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加古川市役所

加古川市は、兵庫県南部の播磨灘に面し、播磨平野を貫流する県下最大の河川「加古川」の下流に位置する豊かな自然に囲まれた都市です。 古くから交通の要衝、物産の集散地として栄え、明治以降は商業地、肥料や繊維の生産地として、そして、現代は鉄鋼を中心とする工業のまちへ、さらには、全国有数の商業集積をもつ東播磨地区の中核都市として躍進を続けています。

セーフティネットを支える覚悟。若手職員が語るケースワーカーのリアルとやりがい

加古川市役所

2025/11/10

加古川市役所に事務職として入庁し、生活福祉課でケースワーカーとして働く2年目職員、稲岡さんのインタビュー記事です。生まれ育った加古川市で働くことを決意し、新卒で入庁。

生活に困窮する市民に寄り添う「ケースワーカー」という仕事の厳しさと、その先にある大きなやりがい、そして若手職員を支える温かい職場環境について、ご自身の経験を交えながら語っていただきました。
 

 


 


 

生まれ育った加古川で働きたい。地元への想いが就職の軸に


ーまずは自己紹介と、加古川市役所を志望された理由を教えてください。
 

稲岡:加古川市で生まれ育ち、大学卒業後に新卒で入庁しました。就職活動では「どこで働くか」を一番に考え、慣れ親しんだ加古川市で働きたいという想いが強かったです。母からの後押しもあり、公務員を志望するようになりました。
 

ー就職活動は加古川市役所一本だったのでしょうか。
 

稲岡:いえ、地元に根差した民間企業や、他の市役所も受けました。大学では公務員講座を受講していましたが、国家公務員は受けなかったので、試験に直結したというよりは、知識として学んで良かったと思います。最終的には、転勤がなく地元で安定して働けるという点で、加古川市役所に決めました。
 

緊張をほぐしてくれた面接。和やかな雰囲気が入庁の安心材料に


ー試験や面接で、特に印象に残っていることはありますか?
 
稲岡:面接の雰囲気がとても和やかだったことです。いわゆる「圧迫面接」だったらどうしようとも思っていたのですが、全く堅苦しさがなく、リラックスして話せました。
 

特に最終面接では、役職者と思われる方々が面接前に雑談で緊張をほぐしてくださったんです。そのおかげで自分の想いをしっかりと伝えることができました。
  

市民の生活を支える。ケースワーカーの仕事とは


ー現在の所属と仕事内容を教えてください。
 

稲岡:入庁以来、生活福祉課で「ケースワーカー」として働いています。主に生活保護を受給されている方の支援が仕事で、一人で150世帯弱を担当しています。月々の保護費の算定といった事務作業のほか、電話や窓口での相談対応、ご自宅への訪問など、業務は多岐にわたります。

ご自宅への訪問は、世帯の状況に応じて、3ヶ月に1回、4ヶ月に1回といったペースが決まっています。なので、月平均にすると40世帯くらいを訪問することになります。月に1〜2日、「訪問デー」のような日を自分で作って、集中的に回っていますね。相談事については、特に来ない時期もあれば、月にまとめてどっと寄せられる時期もあります。
 

ーケースワーカーは、地方公務員の仕事の中でも特に精神的にタフさが求められる仕事の一つだと思います。1年目からその業務に携わる中で、大変な思いもされたのではないでしょうか。
 

稲岡:生活に困窮されている方の対応であることは理解していましたが、想像以上に深刻な状況に置かれている方が多いことに、最初は衝撃を受けました。生活保護は本当に最後のセーフティネットなので、私たちがお会いする方々の状況は非常に切迫しています。

そのため、厳しい口調で相談される方も少なくありません。入庁して間もない頃は、大変だと感じることも多かったです。
でも、そこで私がめげていても仕方がありません。ここで私が精神的に参っていては、本来できるはずの支援さえできなくなってしまうため、あまり気にしすぎず、できる支援をきちんと行うことを心がけていました。そうして真摯に対応していくと、信頼し合える関係を築くこともできました。 

制度が機能した瞬間の手応え。この仕事だからこそ感じられるやりがい


ー大変な業務だからこそ、仕事のやりがいを感じるのはどんな時ですか?
 

