八幡市役所市民課で働くこじまさんのインタビュー記事です。生まれ育った地元・八幡市への想いを胸に、公務員の道へ。入庁2年目の若手職員が語る、仕事のやりがいや職場のリアルな雰囲気、そして八幡市ならではの働く魅力を語っていただきます。
ーまずは自己紹介と、これまでのご経歴について教えてください。
こじま:令和6年度採用で入庁し、現在2年目になります。大学卒業後そのまま入庁いたしました。
もとから公務員志望というわけではありませんでした。ただ実は、父も八幡市役所に勤めておりまして、子どもの頃から父が働く姿を間近で見て育ったことが、公務員という仕事を意識する大きなきっかけになったと思います。
生まれも育ちも八幡市で、20年以上この街で暮らしてきましたし、この街への愛着が強く、他の自治体は考えられませんでした。他の自治体は受験もしていません。
ー公務員試験の勉強はどのように進められたのですか?
こじま:オンラインの資格講座に申し込み、教材を取り寄せて勉強を進めました。期間としては、1年弱くらいだったと思います。
―実際に八幡市の採用試験を受けてみて、いかがでしたか?
こじま:選考は、一次試験が筆記、二次試験と三次試験が面接という流れでした。
面接は、私がすごく緊張してしまうタイプで、公務員の面接というと厳格で堅い雰囲気をイメージしていたので、余計に緊張していたんです。ですが、実際に面接室に入ってみると、面接官の方々がとても明るく、優しい雰囲気で迎えてくださったんです。
おかげで、自分の考えを落ち着いて話しやすくなったと感じています。受ける側としては、すごくやりやすい環境を作っていただいたなという印象です。
ー無事に合格されて、入庁から1年が経ちました。現在はどのようなお仕事をされていますか?
こじま:入庁して市民課に配属されています。市民課の業務は、大きく分けて「住民基本台帳事務」「戸籍事務」「マイナンバー事務」の三つがあります。私はその中で「住民基本台帳事務」を1年目から引き続き担当しています。
八幡市では、証明書の発行などの市民課の窓口業務を民間の会社に委託しています。ですので、市民の方と直接お会いする一次対応は、委託先の方が担当してくださることが多いです。私たち職員の主な仕事は、受け付けた書類を最終的に点検し、処理を確定させることです。
ただ、職員が全く窓口に出ないというわけではありません。戸籍に関する専門的なご相談や、マイナンバーカードに関する手続きなど、特に重要な情報を取り扱う業務については、私たち職員が直接対応しています。
ーなるほど、役割分担がされているのですね。庁舎も特徴的だと伺いました。
こじま:そうなんです。八幡市は水害が多い地域ということもあり、現在の新庁舎は1階部分がエントランスホールのみになっています。執務室は2階以上にあり、市民課はエスカレーターを上がってすぐの2階にあります。普段はその後方にある執務スペースで、委託の職員さんから処理された書類の点検業務などをメインに行っています。
庁舎も、令和5年に整備されたばかりなんですよ。
ーそうなんですね、ではお仕事はどのように覚えていきましたか?教育体制について教えてください。
こじま:「サポートリーダー制度」で、新規採用職員には1年間、同じ課の先輩職員が一人ついて、マンツーマンで指導してくれます。もちろん、そのサポートリーダーの先輩だけでなく、課の上司や他の先輩方も、本当に一から丁寧に仕事を教えてくださいました。
事務処理の仕方やシステムの操作方法など、何も分からない状態からスタートしましたが、皆さんの手厚いサポートのおかげで、一つひとつ着実に業務を覚えていくことができました。
ー安心して業務に取り組める環境があるのですね。お仕事を始めて、特に大変だと感じたのはどんなことですか?
こじま:業務のスケジューリングですね。窓口業務なので、窓口のお客さんを優先して対応する必要があります。自分の担当業務を進めている最中でも、点検の依頼が来たらそちらを優先して対応する必要があります。
最初の頃は、この優先順位の判断や、複数の業務を同時に進めるマルチタスクに苦労しました。
ー正確性とスピードの両方が求められそうですね。
こじま:スピードももちろん大切ですが、私たち行政の仕事は、何よりも「間違ったものを市民の方にお渡ししない」という正確性が大前提です。ですから、「早く雑に」よりも「たとえ少し時間がかかっても、丁寧に正確に」ということを常に意識して業務にあたっています。
ーその点検業務は、いつ頃からお一人で担当されるようになったのですか?
こじま:期間が明確に決まっているわけではなく、個人の習熟度に合わせて判断してもらえます。私の場合は、最初の2〜3ヶ月は、自分が点検したものを必ずもう一人別の職員に見てもらう「トリプルチェック」を徹底していただきました。
もちろん、案件の難易度によって期間は変わりますが、難しいものだと半年くらい見てもらったものもあります。今は2年目になり、担当している住民基本台帳事務に関しては、私の判断を尊重してもらい業務を進めることも多くなり、自信につながっています。
ー実際に公務員として働いてみて、入庁前に抱いていたイメージとのギャップはありましたか?
こじま:もっと堅い組織をイメージしていましたが、そんなことはなく働きやすい職場です。良い意味でのギャップですし、民間企業ともそこまで変わらないのではと思っています。
例えば休暇について、もちろん業務の状況にもよりますが、自分で計画をたててとると非常に休みやすいです。
あとは、知識や経験が豊富なベテランの先輩方がたくさんいらっしゃって、どんなに初歩的な質問でも丁寧に教えてくださいます。業務のことはもちろん、それ以外の場面でも気さくに声をかけてくれるので、人間関係で悩むことなく、安心して仕事に打ち込める環境だと感じています。
ー職場の雰囲気はいかがですか?
こじま:市民課だけでなく、市役所全体として、とても和気あいあいとした雰囲気だと思います。上下関係も、いわゆる縦社会のような厳しいものではありません。部長や課長といった管理職の方々もすごく身近な存在で、私たちの目線に合わせて親身に接してくださいます。風通しが良く、若手でも意見が言いやすい雰囲気があるのは、八幡市役所の大きな魅力だと思います。
ー仕事のやりがいを感じるのは、どのような瞬間ですか?
こじま:やはり、市民の方の生活に直接関わっていると実感できる瞬間です。住民票や戸籍の証明書など、私が点検し、最終判断したものが、そのまま市民の方の手に渡っていきます。自分の仕事が、誰かの大切な手続きや人生の節目を支えている。そう考えると、責任の重さを感じますが、やりがいも感じますね。

ーワークライフバランスについてもお伺いしたいのですが、残業はどのくらいありますか?
こじま:私は一度集中すると没頭してしまうタイプなので、自主的に残って作業することもあります。特に、3月や4月といった転出入が増える繁忙期は、やはり窓口が非常に混み合います。その影響で業務が立て込み、週に2、3日ほど、2〜3時間程度の残業をすることもあります。
ただ、それはあくまで繁忙期に限った話で、それ以外の時期は週に1回か2回、残業があるかないか、といった程度です。もちろん、定時で帰る日もたくさんありますよ。
ー最後に、八幡市で働く魅力と、これから応募される方へのメッセージをお願いします。
こじま:私たちの仕事は行政事務なので、何事もきちっと丁寧に進められる方が向いている部分もあると思います。そして何より、八幡市は歴史ある名所なども多く、とても魅力的な街です。部署によっては、そうした街の魅力に直接関わる仕事もできます。
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年6月取材)