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隠岐の島町役場

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隠岐の島町で住民の人生に寄り添う。若手保健師が語る「3年間の伴走」と、この街で働く誇り。

隠岐の島町役場

2026/05/18

隠岐の島町で住民の人生に寄り添う。若手保健師が語る「3年間の伴走」と、この街で働く誇り。

リード文:島根県隠岐の島町役場の保健福祉課で保健師として働く松岡さんと藤田さんのインタビュー記事です。共に地元・隠岐の島町出身で、大学卒業後に新卒でUターン入庁したお二人。若手保健師として奮闘する日々や、3年間にわたる手厚いプリセプター制度、そして離島ならではの住民との深い絆についてお話を伺いました。

 

 

地元・隠岐の島町へ新卒Uターン。保健師として歩み出した理由

 

ーまずは自己紹介と、これまでのご経歴について教えていただけますか。

 

松岡:保健福祉課の松岡です。保健師として隠岐の島町役場に入庁して、今年で6年目になります。生まれも育ちも隠岐の島町で、地元の高校を卒業した後は出雲市の大学で看護師と保健師の資格を取得し、卒業と同時に「やはり地元で働きたい」という思いから隠岐に帰ってきました。

 

藤田:同じく保健福祉課の藤田です。私は保健師として2年目になります。私も松岡さんと同じく隠岐の島町出身で、島外の大学で看護師・保健師の資格を取得して、新卒で役場に入庁しました。

 

ーお二人とも、最初から保健師として地元に帰ることを決めていたのでしょうか。

 

藤田:実は、私は大学に入るまで保健師という仕事の内容を詳しく知りませんでした。最初は看護師志望で大学に入ったんです。でも、講義を受けたり、保健所や自治体での実習に行ったりする中で、病気になる前の「予防」の段階から地域住民の生活を支える保健師の仕事に惹かれるようになりました。

 

ギリギリまで、病院の看護師になるか、役場の保健師になるか本当に悩みました。民間の病院の採用試験を受けることも考えていたのですが、最終的には「今までお世話になった地域の方々に貢献したい」という気持ちが勝り、地元に帰る決心をしました。

 

松岡:私の場合は藤田さんと少し違って、高校生の頃にはすでに「いつか隠岐に帰って保健師になろう」と決めていました。きっかけは家族からの勧めで、昔から地域の行事やお祭りに参加して、近所のおじいちゃんやおばあちゃんと話をするのが大好きだったので、ぴったり合っていたんだと思います。

想像以上に手厚い?隠岐の島町役場の「3年間のプリセプター制度」

ー入庁後、現在はどのような業務を担当されているのですか。

 

松岡:保健師が配属される部署は、大きく分けて「母子保健」「成人保健」「高齢者・介護保険」の3つの分野があります。私は最初の数年間は成人保健の担当で、精神保健や介護予防などに関わっていました。現在は母子保健の担当になり、妊娠中のお母さんからお子さんの健康管理まで幅広く担当しています。

 

藤田:私は入庁以来、母子保健の係で松岡さんと一緒に仕事をしています。妊娠届の受理(母子手帳の交付)から、産後の家庭訪問、乳幼児健診、予防接種の管理、さらには保育所や学校での健康教室など、業務は多岐にわたります。

 

ーお二人は「先輩・後輩」として密に連携されていると伺いました。

 

松岡:はい、昨年は私が藤田さんの「プリセプター(教育担当)」を務めました。隠岐の島町役場では、新人の保健師に対して3年間のプリセプター制度を導入しているんです。

保健師の業務は1年を通じてサイクルがあるので、3年かけてじっくりと業務を覚えてもらう体制になっています。私は指導者になるのが初めてだったので最初は手探りでしたが、まずは「何でも相談しやすい雰囲気」を作ることだけは心掛けていました。

藤田:松岡さんには本当にお世話になっています。月に一度は、松岡さんと、さらに上の上司である指導保健師(係長級)の方を交えた3人でミーティングを行っています。今月できたこと、来月の課題などを振り返る場があるのは、新人としてはすごく安心感がありました。