稲岡:お金の支援だけでなく、その方の生活全体をより良くするための支援ができた時にやりがいを感じます。
例えば、ご高齢で一人暮らしが困難な方に施設への入所を提案し、費用面をサポートすることで、安心して新しい生活を始めていただけた時などですね。

特に印象的だったのは、生活保護を受けながら就職された方が、自立の一歩手前で怪我をして働けなくなった時のことです。生活保護には、すぐに保護を打ち切るのではなく、一定の「停止期間」を設ける制度があります。その期間中だったため、スムーズに保護を再開し、その方の生活を再び支えることができました。制度がセーフティネットとしてしっかりと機能した瞬間を目の当たりにし、この仕事の重要性を改めて実感しました。
 

一人で抱え込まない。チームで支え合う生活福祉課の団結力


ー若手職員へのサポート体制はいかがですか?
 

稲岡:加古川市役所には「エルダー制度」があり、先輩職員がマンツーマンで指導してくれます。私のエルダーは席も隣で、本当に些細なことでもすぐに相談できる環境でした。最初に「できることと、できないことをはっきりと相手に伝えるのが大事」と教わったことは、今でも私の仕事の基本になっています。
 

ー職場は相談しやすい雰囲気ですか?
 

稲岡:はい、部署全体が活発に意見交換をできる体制にあります。部署全体で相談し合う文化が根付いています。2年目になった今でも、一人で判断に迷うことはありますが、係の先輩や上司が必ず一緒に考えてくれます。課長や副課長もケースワーカー経験者なので、現場の苦労を深く理解してくださっています。

困難なケースに対して、部署全体で「どうすればこの人を支えられるか」と一致団結して臨む雰囲気があり、とても心強いです。 

公務員のイメージとのギャップと、確かな成長実感
 

ー入庁して、働く前のイメージと違った点はありましたか?
 

稲岡:公務員は定時で帰れるイメージがあったのですが、実際は残業もあります(笑)。月平均で10〜20時間くらいでしょうか。ただ、カレンダー通り土日はしっかり休めるので、オンとオフの切り替えはできています。生活にリズムが生まれ、ワーク・ライフ・バランスは取れていると感じます。
 

ー最後に、加古川市役所への入庁を考えている方へメッセージをお願いします。
 

稲岡:私がこの2年間で大きく成長できたのは、間違いなくエルダー制度のおかげです。仕事の進め方から社会人としての振る舞いまで、先輩が道しるべを示してくれたことで、安心して業務に取り組むことができました。温かく、そして力強く若手を育ててくれる環境が、ここにはあると思います。大変な仕事ではありますが、その分だけ大きなやりがいと、確かな成長を実感できる職場です。
 

ー本日はありがとうございました。
 

 

 

インタビュー中、稲岡さんは一つひとつの質問に対し、とても誠実に、そしてご自身の言葉で率直に語ってくださいました。その姿から、日々市民の厳しい現実に真摯に向き合っていることがひしひしと伝わってきました。

「ケースワーカー」という仕事は、時に精神的な負担も大きい、タフな仕事です。しかし、稲岡さんのお話から見えてきたのは、困難の先にある確かなやりがいと、それを支える加古川市役所の温かい組織風土でした。特に、自らの成長の礎となった「エルダー制度」について語る時の感謝の言葉は、取材陣の心にも深く響きました。

この記事が、公務員の仕事の多様性や、市民の暮らしを最後の砦で支えることの尊さを知るきっかけとなれば幸いです。稲岡さんのように、誰かのために力を尽くしたいと考える未来の仲間たちに、このメッセージが届くことを願っています。
 

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年10月取材)

 

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加古川市は、兵庫県南部の播磨灘に面し、播磨平野を貫流する県下最大の河川「加古川」の下流に位置する豊かな自然に囲まれた都市です。 古くから交通の要衝、物産の集散地として栄え、明治以降は商業地、肥料や繊維の生産地として、そして、現代は鉄鋼を中心とする工業のまちへ、さらには、全国有数の商業集積をもつ東播磨地区の中核都市として躍進を続けています。

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