教育総務課 平成19年入庁 建築職
嶋 晃平
▶建築職の仕事とは
私が現在担当している業務は、学校施設の改築工事、改修工事、修繕に関するものです。
主な業務の流れは、まず、問題となっている現場の状況確認を行い、どのような改築や改修が必要か計画し、予算の算定をします。
その後、設計の発注を行い、設計事務所から提出される図面等成果品のチェック、工事発注、工事中の定例会議や現場立会い、指示を行いながら工事を完成させていき、 最後に竣工検査、引渡しをうけ、施設管理担当にバトンタッチします。
学校を稼働させながらの工事になりますので、設計事務所や工事施工業者、学校との打ち合わせを綿密に行い、極力学校運営に支障がでないように調整をとりながら工事を進捗させていくことに主眼をおいています。
入庁する前は、民間の建築設計事務所で構造設計を担当していました。その経験もあって、入庁後は主に学校施設の改築も含めた耐震改修事業を手がけていました。
その耐震事業もひと段落し、昨今では老朽化した学校をいかに長く使っていくかといった視点で改修工事を行っていく「建物の長寿命化事業」にシフトしつつあります。
▶実際に働いてみて
入庁して初めて担当した耐震改修工事でいきなりつまずきました。工事開始した直後の現場確認で、既設校舎の躯体の劣化状態が思いのほか進んでいるのがわかり、工事続行が極めて難しい状況で、耐震改修から改築に急展開することになりました。
県の教育委員会や文部科学省の関係者と何度も協議をおこない、他の職員にも助けていただき、なんとか改築工事を遂行することができました。
事業をすすめるにあたり必要なことは、技術的なことだけではなく、国庫補助金の事務手続きや、保護者説明会など、とても技術職一人でやり切れるものではなく、事業にたずさわる者全員のチームワークが大切なのだと認識しました。
その時の大変だった経験が今現在の自分の礎になっていると思います。 直近では、上写真のような空調設備を、災害時に避難所となる中学校の体育館に設置する工事を担当しました。
これまで、体育館のような大空間に後付けで空調機器を設置するケースは紀の川市で例はなく、近年施工実績のある近隣の市町村の工事担当の方々にいろいろ教えてもらいながら手探りで事業をスタートさせ、どうにか形になりました。
業務は、工事だけにとどまらず、雨漏りなど緊急対応が必要となる箇所では、時にはホームセンターでシール材や防水テープを購入し、屋根に上って応急処置を施しにいくこともしばしばで、DIYも徐々にスキルアップしてきています。
このように、建築職とひとことで言っても、業務は多岐にわたりますが、いろいろな経験ができて楽しく仕事をさせていただいています。
工事中は騒音やほこりで学校にご迷惑をかけることも多いですが、完成した後に子供たちが喜んで施設を使ってくれている姿を見たときが一番やりがいを感じる瞬間です。
▶紀の川市内のおすすめスポット
龍門山に登ってみてはどうでしょうか。初めて登ったのは小学生の時で、休日に当時の担任の先生と友人たちとで弁当とおやつ持参で朝から登り、山頂でランチしました。山頂からは紀の川流域が一望でき、それはそれは美しい眺望です。
その後も何回も登ったことはありましたが、一番印象深かったのは、冬に少し雪が降った翌日に登った時で、木々の枝に薄氷がはっていて太陽の光が反射してとてもきらびやかで幻想的でした。
途中、獣道のような険しい箇所もありますので、動きやすい服装や滑りにくい靴で登られることをお勧めします。
▶紀の川市で建築職を目指すあなたへ
建築職は、役所の業務の中でも、より直接的にもの作りに取り組める職種で、難しい問題にぶち当たっても、視点を変えたり、アイデア一つでその問題が一気に解決することもあり、自分が考えたことがそのまま形となって具現化されていきますのでとても魅力のある仕事だと感じています。
知識を習得していくには時間がかかるかもしれませんが、経験を積めば積むほどその奥深さに魅了されどんどん仕事が好きになっていくことでしょう。ぜひとも建築職として一緒に仕事しましょう。