静岡県袋井市役所で採用担当として働く本多さんのインタビュー記事です。
現在は採用試験を担当する側の立場ですが、本多さんもかつては民間企業からの転職を経験されたとのことです。
そんな本多さんに、自身が経験された転職に関するエピソードのほか、受験する際誰もが気になる「採用担当」としての意見を聞かせていただきました。袋井市役所を受験しようと思っている人はもちろんのこと、公務員を志す全ての人にとって参考となる内容となっています。
ーまずは本多さんの簡単な自己紹介をお願いします。
本多:静岡県浜松市の出身で、大学卒業後はスポーツ用品メーカーに就職し、生産管理部門で製品の生産調整や納期管理、カタログ製作などの業務を経験しました。
その後、平成26年度に袋井市役所に転職しました。現在は総務部総務課で職員の採用や研修の担当として働いています。

ー転職を志したきっかけを教えていただけますか?
本多:元々野球をやっていたのですが、前職のスポーツメーカーでは野球関係の仕事に携わることができ、好きなことを仕事にできているというやりがいを感じていました。
しかし、自分のキャリアプランを考えた時に、このままこの会社で働き続けるべきか、ということを考えるようになりました。給料面や働き方、そして将来設計など、様々な面からもう一度自分のキャリアプランを見つめ直そうと思い、転職を志すようになりました。
ー好きなことが最適な仕事とは限らなかったのですね。そこで公務員を目指そうと思ったのはなぜですか?
本多:様々な仕事がある中で、自分に向いている仕事、自分の強みを活かせる仕事は何かを考えた結果、市職員という選択肢に辿り着きました。1つの分野で専門性を極めるよりも、幅広い分野の仕事にチャレンジし、ゼネラリストとしてキャリアを形成していきたいと考えていた私にとって、様々な部署を経験できる公務員は魅力的でした。
人と関わることも好きなので、地域住民や企業、教育機関など、様々な分野の方々と関わることができることも大きな魅力でしたね。
ー地元は浜松と聞きましたが、袋井市役所を受験しようと思った理由も教えていただけますか?
本多:親戚が袋井市に住んでいたということもあり、小さい頃から訪れる機会が多く、袋井市は以前から身近な存在だったんです。
また、袋井市にはエコパスタジアムという世界規模の大会ができるスポーツ施設があったり、美味しい飲食店・居酒屋が多かったり、当時人口がどんどん増えていたりと、もともと自分の中でとてもポジティブなイメージを持っていましたが、受験を機に改めて袋井市の魅力に気づき、“ここで働きたい”と強く思うようになりました。地元浜松市からも通える距離だった、というのも受験を決めた理由の1つでしたね。
だいたい家から職場までは車で40分程度なんですが、通勤時間は自分自身の仕事のスイッチを入れる大事な時間になっていて、自分としては“ちょうどいい”距離感だと思っています。
やはり通勤手段や通勤時間も、就職先を考えるにあたってはとても大切だと思いますね。
ー働きながらの転職活動は大変でしたか?
本多:大変でしたね(笑)まだまだ若かったので、誘惑がたくさんあったのも事実ですが、転職という目標を達成するため、覚悟を決めて約1年間、公務員試験の勉強に励みました。
転職を焦っていたわけではないのですが、ちょうど自身のライフイベントとして結婚を考えるような時期だったため、転職を決めるなら早い方がいいだろうと思い、その1年間は仕事もしながらひたすら対策をしていました。
ー実際に働いてみて、「公務員」のイメージは思っていたものと違いましたか?
本多:そうですね。入庁前は堅いイメージを抱いていたのですが、“人”も“仕事”も、いい意味でイメージしていたものとは違う部分が多かったです。実際は明るく気さくな人が多く、とても働きやすい環境でしたね。入庁直後も上司や先輩の方々が気を配ってくれるので、安心して仕事に取り組むことができました。
また、袋井市役所は規模があまり大きくないので、人間関係が構築しやすいという点は組織としての魅力だと思っています。公務員というと「縦割り」なイメージを持つことも多いかもしれませんが、分野・所属横断で取り組むプロジェクトや業務がかなり多くあります。
3年から5年程度で人事異動もあるので、異動先にも仲の良い職員がいたり、相談に行った先に一緒に働いたことがある職員がいたりすることもあって、部署間の連携もしやすく、仕事を進めやすいという印象があります。“ちょうどいい”規模感だと思います。

