上天草市役所で建築技師として働く園さんのインタビュー記事です。
民間企業での経験を経て、地元である上天草市役所に転職した園さん。現在は建築技師として、市の施設に関する様々な工事に携わっています。
専門知識を活かして地域に貢献する仕事のやりがいや、民間企業とは違う公務員の魅力、そして充実したプライベートについて、詳しくお話を伺いました。
- 民間企業から公務員へ。地元・上天草市役所への転職
- 建築技師のリアル。図面作成だけじゃない、多岐にわたる業務
- 「形になる喜び」と「現場への寄り添い」。仕事のやりがいと活かせる経験
- 風通しの良さが魅力。部署や役職を超えたつながり
- 趣味も仕事も全力で。充実のワークライフバランスと未来の仲間へのメッセージ
民間企業から公務員へ。地元・上天草市役所への転職
ーまずは、これまでの経歴について教えてください。
園:出身は上天草市です。高校は熊本高専の建築学科に進学し、その時から上天草市を離れていました。高専を卒業後は、熊本の大学に入り、卒業後は熊本市内の民間企業に就職しました。
そこでは電話工事の仕事に5年ほど携わり、光回線の引き込み工事から、電柱を建てたりケーブルを張ったりする現場仕事、そして施工管理まで、幅広く経験しました。
ーそこからなぜ、公務員、そして地元である上天草市役所を目指そうと思ったのでしょうか?
園:元々、いつかは地元に戻りたいという気持ちがずっとありました。学生時代に市の奨学金をお借りして進学できたという経緯もあって、いつか地元である市に恩返しができればな、という思いを漠然と抱いていたんです。
民間企業で5年ほど働いた頃、たまたま上天草市の採用募集が目に止まりました。ずっと意識していたわけではないのですが、「これは良いタイミングかもしれない」と感じ、「とりあえず受けてみるか」という気持ちで挑戦したのがきっかけですね。
最終的には地元に貢献したいという思いが強かったので、公務員という選択肢は自分にとって自然な流れでした。

建築技師のリアル。図面作成だけじゃない、多岐にわたる業務
ー現在、建築技師としてどのようなお仕事をされていますか?
園:私が所属しているのは建設部都市整備課で、9人の体制です。その中で建築技師は私を含めて2人。かなり幅広い業務を担当していますが、私のメインの仕事は、市が発注する建築工事に関する一連の業務です。
具体的には、工事の積算から設計書を作成しての発注業務、そして工事が始まれば、現場の監督ではなく、工事全体の進捗を管理する監督業務などを行っています。年間で担当する工事は10数件ほどですね。
ー1年間の仕事の流れや、特に忙しい時期について教えてください。
園:やはり年度末が一番忙しくなりますね。担当している多くの工事が年度末に工期末を迎えるので、検査などが重なります。それに加えて、翌年度に発注する工事の準備も3月頃から本格化するので、積算業務なども詰まってきます。
年度が明けて4月頃までその忙しさが続いて、5月、6月は少し落ち着きます。そして夏頃になると、4月に入札した工事が落札されて動き出すので、そこからまた次の年度末に向けて、コンスタントに忙しさが続いていくイメージですね。
ー入庁前に抱いていた建築技師のイメージと、実際に働いてみて感じたギャップはありましたか?
園:建築技師というと「図面を書く仕事」というイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、実際には図面を書く作業はあまり多くありません。
むしろ、現場に出て打ち合わせをしたり、工事の進捗を確認したりすることの方が多くて、事務所にいる時間と現場にいる時間は半々くらいですね。
あとは、これは厳しさにも通じる部分ですが、とにかく「調整」業務が多いことでしょうか。工事を進めるにあたって、施設を利用する市民の方々、施設を管理する指定管理者の方々、そして工事を担当する事業者の方々など、本当に多くの人と関わります。
それぞれの立場や意見があるので、皆さんを同じ方向に向けてプロジェクトを進めていく調整業務は、この仕事の難しさであり、重要な部分だと感じています。

