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出雲市役所

 「神在月」、「日が沈む聖地」など、古の時代から、出雲は、特別な聖地として人々の心に深く刻まれてきました。 「出雲神話」から続く長い歴史において、生活様式が変化する中にあっても、出雲の豊かな自然、伝統文化、人の温かさは、変わらず現代に生きる私たちに受け継がれています。  出雲が大好き!仕事を通じて地元に恩返ししたい!という方、ぜひ一緒に出雲の持つ力『出雲力』を高め、ふるさと出雲を盛り上げましょう。

「縁結び」の先にある実力都市・出雲。民間から15年ぶりのUターンで挑む、人口17万人を維持するための「次の一手」とは?

出雲市役所

2026/05/22

 島根県出雲市役所で働く錦織さんのインタビュー記事です。民間企業経験を経て故郷へ戻り、観光、財政、そして現在の政策企画課と、市政の中枢を歩んできた錦織さん。知名度の高い「縁結び」ブランドだけではなく、製造業・農業の圧倒的なポテンシャルや、中四国1位の社会増を支える生活環境のリアルを伺いました。

15年ぶりの帰郷。民間から「市役所」へと舵を切った理由

ー自己紹介をお願いします。どのような経緯で出雲市役所に入庁されたのでしょうか。

錦織:平成28年度に民間企業から転職し、地元出雲市役所へ入庁しました。高校卒業後は15年ほど県外や市外で過ごしており、地元へ戻るタイミングでの入庁となります。これまでの経歴としては、観光課で4年間、観光PRや観光協会と協力した旅行商品造成などの業務に携わり、その後財政課を5年間経験しました。昨年度からは現在の政策企画課に所属し、ちょうど入庁10年経過したところです。 

ー観光、財政、そして政策企画と、自治体の核となる部署を経験されていますが、現在の業務内容についても教えてください。

錦織:現在は、街全体の最上位計画である「総合振興計画」や、人口ビジョンの評価検証、地域未来交付金のとりまとめなどを担当しています。街の現場に出ていくというよりは、データや計画を通じて「出雲市が今、どの方向に力を入れていくべきか」という羅針盤を創る業務ですね。

東京23区と同等の面積。データで見る「バランスの取れた強み」

ー出雲市という街の全体像について、改めて特徴を教えていただけますか。

錦織:人口は約17万人で、面積は約624平方キロメートルあり、東京23区の合計とほぼ同じ広さを持っています。この広大な土地の中に、海や山といった豊かな自然環境がありながら、産業、医療、福祉といった都市機能が非常にバランスよく配置されているのが出雲の強みです。

全国的には「縁結び」で有名な出雲大社が知られていますが、実は産業都市という顔も持っています。島根県内において、農業産出額、工業製品出荷額ともに1位を誇っています。

農業ではお米に加え、デラウェアやシャインマスカットといった果実の生産が盛んですし、製造業では世界シェアトップの製品を生産する工場をはじめ、大手企業の国内拠点工場など、国内外で活躍されている企業が工業団地に集積しています。

出雲市の特産:デラウェア
斐川地域(斐川IC周辺地域)へ新たに整備された出雲斐川インター企業団地

ー農業と工業の両面で県内トップというのは、地方都市としては珍しいのではないでしょうか。

錦織:非常に稀有なバランスだと思います。令和2年度実績の製造品出荷額は約5,500億円にのぼり、島根県全体の約半分を出雲市内の企業が占めている状況です。高速道路のインターチェンジや出雲空港が工業団地のすぐ近くにあるといったアクセスの良さも、企業誘致や産業発展に大きく寄与しています。「観光の街」という部分だけではなく、働く場所がしっかりと確保されていることが、この街の自立した経済を支えていると言えます。

出雲空港:国内線が複数就航し年間113万人が利用する(R7年度)

魅力度全国20位、中四国1位の「社会増」が示す生活の質

ー対外的な評価も非常に高いと伺っています。

錦織:ブランド総合研究所の「全国市町村魅力度ランキング2025」では20位、中四国では1位という評価をいただきました。また、自治体ブランドランキングにおいても中四国で2位となっており、非常に好印象を持っていただいています。こうしたイメージの良さは、単なる認知度だけでなく、実際の「住みやすさ」への信頼に繋がっていると感じています。 

ー実際に、移住者や転入者の動向にはどのような影響が出ていますか。

錦織:令和6年度のデータでは、転入者数から転出者数を差し引いた、社会動態による人口の増減である「社会増」の数が中四国地方で1位となりました。出雲大社の「平成の大遷宮」があった平成25年をピークに、出雲市への観光客数も大きく減ることなく横ばいで推移しています。観光、自然、産業といったさまざまな魅力から、定住先として選ばれるまでになっています。私自身も実感しているのですが、出雲は「自然豊かでありながら生活利便性が極めて高い」街なんです。