ー入庁後はどのような業務に携わってきましたか?
本多:最初はしあわせ推進課という福祉の部署で生活保護のケースワーカーを担当しました。正直なところ、福祉分野の知識や経験は全く持ち合わせておらず、入庁前に配属先を聞いた時は、かなり不安になったことを覚えています。大変なケースも多くありましたが、その分、やりがいもあり、生活保護法はもちろん、税金や介護保険など、様々な分野の知識を得ることができ、公務員人生において非常に貴重な経験となりましたね。
その後、スポーツ推進課(現・スポーツ政策課)に異動となり、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックに携わる機会をいただきました。ラグビーワールドカップでは、事前イベントの企画運営や試合当日のスタジアム最寄り駅周辺の賑わいづくり、小中学生に現地で観戦してもらう事業などを担当し、オリンピックについては、聖火リレーやアイルランドチームの事前キャンプ受け入れなどを担当しました。入庁前には、まさか自分が市役所でこのような国際的なイベントに携われるとは思ってもいませんでした。
思い描いていた市役所の“仕事”のイメージとは良い意味で違う部分ですね。スポーツが好きなので、市役所の職員になって良かったと実感できた瞬間でした。

ー転職の動機ともなった幅広い分野を経験することができたのですね。続いて、現在の業務内容についても教えてください。
本多:現在は総務課で職員採用や人材育成を担当しています。
人材育成の業務では、職員向けの研修計画の作成や研修の実施、そして昨年は人材育成基本方針の改訂も担当しました。限られた人員の中で、組織として最大限の力を発揮できるよう、必要な研修メニューや施策を検討しています。
職員採用では、インターンシップやイベントへの参加や学生との面談、試験の応募受付から合格発表まで、職員採用に関わる業務全般を担当しています。

ーここからは、「採用担当」としてのお話を聞きたいと思います。まず、採用担当としてどのような人に袋井市役所へ来てもらいたいですか?
本多:袋井市では「チャレンジ&スマイル」をキャッチフレーズに掲げています。市民の方々にも、そして職員にも笑顔でいてほしい、それと同時に、社会状況の変化が目まぐるしい時代だからこそ、何事にも柔軟に対応しチャレンジ精神をもって取り組んでほしい、という思いが込められています。
市役所の仕事は、よく「前例踏襲」とか「決められた仕事」という受け身なイメージを持たれがちですが、変革や挑戦が必要な場面が多くあります。
袋井市役所では様々なことにチャレンジできる環境があります。市の規模が大きくない“ちょうどいい”規模感だからこそ、若いうちから責任ある仕事を任せてもらえたり、幅広い業務に携わることができたりするんです。なので、何事にも前向きに取り組み、チャレンジ精神旺盛な方にぜひ来ていただきたいですね。

