新潟県妙高市役所の観光商工課で働く長谷川さんのインタビュー記事です。
学生時代に国際関係や異文化理解について学んでいたという長谷川さんですが、妙高市の魅力に惹かれ、地域貢献したいという思いから妙高市役所への入庁を決めたとのことです。
なんと、入庁後わずか1ヶ月で国際交流事業に携わり、その関係で実際にスイスを訪問するなど、若いうちから幅広いフィールドで活躍している経験をお持ちです。そんな長谷川さんに、妙高市役所で働く魅力ややりがい、そして実際の業務内容などについて詳しくお伺いしました。
―まずは簡単に自己紹介をお願いします。
長谷川:出身は妙高市の隣の上越市です。高校までを上越市で過ごし、大学は新潟市内の大学に進学しました。
大学では国際地域学部で韓国語を専攻し、言語以外にも、東アジア地域の国際関係、歴史、文化などを幅広く学びました。卒業後は妙高市役所に入庁し、現在に至ります。
―国際関係のことを学びながら、なぜ公務員を目指そうと思ったのでしょうか?
長谷川:実を言うと、大学入学当初は空港のグランドスタッフのような仕事に憧れていました。大学で学んだことを活かすため、漠然と国際的な仕事に就きたいと考えていたのですが、大学2年生の時にコロナ禍が始まり、観光業や航空業界への就職が難しくなるという状況を目の当たりにしました。
そんな中、公務員である親の影響もあり、地域に貢献できる仕事にも魅力を感じるようになりました。そこで方向転換し、公務員を目指すことに決めたんです。
―数ある自治体の中から妙高市役所を選んだ理由をは何だったのでしょうか?
長谷川:妙高市は自然豊かな場所で、上越市に住んでいた私も昔から馴染みのある場所でした。学生時代にはスキー学習で妙高市のスキー場を訪れたこともあります。
大学生の頃は新潟市内で一人暮らしをしていたのですが、長期休暇で帰省するたびに妙高山が見える田畑ののどかな風景に癒されていました。
妙高市には豊かな自然を生かした観光資源がたくさんありますし、その魅力を多くの人に知ってもらうことで地域の発展に貢献したいと思ったんです。地元上越市や新潟市など、他の自治体も考えていましたが、最終的には妙高市に一番魅力を感じ、ここで働きたいと強く思いました。
―就職活動はどのように進められましたか?
長谷川:大学3年生の夏頃から本格的に就職活動をスタートさせました。公務員試験対策の予備校に通い、筆記試験や面接対策に励みました。妙高市役所については、ホームページで情報収集したり、合同説明会に参加して人事担当者の方と話したりする中で、より具体的な業務イメージを持つことができました。
大学には就職活動サポートセンターがあったので、スタッフの方に面接練習やエントリーシートの添削をお願いしたりもしました。また、親も公務員だったことから、時間があれば親にも面接練習に付き合ってもらっていました(笑)
今になって一番役に立ったと思うのは、実際に市役所や自治体に勤めている先輩や知り合いの方から話を聞いたことですね。具体的な仕事内容や、就職活動のアドバイスなどを聞くことで、面接にもエントリーシートにも応用することができたと思っています。
―やはり実際に働いている人と話すことは大切なのですね。続いて、現在の業務内容について教えていただけますか?
長谷川:現在は観光商工課観光交流グループに所属しており、大きく分けて4つの業務を担当しています。
1つ目は広域連携事業で、上越地域や長野県の北信地域といった近隣自治体と連携して観光振興に取り組んでいます。観光情報誌や広域観光マップの作成、合同イベントへの参加・PR活動などを行っています。

2つ目は観光入込統計の業務です。妙高市にはスキー場やゴルフ場、ゴンドラなど多くの観光施設があるので、各施設に問い合わせて観光客の入り込み状況などの統計データを集計しています。
3つ目は友好都市・姉妹都市との交流事業です。国内の友好都市(大阪府吹田市、愛知県北名古屋市、東京都板橋区)とは産業フェアへの出店や物産展への参加など、経済交流も行っています。海外の姉妹都市(スイスのツェルマット村、スロベニアのスロヴェニ・グラデッツ市、オーストリアのシュルンス村・チャグンス村)とは主に学生を中心とした文化交流を行っています。


