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宇和島市役所

■「ココロまじわうトコロ、宇和島市」■ 愛媛県の南部に位置する人口約65,000人の宇和島市は、美しい山々と穏やかな海に囲まれた自然豊かなまちです。温暖な気候を活かした柑橘栽培、リアス式海岸を活かした真珠・タイ・ハマチの養殖が盛んで、宇和島城や闘牛が観光業を盛り上げています。 私たちは、キャッチコピー「ココロまじわうトコロ」(日々の暮らしの豊かさのなかで人と人が関わりあい、心が通いあう)に込めた願いの実現を目指して、「住みたくなる、帰りたくなる、連れて行きたくなる」宇和島市らしいまちづくりに取り組んでいます。

男性育休はもはや当たり前。自身の経験から語る「働きやすい職場」の姿

宇和島市役所

2026/07/31

「二人目が生まれたら、次は絶対に育児休業を取得しようと夫婦で決めていました」と、語る田岡さん。香川県から宇和島市へと移住し、平成26年度に入庁した田岡さんは、令和7年度から約1年間にわたる育児休業を取得しました。「妻のためには短期の取得では足りない」と考え、思い切って長期の休業を決意した背景には、家族を最優先にしたいという強い信念がありました。今回は、育休取得時の葛藤や育児休業の大切さ、そして復職した現在の仕事への向き合い方について、採用担当者としての視点も交えながら等身大の言葉で詳しくお話しいただきました。

 


歴史への想いと、妻の故郷・宇和島市との縁

ーまずは率直に、田岡さんが宇和島市役所を志望したきっかけについて教えてください。

 

田岡:私はもともと、大学時代に歴史を専攻して学んでいました。昔から歴史が本当に好きだったこともあって、就職活動を迎えたときも、地域の歴史や文化財の保護に関わる仕事に携わりたいという興味をぼんやりと持っていたのです。

 

しかし、学芸員という職種はとても狭き門ですので、募集自体も少なく、希望通りに就職することは難しいのが現実でした。そこで、市役所の仕事であれば、直接的ではないにしても裏方として文化財の保護だったり、地域の歴史を活かした街づくりに関わることができるのではないかと考えました。

 

ー最初は地元の自治体を目指していらっしゃったのですね。そこからどのような経緯で宇和島市へと繋がったのでしょうか。

 

田岡:出身は香川県丸亀市だったため、当時は宇和島市という選択肢は持っていませんでした。大学の新卒時は地元付近の市役所を受験していたのですが上手くいかず…就職浪人をしようかと考えていたところ、国立病院機構の事務職採用で合格をいただくことができました。

 

そこで最初の2年間は、病院の事務職として主に物品の消耗品や医療機器の保守契約に関する業務などを担当していました。実は妻がもともと宇和島市役所の職員として働いていて、それが宇和島市を意識した最初のきっかけでした。

 

自分自身もやはり市役所で働きたいという思いを持ち続けていましたし、何より宇和島市は非常に深くて面白い歴史を持っている街ですので、自分の興味関心とも合致しました。そこで、思い切って宇和島市役所の採用試験を受験してみようと決意し、採用されて今に至るという形になります。

病院から財政課へ。「自分に合う仕事」を見つけた実感

ー入庁されてからこれまで、どのような業務を経験されてきたのか、その概要を教えていただけますか?

 

田岡:入庁して最初に配属されたのは、市立宇和島病院の事務局でした。宇和島市役所の中では別の部局ですが、そこへ出向という形で配属されました。前職が病院の事務職だったため、その経験を考慮していただいたのだと思います。

 

最初の2年半は消耗品や医療機器の保守契約といった契約関係の仕事を行い、その後の2年半は病院内での人事や給与の支払いを担当する係に変わりました。看護学校からの採用活動なども含めて、病院局には合計で5年間在籍していました。

 

その後は本庁に戻り、総務部財政課という部署に異動となりました。そこでは予算関係の業務を中心に、市がお金を借りるための「市債」の手続きや、国から交付税をもらうための必要書類の作成などを主に担当しました。

 

ー歴史の仕事とは少し離れた印象ですが、実際に働いてみていかがでしたか?

 

田岡:確かに、自分が大学時代にやりたかった歴史の仕事とは全く違う路線を歩んできました。

 

ただ、実際に経験してみて分かったのは、自分は外に出て誰かと華やかに交渉したり話したりすることよりも、市役所の内部で黙々と書類を作ったり分析したりする仕事の方が意外と合っているんだな、ということでした。財政課の仕事は本当に忙しくて大変ではあったのですが、市役所全体の事業がすべて見渡せるポジションですので、非常に勉強になりました。自分の性に合っていると感じる部分が多く、とても充実していて楽しかったことを覚えています。

 

逆に、今年の4月から育休復帰して配属された現在の総務課での採用担当の仕事は、自分から外に向けて色々とアピールして発信していかなければならないため、まだ慣れていなくて少し戸惑っている部分もあります(笑)まだ配属されて3か月ほどですので、これから少しずつ楽しさを見出していければいいなと考えているところです。

頼れる人が近くにいない中での双子誕生。1年間の育休を決意した背景

ー田岡さんは育児休業を取得されたと伺っていますが、今回育休を取得しようと決意された経緯を詳しく教えていただけますか?