ー具体的に、どのような場面でその利便性を感じますか。

錦織:例えば、人口あたりの医療機関数が県内でもトップクラスに多く、大規模総合病院と地域に根ざした密着型の医療機関が非常に高いレベルで共存しています。また、普段買い物をするお店へのアクセスも良好です。休日は子供とふらっと釣りに出かけられる自然がありながら、普段の生活で不便を感じることがありません。環境の豊かさと都市の利便性を両方享受できる街であり、移住された方からもそのような声を多く聞いています。

人口17万人の壁。トップランナーであり続けるための挑戦

ー今後の街づくりにおける最大の課題は何でしょうか。

錦織:やはり人口減少への対策です。市では令和4年に「総合振興計画」を策定し、2030年に人口17万人台をキープするという高い目標を掲げています。直近の速報値では17万人をわずかに下回ってしまいましたが、それでも目標を下げるつもりはありません。

少子高齢化という日本全体の波に抗うためには、あえてハードルを高く設定し、挑戦し続ける必要があると考えています。 

ー具体的にはどのような施策を検討されていますか。

錦織:不妊治療費の支援やこども医療費助成の拡充など、出産、子育て、教育といった切れ目のない支援に関する取組に加え、令和8年度からはデジタル地域通貨を活用した「出生おめでとうポイント」事業を開始します。お子さんが生まれたご家庭に、1万円分のポイントを贈呈することで、子育て世帯を支援し、こどもたちの健やかな成長を応援する試みです。

しかし、一つの施策だけで人口が維持できるわけではありません。働く場所の確保、教育環境の充実、そしてインフラ整備。令和7年3月には山陰道の出雲エリアが全線開通し、東西へのアクセスも非常に良くなりました。こうした「切れ目ない支援とインフラ整備」を地道に積み重ねることで、減少の幅を最小限に抑えていく考えです。 

ー政策企画課という立場から、どのような姿勢で取り組んでいきたいですか。

錦織:私たちが目指すのは、単に数字を維持することだけではなく、ここに住む人々が「夢を持てる街」であることです。毎年、市内高校3年生を対象にアンケートを実施していますが、約8割の生徒が出雲市に対して好意的な意見を持ってくれています。

彼ら若い世代が、故郷に対して「こうなればもっと良くなる」という前向きな提言を自発的に行えるような、そんな空気感を作っていきたいですね。 

若手の技術に頼る。自由な議論が生まれる「政策企画」の職場環境

ー市役所の組織としての「働く場」としての魅力について教えてください。

錦織:非常に前向きで風通しの良い環境です。私がいる政策企画課の仕事の内容が「街の未来を構想する」ことなので、時には予算や財政状況といった既存の制約を一度脇に置いて、純粋に「市としてどうあるべきか」を語り合うこともあります。こうした自由な議論から、新しい施策の種が生まれることが多いですね。

ー若手職員の活躍の場についても伺いたいです。

錦織:実は、若手にはかなり頼っています。特に最新の技術や発想、SNSなどを用いたPR手法などは、彼らの感性に任せた方が確実に成果に繋がります。資料作成一つとっても、若い職員の技術には目を見張るものがありますね。

上司も彼らの能力を尊重し、大胆に任せる文化があります。単にピラミッド型の組織で指示を待つのではなく、それぞれの得意分野を活かして街づくりに参加できる。それが今の出雲市役所の面白さだと思います。

ー最後に、これから出雲市役所を目指す方々や、市民の方々へのメッセージをお願いします。

錦織:出雲市は、観光、産業、生活、どれをとっても非常にポテンシャルの高い街です。政策企画課としては、若手の力や市民の皆様の発想を最大限に引き出し、みんなで「より良い出雲」を形にしていきたいと考えています。若い世代が、自分たちの能力や個性をこの街の発展に活かせる場所は、ここには十分にあります。ぜひ、一緒に未来の出雲を創っていきましょう。

ー本日はありがとうございました。

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年05月取材)


編集後記

15年ぶりのUターンという「外の視点」を持ちながら、市政の中枢でデータと向き合う錦織さん。その言葉の節々から感じられたのは、出雲という街が持つ「実力」への深い自負。伝統ある自治体でありながら、新しい風を歓迎し、自由な発想で「人口17万人の壁」に挑む。そんな「攻めの姿勢」こそが、出雲市の真の魅力なのだと感じたインタビューでした。

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 「神在月」、「日が沈む聖地」など、古の時代から、出雲は、特別な聖地として人々の心に深く刻まれてきました。 「出雲神話」から続く長い歴史において、生活様式が変化する中にあっても、出雲の豊かな自然、伝統文化、人の温かさは、変わらず現代に生きる私たちに受け継がれています。  出雲が大好き!仕事を通じて地元に恩返ししたい!という方、ぜひ一緒に出雲の持つ力『出雲力』を高め、ふるさと出雲を盛り上げましょう。

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