4つ目は妙高市の公式キャラクター「ミョーコーさん」に関する業務です。着ぐるみの貸し出しや、キャラクターデータの使用許可申請に関する事務手続きなどを担当しています。
―国内外、そして多岐にわたる業務を担当されているんですね。今までで特に印象に残っているお仕事はありますか?
長谷川:入庁1ヶ月後に、姉妹都市であるスイスのツェルマット村から中学生の訪問団と村長さん、観光局長さんが妙高市に来られることとなり、その際の訪問団の受け入れ業務を私が担当したのですが、私にとって初めての大仕事だったということもあり、とても印象に残っています。
学生の交流事業自体は、こども教育課が所管ですが、村長さんや観光局長さんなどの来賓対応は観光商工課が担当しています。入庁したばかりで右も左も分からない状態でしたが、前任者から引き継ぎを受け、こども教育課をはじめ関係者の皆様と連携しながらなんとか無事に受け入れを終えることができました。
この経験を通して、臨機応変に対応する力やコミュニケーション能力の大切さを学びましたし、大きな達成感を得ることもできました。
また、この経験がきっかけとなり、今年9月には市民訪問団をツェルマット村に派遣する事業の担当となり、私も同行させていただきました。まさか市職員としてスイスに行くなんて思っていなかったですし、妙高市でしかできないような経験でしたね。今でも忘れられない思い出です。
―国際関係の仕事に携わることができたのですね。長谷川さんが、働く中でやりがいや魅力を感じるのはどんな時ですか?
長谷川:国際交流事業のように、大きなプロジェクトを無事に成功させられた時はもちろんですが、情報誌の作成など、積み重ねてきた仕事が形になった時にもすごくやりがいを感じますね。市役所の仕事は、チームで進めるものが多いため、職場の上司や同僚、関係者の方々と協力して目標を達成できた時は、大きな喜びを感じます。
また、市民や関係者の方から御礼の言葉をいただいたり、情報誌の反応がよかったりしたときのほか、私は妙高市が好きなので、自分の業務が何らかの形で地域貢献につながっているという実感も、日々の仕事のモチベーションに繋がっています。

―入庁前に思い描いていた公務員像と、実際に働いて感じたギャップなどはありますか?
長谷川:公務員というと窓口業務のイメージが強かったのですが、私の所属する課では都市交流や観光振興といった幅広い業務に携わることができ、良い意味でギャップを感じました。
また、入庁前は決められたことに沿って仕事を進めていくイメージを持っていましたが、観光事業は情勢の変化に柔軟に対応していく必要があり、臨機応変さも求められる仕事だと感じました。入って1ヶ月で想像以上に責任ある仕事を任されたというのも、正直驚いたところですね(笑)最初は戸惑いばかりでしたが、その分やりがいも大きく、成長を実感することができました。
市役所というと、その自治体の中だけの業務だと思うかもしれませんが、国の施策や世界情勢、地域の特性など、幅広い知識が必要とされる仕事なので、常にアンテナを張って情報収集を行うことも必要となります。先輩や上司の判断力や決断力、スピード感溢れる仕事ぶりを間近で見ることができるので、日々とても勉強になりますね。
―働く環境として、妙高市役所の雰囲気はいかがですか?
長谷川:妙高市役所は、アットホームで働きやすい職場だと思っています。あまり大きくない市役所なので職員の人数は少なく、とてもいい距離感で働くことができますね。
人数が少ないため、どうしても一人ひとりの業務量は多くなりますが、上司や同僚にも恵まれており、何でも相談しやすい雰囲気なので、一人で抱え込んでしまうようなこともありません。
休暇も比較的取りやすいので、何か趣味がある人にとっても、プライベートとの両立がしやすい環境だと感じています。
―最後に、求職者の方へのメッセージをお願いします。
長谷川:妙高市は観光資源が豊富なため、他の市町村や観光協会の方々と連携して仕事をする機会が多く、様々な地域について学ぶことができます。他の地域の良いところや課題を知ることで、自分の地域について改めて考えるきっかけにもなりますし、地域の発展のために何ができるかを考える良い機会にもなります。
妙高市役所でしかできない経験を通して、地域に貢献しながら自分自身も大きく成長できる職場です。ぜひ一緒に妙高市を盛り上げていきましょう!

―本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年1月取材)