿介護課(当時)や地域福祉課で高齢者福祉を担当し、その後、商工企業立地課へ異動しました。 福祉の現場では、介護認定業務や高齢者福祉施策などを担当し、行政が担うセーフティーネットの重要さと大変さを痛感しました。

 

一方で商工企業立地課では、創業支援や商店街の活性化などを担当したのですが、私の前職である金融の知識が少し活かせるところもあり、仕事の面白さに目覚めた時期でもありました。

 

特に力を入れたのが「創業カフェ」です。これからお店を始めたいけれど、誰に相談していいか分からないという孤独な創業者を支援したくて。予算はほとんどなかったのですが、先輩創業者のお店を借りて、実際に創業したい人とその相談先となる銀行や商工会議所・商工会も巻き込んで、月に1回、「創業」に対する悩みを共有する場を作りました。

 

この場所によって、いろんなところに相談しやすくなったり、もしかしたら創業者同士でコラボもできるかもしれないワクワクする場所になったらいいなと思って。

 

最初は手探りでしたが、保証協会の方も参加されて、人と人が繋がっていくダイナミズムを感じて、「公務員でもこんなに自由に動けるんだ」とワクワクしたのを覚えています。

 

「椅子に座っていられない」。現場の声から始まった「包括管理」への挑戦

 

―そこから異動されて公共施設マネジメント推進班へ移られたんですね。具体的にどのような課題に取り組む部署だったのでしょうか?

 

夏野:老朽化する公共施設の安全性を保ちつつ、財政的な影響力も大きい施設の改修・再編に注力する部署(公共施設マネジメント推進班)が新設され、そこに異動となりました。

当時の射水市は、合併から時間が経ち、保有する公共施設が一斉に老朽化を迎えていました。このままではいつ誰かが怪我をするかもしれないし、現場の職員も対応に奔走しており、とても疲弊していました。

 

特に学校や保育園の担当者は、席に座った途端に「エアコンが壊れた」「雨漏りした」と電話が鳴り、現場に呼び出され、業者手配や予算のやり繰りに奔走する日々でした。本来やるべき教育や保育の業務に手が回らないほど、施設管理に忙殺されていたんです。

 

―それは大変な状況ですね。そこで導入されたのが「包括管理業務委託」ですね。

 

夏野: はい。これは、施設の点検や修繕といった管理業務を、一括して民間のプロにお任せする仕組みです。 導入にあたっては、まず現場の負担を可視化することから始めました。調査の結果、職員が施設管理に費やしている時間は年間で「8,669時間」にも上ることが分かりました。これをプロに任せれば、職員は本来のコア業務に集中できるし、施設も安全に管理できる。そう訴えて導入を進めました。

 

また、そうした施策が今の射水市には絶対に必要だと考え、現場に合った形で導入しようとした上司の存在も大きかったです。先陣を切って未知なる道を行く上司の背中には、この人についていかなければならないと思わせる気迫がありました。

 

 

―新しい仕組みを入れることへの抵抗や苦労はありませんでしたか?

 

夏野:周辺地域では初めてとなる取組で、受けてくれる民間事業者が本当にいるのかといった市場性も分からず、準備期間も実質1年弱しかなかったため非常に大変でした(笑)。現場も忙しいですし、市内事業者さんからの意見もあります。

 

施設の現場や施設所管課には「面倒な作業は全部やるから」とお願いし、事業者さんには一社一社回って丁寧に事業内容を説明して回りました。私は現場と民間事業者とをつなぐ「橋渡し」的な役割に徹しました。

 

―導入後の効果はいかがですか?

 

夏野: 劇的に変わりました。現場の職員からは「ようやく座って仕事ができるようになった」と感謝されています(笑)。 こういった感謝の言葉をいただいたときは、めちゃくちゃうれしかったですね。修繕件数も導入前の年間450件程度から、導入後は2,000件前後に増え、所管課ごとにバラバラであった仕様が統一されたり、より効率的な予算執行ができるようになりました。

 

これは、プロの目による巡回点検で小さな不具合も早期に発見し、スピーディーに直せるようになったからです。これまでは壊れてから直す「事後保全」ばかりでしたが、計画的に直していく「予防保全」への転換が進み、市民の方にも安全安心な環境を提供できるようになりました。

 

(※この取り組みは(一社)日本ファシリティマネジメント協会が主催するJFMA賞の優秀FM賞を受賞しています)

参照:https://www.jfma.or.jp/award/page1.html

 

 

LED化率を一気に6割へ。民間提案制度が拓いた「新しい景色」

 

―包括管理と同時に、「民間提案制度」も導入されたと伺いました。

 

夏野: はい。これは「行政だけでは思いつかないアイデアを、民間から募集しよう」という制度です。

 

これは本当に多くの事例が生まれました。

  • 施設所管課を横断した公共施設のLED化による電気代の削減
  • 小中学校体育館の「学校開放事業」の鍵管理に「スマートロック」を導入することでの利便性向上
  • 市営駐車場での「カーシェア」導入による観光客等の利便性向上
  • 使われていなかった土地を売却し、学生向けのアパートと子ども食堂が一体になった多世代交流拠点として活用

などです。

 

―素晴らしい成果ですね。

 

夏野: 民間の方々のアイデアは本当に刺激的です。ただ、行政側もそれを受け入れる土壌が必要です。 最近では、商工会議所の青年部の方々と一緒に勉強会も開催しています。「公共施設ってこんな風に使ってもいいんだ!」と、お互いに頭を柔らかくしながら、自分たちの強みをどう活かせるか議論しています。

 

