甲賀市役所の面接を受けた理由
家族も仕事も大切にしたい。子育てしながら働ける場所を探し、巡り合った場所。
私が大学を卒業したのは、バブル崩壊後の不景気の最中。特に4年制大学の文系卒の女性には、企業の就職口がほとんどない状態でした。OLとして働くことを諦め、地元に戻って農協に就職。3年後に転職し、営業所の営業事務・経理を2年経験しました。
転職を意識したきっかけは、結婚が決まり、ライフプランを考えたことです。当時の会社にあったのは、産休制度のみ。育休制度がない以上、結婚、妊娠を経て働き続けることは難しいと考えました。
結婚し子どもを産んだ後も働けるところに転職したいと、就職活動を開始。家から近く、地元で子育てしながら働けるところを探す中で、たまたまめぐりあったのが、旧甲南町役場でした。
これまでの職歴、教えてください。
産休・育休制度を活用しつつ、複数の仕事を経験。
女性活躍推進室の室長として、働き方を多岐に渡りサポート。
平成11年に入庁した後は、かなり短いスパンで異動しています。最初は、今でいうところの保険年金課。1人目の産休・育休後は、障害福祉課。2人目の産休・育休中に甲賀市として合併。復帰後は、介護保険や各旧町の支所の窓口を経て、その後、なぜか1年だけ下水道関係の課に配属されました。自分でもびっくりしましたね。
その後、再び保険年金課で4年。そして商工労政課に配属になり、令和2年度には5年目を迎えました。平成29年から課の中に女性活躍推進室が設置され、平成30年からは私も女性活躍推進室のメンバーとして働いています。
これまでで一番やりがいを感じたことと言えば・・・
前例がないことにチャレンジ。
県内初の「女性のお仕事フェア」を企画・開催。
最も大きな転機となったのは、商工労政課に配属されたこと。住民さんの対応は、法にのっとり手続きをさせていただくことが主な仕事です。ただ、女性活躍推進に関しては、前例がないことを一から考えて組み立てる必要がありました。ストレスも不安もありましたが、成し遂げたときの充実感は、とても大きかったですね。
特に印象に残っているのは、女性のお仕事フェアです。託児付きの就職面接会は、当時県内の自治体で実施されているところがなく、ノウハウも全くない状態でした。ハローワークさんをはじめ、いろいろなところにご協力いただきました。正直、参加者も参加企業も、数が全く読めない状態。
参加者30人なら御の字だと思っていましたが、最終的な参加者は100名。実際に就職に結びついた方もたくさんいらっしゃいました。初めてのイベント開催ということもあり、特に印象に残っています。
この仕事を通して思うこと、感じること
部署移動は転職と同じ。いろいろな仕事を経験することで、得るものは大きい。
市役所にはいろいろな部署があり、異動は「転職」だと思います。いいこともあり、大変なこともありますが、いろいろな仕事ができるのは、大きなメリット。
私たちの仕事は、知っていると得することばかり。生活に密着しているし、働きながらいろいろな情報が得られる。地域の人たちと働ける。ただ、異動したら転職したのと一緒だと思って、一からチャレンジしてほしいですね。
私も、今の仕事は企業さんとのつながりがメインです。ただ、コミュニケーションの大事さと、丁寧に説明することで信頼関係が生まれるということは、窓口対応の頃から感じていたこと。仕事内容が変わっても、過去の経験は、役に立つと思います。
これからチャレンジしたいこと
今までのやり方を見直しつつ、新しい方法にもチャレンジを!
令和2年は新型コロナウイルス感染症の影響で、中止になったイベントもあり、少し不完全燃焼な部分もあります。感染対策の配慮をしつつ、楽しい企画をつくりあげていきたいですね。
ただ、イベントをオンラインに切り替えたのも初めての経験でした。今までのやり方を見直したり、新しいことにチャレンジできたりした年でもありますね。現状を踏まえた上で、最良の方法を探していきたいです。
これから同僚になるかもしれない、あなたに向けて
私にとって、市役所は「子育てしながら働ける場所」です。ただ、誤解していただきたくないのですが「仕事が楽」という意味ではありません。自分の子どもや高齢になってきた親の近くで働くことで、何かあってもすぐに駆けつけられる安心感は、とても大きい。
家族のことも大切にしながら、自分の知識を深める業務に携わり、地元に貢献できる。市役所職員として働くことの、大きな魅力だと思います。
市役所は、マニュアル通りの仕事もありますが、臨機応変な対応が求められる部分もあります。法令遵守は原則ですが、市民さんも企業さんも個別の事情をお持ちです。その上で、柔軟な気持ちを持ち、対応できる方。何かを始めるときに、新しい発想で提案ができる方に来ていただきたいですね。
私自身も今、壁にぶち当たっているところです(笑)。だからこそ、私個人としても、女性活躍推進室としても、新しい発想を出してくれる人は大歓迎です。
(本インタビューは令和2年度に実施した内容となります)