「仕事を休んで祭りに行く人もいるくらい、熱量の高さに驚きました」
そう語るのは、射水市役所こども福祉課で働く入庁3年目の石﨑さんです。
富山県南西部の出身で、射水市とは縁もゆかりもなかった石﨑さん。配属されたこども福祉課では、3年間で3つの異なる業務を経験しています。今回は、なぜ射水市を選んだのか、そしてこども福祉課での3年間について、たっぷりとお話を伺いました。

両親の姿を見て育った公務員志望。受験先に選んだのは「何も知らないまち射水」
―公務員を目指したきっかけを教えてください。
石﨑:もともと大学生になるときから地方公務員になりたいと思っていました。両親が2人とも地方公務員で、職員として働く姿を見て育ったことが一番大きいです。
―地元ではない射水市はそもそもどうして受験されたのですか。
石﨑:正直なところ、試験科目の違いが大きくて、専門試験がない自治体だったということと、通える場所だったからです。あとは、ざっくりとしていますが、射水市には勢いを感じていました。子育て支援を頑張っているとか、財政的にもしっかりしているとか、あくまで学生時代の印象でしかなかったのですが…。
そのまま、ご縁があり入庁し現在に至る、という経緯です(笑)。
1年目は広報、2年目は児童館、3年目はひとり親家庭の担当。
―配属されて、様々な業務を経験されたとお聞きしました。
石﨑:はい、こども福祉課で3年目を迎えるのですが、毎年異なる業務を経験しています。1年目のメインの仕事は広報で、子育て情報誌の作成やInstagramの投稿を担当していました。2年目になると児童館と子ども医療費助成の担当になり、会計年度任用職員の採用なども担当しました。現在3年目は、ひとり親の方々の支援の担当として、ひとり親家庭の医療費や手当の支給業務をしています。
ジョブローテーションという形で、様々な業務を経験させていただきました。
―1年目の広報業務では、具体的にどのような仕事をされていたのでしょうか。
石﨑:子育て家庭向けの情報誌と、子育てガイドという冊子を作っていました。情報誌は年2回、子育てガイドは年1回の発行で、Instagramも毎月1投稿を目標に発信していました。
担当は基本的に自分一人で、写真の撮り方やInstagramの投稿の仕方は、隣にいた前任の先輩に相談しながら手探りで進めていました。少しずつうまく投稿できるようになってきた実感があり、例えば、射水市ならではの、市内の小学校の「カニ給食」の投稿などは、写真がうまく撮れたと感じている回です。

想像より「和気あいあい」だった職場。課を超えたコミュニケーションの多さ
―3年間の中で、特に大変だったと感じる出来事はありますか。
石﨑:こども福祉課の業務ではないのですが、富山県は大雪が降ることがあり、交通が麻痺するほどのドカ雪のときに、除雪対応の当番として休日に電話対応をした経験です。家から職場まで遠い上に、大雪で路面状況が悪かったので朝6時半ごろに家を出て、8時半から夕方5時過ぎまでずっと、市民からの電話対応にあたりました。普段はそうした対応をする業務ではないので、すごく大変だったことが印象に残っていますね。北陸ならではだと思います。
―実際に働いてみて、入庁前のイメージとギャップを感じた部分はありますか。
石﨑:もっと市役所は静かに、各自パソコンに向かって仕事をしているものだと思っていたのですが、こども福祉課は周りの人と相談することも多く、ほかの課と連携する場面も多いです。制度上のつながりで「この制度を受け取るなら、こちらの制度も当てはまるのでは」というやり取りも多く、いい意味で和気あいあいとしていました。
―そうしたコミュニケーションの多さは、仕事のやりやすさにもつながっていますか。
石﨑:つながっていると思います。普段から色々な人と話すことで、何か分からないことがあったときに「この人に聞ける」という関係が自然と広がっていく感じがします。普段から会話しているからこそ、気軽に聞けるのだと思います。

―先輩や上司との関係はどうですか。
石﨑:皆さん丁寧に教えてくださいます。入庁時は1つ上と3つ上の先輩がついて教えてくれました。今は自分が係で一番経験が長くなりましたが、庁内のルールや伝票、交付金や補助金の話など、まだ分からないことも多く、係長や課長に教えてもらっています。
子育ての知識が自分の生活にも役立つ実感、そして射水市の祭り文化への驚き
―働くことの面白さ、やりがいを感じる部分はどんなところですか。
石﨑:こども福祉課では、子育てに関する制度の知識が自然と深まります。まだ独身で子どももいないのですが、自分の今後の生活にも役立つ知識が増えていくことが、市役所で働く大きなメリットの一つだと思います。また、課としての業務以外にも市の職員全員で取り組む仕事もいい経験になります。例えば選挙の事務やイベントに従事する業務も、ミスをできないという重圧はありますが、非日常感があって楽しい要素の一つです。
―射水市について、入庁してから印象が変わった部分はありますか。
石﨑:お祭りがとても活発で、お祭りが好きな人が多いことに驚きました。自分の地元はあまりお祭りに対する熱量が高くない地域だったので、海沿いの港町もある射水市に来て、当日仕事を休んでお祭りに参加する人がいることにかなり驚きました。お祭りを通して、郷土愛を持つ人が多いのだと、外から来た自分の目線で感じています。
地名を覚えるのはいまだに苦労していますが、職場では「よくこんな遠くから来てくれているね」と温かく受け入れてもらいました。

―今後、挑戦したい業務はありますか。
石﨑:課税関係の業務の部署に行ってみたいと思っています。福祉の分野では世帯の所得や課税状況によって保育料の金額や受給する手当の金額が変わるなど、所得に関する課税の知識が必要になってくる機会が多々あり、窓口で尋ねられることも多いです。課税関係の部署で知識を深めることで、その後に福祉分野に異動することがあった際は大きな力になると感じています。
―これから公務員を目指す方へのアドバイスはありますか。
石﨑:試験勉強では、面接対策として新聞を読むことをおすすめします。もともとネットニュースをよく読んでいたのですが、就職活動を意識し始めてから、地方紙を読むようになりました。地方紙を読むことで、世間を賑わせているニュースだけでなく住んでいる地域で起きている様々な出来事や議論を把握することができるので非常に勉強になりました。社会人3年目となりますが現在も出勤前に地方紙を読んでから出勤しています。
―最後に、射水市役所を目指す方へメッセージをお願いします。
石﨑:私は就職するまで居住地が離れていたことから射水市とのかかわりはなく、射水市のことをほとんど何も知りませんでした。しかし、射水市の職員として働く中で周囲の人から沢山のことを教わり、業務の知識だけでなく射水市の魅力や文化を知っていくことができました。市外出身の職員も多くいるので、地域を問わず多くの人に興味を持っていただけると嬉しいです。
―本日はありがとうございました。
片道1時間かけて通いながら、こども福祉課で3年間、毎年異なる業務にあたってきた石﨑さん。お話からは、想像以上に多くの人と関わり合いながら仕事を進める市役所の姿と、外から来たからこそ気づいた射水市の魅力が伝わってきました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年6月取材)