袋井市職員人材育成基本方針はこちらで参照することができます。
ー「チャレンジ&スマイル」とてもいい言葉ですね!袋井市の事をもっと知りたいと思った場合、情報はどのように集めたら良いですか?
本多:袋井市では「メローねっと」という情報発信ツールを使って、LINEなどで市政情報を配信しています。袋井市に興味のある方は、まずは登録していただければと思います。
袋井市情報配信サービス「メローねっと」/袋井市 (city.fukuroi.shizuoka.jp)
配信している情報のほとんどは市職員が関わるものですので、市役所の仕事内容や職員の活動を知ることができ、きっと新たな発見があると思います。自分がどんな分野で市に貢献できるのか、どんなスキルを活かせるのかなどを考えるきっかけにもなるはずですよ。
また、インスタグラムでも職員が袋井市の魅力を日々配信しています!
ーちなみにですが…本多さんは転職活動の際、どういったことを調べていたのですか?
本多:私はネット上を検索するほかに、休みの日にひたすら市内を周遊して、自分自身が感じる袋井市の魅力や話のネタを探しました。あとは、市議会の会議録を読んだりもしました。なかなか地道ですよね(笑)
公務員として働いていた友人の勧めもありやっていたことなのですが、市での課題や政策、どこに力をいれているのか、といったことをとてもよく知ることができました。ホームページやSNSって、基本的には前向きな事しか書かれていないのですが、議会ではそこに至るまで様々なやりとりがなされています。
「本質」を知るためには議会会議録を読んだり、自分の目で実際に見てみたりするのも良いと思います。議会の会議録はホームページでも公開されていますので、興味がある方は是非ご覧ください。

ー志望動機の書き方で悩む方も多いかと思いますが、やはり志望動機は重要ですか?
本多:もちろん志望動機も大切ですが、それ以上に「市役所で働きたい!」という熱意と笑顔が重要だと思っています。面接では、志望動機の内容よりも、その人の本気度であったり、笑顔で人に接することができるか等を重視しています。
見せかけだけのカッコいい志望動機を作り上げるよりも、本当に袋井市役所で働きたいという思いが伝われば、きっと面接官にも響くはずです。
ー併願についてはどう思われますか?
本多:併願することももちろん理解できます。就職活動中は将来への不安もあるでしょうし、公務員になりたいと思えば複数の自治体を受験することも当然のことだと思います。
ただ、自分の就活の軸をしっかり持ち、なぜ袋井市役所なのか、ここでどんなことを実現したいのかを明確にしておくことが大切です。本気度が伝われば、面接にも良い影響を与えると思います。
ー袋井市職員として働く上で、どのような人が向いていると思いますか?
本多:まずは袋井市に限らず、市役所の仕事は市民の皆さまをはじめ、様々な方々と接する機会が多いので、人とコミュニケーションをとることが好きな方が向いていると思います。袋井市役所といった話であれば、先程もお話ししたとおり、前向きに物事に取り組み、チャレンジ精神のある方は入庁後も活躍できると思います。
ーチャレンジした成果が報われるような制度はありますか?
本多:はい、人事評価制度を導入しているため、本人の頑張りは昇給や期末勤勉といった処遇に反映されます。民間企業のように何十万、何百万もボーナスに跳ね返るというわけではありませんが、処遇反映だけでなく、努力がしっかりと評価される仕組みになっています。
ー入庁後のワークライフバランスについてはいかがですか?
本多:袋井市役所では、ワークライフバランスをとても大切にしています。部署によっては、繁忙期に残業があったり、以外と休日出勤が多かったり、台風や地震などの災害時は参集する必要があったりする部分はありますが、自分自身の民間企業の経験や周りの友人などと比較しても、職場環境は恵まれていて、趣味や育児などのプライベートと仕事を両立しやすい環境と言えると思います。
私にも3人の子どもがいますが、家族のための休みもしっかり取れていますし、子どもの行事などに合わせてテレワークや時差勤務をすることもあります。育児休業についても、女性は勿論のこと、男性職員も取得率100%を目指しており、ほぼ目標に近い実績もあります。
子育てだけでなく、自身の生活に合わせた働き方のできる職場環境ですよ。
ー最後に、求職者の方へメッセージをお願いします。
本多:市役所の仕事は皆さんが想像している以上に幅広く、やりがいのある仕事です。
そして袋井市役所には、皆さんの経験やスキルを活かし、やりたいことにチャレンジすることができる場が必ずあります。ぜひ袋井市について調べていただき、興味を持っていただければ嬉しいです。
「チャレンジ&スマイル」な袋井市役所で、一緒に働きましょう!皆さんの応募をお待ちしています!

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年1月取材)