道路河川課 平成19年入庁 土木職
田村 光央
▶土木職の仕事とは
紀の川市の管理する市道は1000km以上にのぼり、道路施設にかかわる業務は多岐にわたります。例えば、市道に生えた草木の伐採に始まり、道路の陥没修理や交通安全対策、台風などの災害時には、土砂崩れの撤去や倒木処理、道路の冠水対応にあたります。
また、市道を拡幅する場合には、不動産鑑定や用地補償に関する業務などさまざまです。中でも主な業務としては、道路工事の設計積算と監理業務があります。
まず、現地の測量により周辺の地形や高さを計測し、配置する構造物の形式や形状を検討します。次に、設計図面の作成とともに、材料の集計を行い、工事費を算出して、工事に必要な設計図書を完成させます。
工事入札後は、工事工程に注意しながら、設計図書どおりに工事が進捗するよう工事を監理する。このような業務を年間通じて行っています。
▶実際に働いてみて
工事計画の立案から完成まで、土木工事の一部始終に携わることから、多くの方とのかかわりが生まれます。現地では、周辺に住まわれている方から市道を利用するうえで、不便なところ、悪くなっているところなどを教えてもらいます。
思いの熱い方も多く、何とか要望に応えたいと通う中で、信頼関係が築かれていくことが喜びの1つです。以前、設計会社に勤めていましたが、利用者との対話は皆無でした。
工事が着工してからは、地盤の変化や思いがけない埋設物などにより、設計どおりに進まない場合が多々発生します。それらの課題を、施工業者とともに知恵を出し合いながら、施工方法や予算、工事工程など、その現場に応じて判断していきます。
いろいろ制限がある中で、思うようにならなくて悔しい思いをすることもありますが、完成に至るまでに協力いただいた方々と充実感や達成感を共有しています。
▶紀の川市内のおすすめスポット
紀の川市名手西野地内に紀の川を渡河する麻生津橋というトラス構造のアーチ橋があります。1935年に架橋されたこの橋は、洪水による流出や一部架替えを経て現在に至っています。
橋の構造形式には、その時代の流行りが反映されており、近代的で華やかな橋も魅力的ですが、古い橋は、趣があって深い。 普段、私たちは橋の上を何気なく通過するだけで、じっくり見ることもなく、ましてや橋を下から見上げることなどありません。
しかし、橋は、下側にこそ知恵や工夫が詰まっており、その橋の個性が見られます。機会があれば、ぜひ橋を見上げて感じてみてください。
▶紀の川市で土木職を目指すあなたへ
土木工事は多くの人がかかわり、インフラ整備を実現していくもので、とてもやりがいある仕事です。今後は、維持管理にかかわる工事の増加が見込まれ、少ない予算で効果を高めるための工夫がさらに必要となってきます。
土木の専門知識を持っていなければ対応が難しい場合もありますが、「やる気があればなんでもできる。」ぜひ土木職として、一緒に働きましょう!