理想と現実のギャップ。事務作業の先にあった「住民と接する」ことの真価

ー実際に働いてみて、想像と違った「ギャップ」などはありましたか。

 

藤田:「事務作業」が多いことには驚きました。パソコンの前に座って書類を作ったり、制度の調整をしたりする時間が想像以上に長いです。

 

松岡:私も1年目は役場の中での仕事だけで手一杯になっていました。でも、保健師という職種は現場に出ることが大切だと思っています。だから藤田さんには、「時間が空いたら、どんどん外に出よう」と伝えてきました。

ー「外に出る」というのは、具体的にどのような活動ですか。

 

松岡:家庭訪問のついでに、近くの保育所に寄って「最近、あのお子さんの様子はどうですか?」と先生に聞いてみるなど、電話一本で済むことでも、あえて直接顔を見に行くんです。そうした日常の小さな積み重ねが、いざという時の信頼関係に繋がります。

 

藤田:松岡さんのアドバイスを受けて意識を変えてからは、少しずつ仕事の楽しさが変わってきました。直接会ってお話をすると、お母さんたちの表情から言葉にできない悩みを感じ取れることもあります。

「直接会うこと」が、単なる情報収集以上の、心のケアに繋がっていることを実感しました。

 

ー仕事の中で、特にやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか。

 

藤田:乳児訪問でお会いした時、初めての子育てで不安がいっぱいで涙を流されていたお母さんがいらっしゃったんです。その後、健康教室や健診の場で何度もお会いしていくうちに、少しずつ笑顔が増えて、お子さんと一緒に元気に過ごされている姿を見た時は、本当にこの仕事をやっていて良かったなと思いました。

 

松岡:本当にそうですね。私たちは「生まれる前から亡くなるまで」の長いスパンで住民の方に関わります。前の部署でお世話をしていた高齢者の方が、部署が変わった今でも「松岡さん、元気にしてる?」と声をかけてくださることもあって。住民の方から頼りにされ、「保健師さんに相談して良かった」と言っていただけることが、一番の原動力です。

ワークライフバランスと住みやすさ。自分らしいペースで働く。

 

ー職場環境や働きやすさについてはどう感じていますか。

 

松岡:休みはすごく取りやすい環境です。有給休暇もしっかり活用できますし、業務のスケジュールを自分でコントロールしやすい面もあります。

 

藤田:私も、休日はしっかり休んでリフレッシュできています。残業がゼロというわけではありませんが、時期によって波がありますし、先輩方も「今日は早く帰りなよ」と声をかけてくださるので、メリハリをつけて働けています。

 

ー隠岐の島町での生活はいかがでしょうか。

 

松岡:島外の方からは「不便じゃない?」と聞かれることもありますが、実はここ数年で新しいお店が増えていて、生活しやすくなっているんですよ。ドラッグストアや新しい飲食店もできて、普段の買い物で困ることはほとんどありません。

 

藤田:私は休日に友達とドライブに行ったり、美味しいものを食べに行ったりして楽しんでいます。自然が豊かなので、外を歩いているだけでも気持ちがいいです。

 

松岡:移住者の職員も増えているので、地元出身の人もそうでない人も、馴染みやすい雰囲気があると思います。

ー最後に、これから隠岐の島町役場を目指す方へメッセージをお願いします。

 

藤田:1年目は慣れないことばかりで大変だと思いますが、隠岐の島町役場には温かく見守ってくれる先輩や、手厚い研修体制があります。一人で抱え込まずに成長していける環境なので、安心して飛び込んできてください。

 

松岡:保健師の仕事は、住民の方の人生に深く関わることができる素晴らしい仕事です。この島が好き、誰かの力になりたいという気持ちがあれば、必ずやりがいが見つかるはずです。

 

ー本日はありがとうございました。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年05月取材)

 

今回のインタビューを通して、隠岐の島町役場の保健師チームが持つ「温かさ」と「団結力」を強く感じました。特に3年間にわたるプリセプター制度は、単なる業務の引き継ぎではなく、専門職としてのアイデンティティを育む大切な時間になっています。

 

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