「形になる喜び」と「現場への寄り添い」。仕事のやりがいと活かせる経験
ー仕事のやりがいや面白さは、どんな瞬間に感じますか?
園:限られた予算の中で、自分の知識や経験を活かして「もっと良くするにはどうすればいいか」と提案し、それが実際に形になっていく過程に一番の面白みを感じますね。
自分の仕事が、目に見える形で地域に残っていくというのは、大きなやりがいです。
ーこれまでで特に印象に残っているお仕事はありますか?
園:自分の母校である中学校の校舎改修工事ですね。金額的にもこれまでで一番大きな工事でしたし、様々なトラブルもあって大変でしたが、その分、思い入れは強いです。
工事期間中、生徒や先生方は校舎に近づけないので、完成後に初めて中を見ていただくのですが、その時のリアクションは本当に嬉しいものがありました。
「ああ、ここ、こんなに綺麗になったんだ!」と喜んでいる姿を見ると、頑張って良かったなと心から思えましたね。こだわって作った部分に気づいてもらえた時などは、特にやりがいを感じます。

ー前職での経験が、今の仕事に活きていると感じることはありますか?
園:民間企業で現場の仕事を経験していたので、工事の工程や現場の苦労が具体的にイメージできることですね。
「言葉で言うのは簡単だけど、実際にやるとなると、こういう手順で、これだけの準備が必要なんだよな」ということがわかるので、事業者の方々と同じ目線で話ができるんです。
そのおかげで、より現場に寄り添った対応ができているのではないかと感じています。頭の中で工事の具体的な流れがパッと浮かぶので、打ち合わせなどもスムーズに進めやすいですね。
風通しの良さが魅力。部署や役職を超えたつながり
ー職場の雰囲気はいかがですか?
園:とても良いと思います!普段から上司や同僚とよく話しますし、コミュニケーションは非常に活発で、風通しの良い職場です。
ー職員同士の交流も多いのでしょうか?
園:はい。市役所というと縦割りなイメージがあるかもしれませんが、上天草市役所は横のつながりが強いのが特徴だと思います。
実は、市の職員組合の活動が結構活発で、レクリエーションなども定期的に開催されるので、職場以外でも交流する機会が多いんです。だから孤立することなく、すぐに職場に馴染める環境だと思います。
部活動も盛んなので、そういったことを通じて、部署や役職を超えたつながりが生まれるのは、上天草市役所ならではの魅力かもしれません。

趣味も仕事も全力で。充実のワークライフバランスと未来の仲間へのメッセージ
ーワークライフバランスについてはいかがですか?残業や休暇の取りやすさについて教えてください。
園:今の部署は、残業がものすごく多いということはありません。もちろん、やらなければいけない時は残業しますが、普段はない時の方が多いので、定時で帰っています。メリハリをつけて働ける環境ですね。
休みは土日祝日が基本で、夏季休暇も年に5日間あります。年次有給休暇も希望どおりにしっかり取れています。
ーお休みの日はどのように過ごされていますか?
園:実は、地元に戻ってきたのをきっかけに、趣味のカヤックを始めまして。自分で漕ぐ小さな舟で海に出て、釣りをするのが休日の楽しみです。
釣りがもともと好きだったのですが、地元に帰ってきて再燃しましたね。大自然の中でリフレッシュする時間は、仕事への活力にもなっています。

ー最後に、上天草市役所で働いて良かったと思うこと、そして未来の仲間へのメッセージをお願いします。
園:一番は、やはり「地域に貢献できる」ことですね。仕事として給料をいただきながら、生まれ育った地元の役に立てるというのは、何物にも代えがたい喜びです。
また、民間企業を経験した身としては、ワークライフバランスが非常に取りやすい環境であることも大きな魅力だと感じています。
職場の雰囲気も先ほどお話ししたとおり、とても風通しが良いです。上司や役職者との距離も近く、野球部では総務部長がエース兼監督だったりします(笑)。そういった部署や役職を超えたつながりがあるのは、上天草市役所の特徴だと思います。
ぜひ、私たちと一緒に地域のために働きましょう!
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年8月取材)