行政職員はどうしても前例踏襲になりがちですが、民間の方と交わることで「新しい景色」が見えてくるのが面白いですね。

 

「岡山に行くなら鹿児島も行ける」。あふれる好奇心と組織のサポート

 

―夏野さんはプライベートでも、先進地の視察に行かれているそうですね。

 

夏野: はい(笑)。先日も休暇を取って、岩手県のオガールに行ってきました。「オガール」は公民連携の聖地のような場所なんです。

 

公共施設マネジメント推進課に来て、実は「都市経営プロフェッショナルスクール」というところに2年間通わせていただきまして。そこで、全国のまちづくりに関わる講師陣や熱い思いを持った公務員、民間の方々と繋がることができ、「もっと知りたい、見てみたい」という欲求が止まらなくなってしまったんです。

 

小さくてもいいから「自分が動く」ことで変わる未来を知ったこと、そして全国に相談できる仲間が出来たことは、私にとって非常に大きな財産です。

 

そしてそれは、その際に出会った、高校生の頃から会社を立ち上げてまちづくりを最前線で実践しておられる木下斉さんに「行動は移動距離に比例する」(=自分で動いて現場に行き、人に会い、見て回る人ほど具体的な結果(行動・成果)を出せる)と言われたことが大きな要因になっています。

都市経営プロフェッショナルスクール

 

―そうやって全国をまわっているんですね。

 

夏野: そうなんです。先日も、岡山県の市町村振興協会に呼んでいただいて射水市の取組を紹介する機会があったのですが、「せっかく岡山まで行くなら、鹿児島まで行けるんじゃない?」と思いついてしまって。 以前セミナーで聞いて気になっていた、鹿児島県の廃校を活用したホテルを実際に自分の目で見て、「校長室に泊まる」体験をしてきました。周りからは呆れられるほどですが、思い立った時に行かないと見られない景色があると思うので。

 

鹿児島の廃校を利用したホテル

―素晴らしい行動力ですね!周りの人はどう見ているのですか。

 

夏野: 最初は一人で動いていたのですが、「次はどこ行くの?」「私も行ってみたい」と言ってくれる若手職員が増えてきました。それならちゃんと予算を取って行っておいでと後押ししてくれた上司のおかげで、様々な関係部署の方々と庁内横断的な視察も行っています。

 

異なる部署のメンバーと庁内横断的に実施している視察の様子

普段は違う部署で働いている職員同士が、同じ景色を見て「うちの市ならどうする?」と語り合う。そういう場(=「共通言語」で話せる機会)を作れたことは、私にとって大きな喜びです。 やっぱり、一人で走り続けるのはしんどいですから(笑)。同じマインドを持つ仲間を増やして、組織全体でレベルアップしていけたらいいなと思っています。

 

そして、私の上司も奔放な私の意図をよく酌んでくださり、適切なアドバイスと、猪突猛進してしまう部分をうまくコントロールしてくださっています。

 

行政の体質として「変わりたくない」意向が強い部分がありますが、時代の変化に応じて変わっていかなければならない必要性・重要性を共感してくれています。

 

私がこれまでやってこれたことは、理解してくださる上司や仲間に恵まれたことからです。このように、非常に「人」に恵まれている職場です。

 

それは、私のような職員が実は射水市役所にはもっとたくさんいることからも明らかです。みなさん謙虚だから(笑)、自分からは何も言わないのかもしれないけれど、最近は民間事業者さんから「射水市は何だか新しいことをやっているね!」と言われることも増えてきました。

 

公務員は「クリエイティブ」な仕事。制度を作る側に回れる面白さ

 

―夏野さんが感じる、この仕事の「醍醐味」は何でしょうか?

 

夏野: 公務員って、実はすごくクリエイティブで面白い仕事だと思います。

 世の中のルールや制度、規制を作ることもできれば、緩和することもできる。民間企業がどうしても手を出せない領域で、活躍するための「土台」を作ることができるのが、行政にしかできない分野で行政の一番の魅力です。

 

公共施設マネジメントも、単に建物を壊す・直すだけでなく、「この場所をどう使えばまちが面白くなるか」をデザインする仕事だと思います。民間事業者のアイデアと行政の制度設計を掛け合わせることで、まちの風景を変えることができる。そこに大きなやりがいを感じています。

 

それは、私たちには、まちを次世代の子どもたちにつないでいく使命があります。何より、自分の子どもたちに負債ばかりを残したくはありません。

 

―最後に、射水市役所への入庁を考えている方へメッセージをお願いします。

 

夏野: 射水市は、私のようなちょっと変わった職員(笑)が自由に動くことを許容してくれる、懐の深い組織です。副市長をはじめ、上層部も新しい挑戦を応援してくれます。

 

「何かやってみたい」「街を良くしたい」という熱い思いがある方なら、きっと楽しめるフィールドがあるはずです。 また、私のように民間企業での経験がある方も大歓迎です。外の世界を知っているからこそできる提案や、フラットな視点が、これからの行政には絶対に必要です。 ぜひ一緒に、面白い射水市を作っていきましょう!

 

―本日はありがとうございました。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年2月取材)

 

「岡山まで行くなら、鹿児島も行ける」。サラリと言っていましたが、まさに夏野さんの規格外のバイタリティが集約された言葉でした。

 

「安定」を求めて入庁したはずが、いつの間にか誰よりも熱く、泥臭く、そして楽しそうに街のために奔走している。彼女のこうした行動力と信念に追従し一緒に働く職員も増えているとのことで、これから射水市役所を考える方にとって、面白い一例になると思います。

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