 

田岡:実は、今回生まれた子どもは第二子と第三子にあたるのですが、双子だったのです。第一子が生まれたのは今から約8年前、私がまだ病院局に勤めていた頃でした。当時はまだ、男性職員で育休を取得している人があまりいないような時代で、「男が育休を取る」という選択肢が自然に浮かぶような環境ではありませんでした。

 

そのため、第一子の時は育休を取らなかったのですが、今になって振り返ると、妻には大きな負担をかけてしまったなという反省が強く残っていたのです。

 

私も妻も、育児に関して日常的に親を頼ることのできる環境ではなかったため、第一子の時は、妻も本当に苦労をしていたと思います。当時はその大変さに十分気づいてあげられなかったのですが、後から当時の大変さを妻から詳しく聞き、「二人目を授かることができたら、その時は自分も育休を取ろう。」と決めていました。

 

また、どうせ育休を取得するのであれば、短い期間ではなく、半年以上はしっかりと休んで育児に向き合おうと計画していました。そうした中で、二人目を授かったと分かった際、双子であることが判明し、家族を第一に考えようという想いから、1年間の育休を取得することを決めました。

 

夫婦で挑んだ2回目の育児。話せる大人が隣にいる安心感

ー1年間の育休を申請するにあたって、上司に相談した時の雰囲気などはいかがでしたか?

 

田岡:当時は財政課に在籍して6年目だったということもあり、時期を考えてもそろそろ異動になるだろうというタイミングでした。また、子どもが生まれるのがちょうど4月でしたので、年度末までに業務を片付け、4月1日から育休に入るという計画が非常に立てやすかったという運の良さもありました。

 

まず直属の上司に「1年間の育休を取得したいと考えています」と正直に相談しました。そこから課長補佐や課長へと話がスムーズに伝わり、皆さんで集まって「業務の調整をどうするか」という会議をすぐに開いてくれたのです。

 

取得を止められたり、嫌な顔をされたりするような空気は一切なく、「希望通り取得させるためにどのようにバックアップするか」という視点で話を進めていただけたので、今振り返っても本当にありがたかったですね。

 

ー実際に夫婦で過ごした育児休業期間を振り返ってみて、率直にいかがでしたか?

 

田岡:双子だったということもあり、思っていた以上に大変で毎日が怒涛のように過ぎていきました(笑)ただ、同じ空間で、同じ大変さを共有し、すぐに話ができる妻が常に隣にいてくれたので、精神的にしんどいと感じるようなことはありませんでした。

 

これを妻一人に任せるというのは、なかなか想像がつかないですね。育休を取って本当に良かったと思いますし、何よりも子どもたちの最初の1年間の成長をこれ以上ないほど間近で見守ることができたのは、私にとってかけがえのない財産になりました。

復職後のリアル。周囲の温かい配慮と、今後は自分が返す番だという想い

ー今年の4月からフルタイムで復職されたとのことですが、復帰にあたって不安だったことなどはありましたか?

 

田岡:宇和島市役所では、育児休業などの長期の休暇に入る職員は、一度元の部署を離れて「総務課付け」という形になる仕組みになっています。そのため、復職する際には原則として異動を伴うこととなります。

 

自分がどこの部署に配属されるのかが分からず、復帰前は「次はどこに行くのだろう」と少しそわそわしていました。生活リズムも少し心配していたのですが、これについては上の子がちょうど小学校に入学するタイミングでもあったため、生活リズムを上の子に合わせて早起きの習慣に変えておくなど、家庭内での準備を進めて復職の日を迎えました。

 

ー復帰されてから、現在の働き方や職場のサポート体制についてどのように感じていますか?

 

田岡:フルタイムで復帰しているものの、上司や周囲の職員からは、言葉にせずとも仕事量や業務のバランスをものすごく配慮してくれていると感じています。

 

おかげさまで、現在はほとんど残業をすることもなく、帰宅してすぐに夜の育児や家事に参加できています。また、子どもがまだ小さいため、急に熱を出したり体調を崩したりすることもあるのですが、周囲にも子育て中の職員が多く、「お互い様」な雰囲気で柔軟かつ温かく対応していただけています。

 

ー宇和島市役所という職場環境について、田岡さんにはどのように映っていますか?

 

田岡:宇和島市役所は、男性職員でもほぼ100%に近い割合で育休を取得する文化が根付いています。制度があるだけでなく、しっかりと制度を活用することができる環境なんです。

 

子どもが生まれた職員がいれば、総務課から積極的に「育休を取得しますか?」と切り出して案内を送るようにしているので、誰もが当たり前に育休取得を考えることができる、素晴らしい環境だと思っています。

自分が周囲に助けてもらったからこそ、同じような状況にある後輩に対して、今度は自分が配慮してあげられる立場でありたいですね。

ー本日はありがとうございました。

 

香川県からの移住、そして頼れる親族が近くにいないという状況の中で、1年間の育児休業を取得された田岡さん。第一子の時の反省を活かし、「家族のために」という真っ直ぐな想いで双子育児に夫婦で立ち向かったお話は、男性の育休取得が単なる「制度の利用」ではなく、家族を守るための極めて重要な決断であることを教えてくれました。「自分が周りに助けてもらったからこそ、将来、同じように悩む後輩や部下ができたら、今度は自分が全力で配慮してあげたい」と語る田岡さんの言葉が非常に印象的でした。宇和島市役所の中に流れる「お互い様」の精神と温かい空気感が、これからの採用活動を通じて、多くの未来の職員へと受け継がれていくことを心から願っています。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年7月取材)

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