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小千谷市役所

 新潟県のほぼ中央、日本一の大河・信濃川により形成されたまち・小千谷。  美しい山河に恵まれた、文化の香りゆたかなこのまちは、すべての市民の誇りです。  このまちには、どこよりも、自然と人、人と人が、互いに高めあい協奏しあいながら育んできた伝統があります。未来をもっと素敵に変えていこうと、夢に取り組む真剣な眼差しがあります。  そんなふうに、ふるさとを愛する気持ちがあふれているから、今日も小千谷にはやさしい笑顔のハーモニーが高らかに響いているのです。

【消防士_(R8.3月時点)】「守る」という決意に、性別は関係ない。小千谷初の女性消防士が歩んだ7年間の軌跡と、変化する組織

小千谷市役所

2026/03/27

「消防士になりたい。でも、男の人ばかりの世界でやっていけるのかな…」そんな不安を抱えながらも、幼い頃に抱いた「人命救助」という夢を叶え、新潟県小千谷市初の女性消防士として走り続けてきた星野さん。採用から7年、彼女が現場で見つけたのは、力強さだけではない「女性ならではの視点」が生む安心感と、性別の垣根を越えて切磋琢磨し合える温かな組織の姿でした。

 

当初は「自分だけが女性」という環境に緊張もありましたが、今では救急現場の最前線から事務仕事、そして次なる目標である「機関員」への挑戦と、その活躍の幅を広げています。小千谷市消防本部が整えてきた、女性が安心して仮眠や生活を送れる最新の設備や、先輩・後輩がフラットに意見を交わし合える風通しの良さ。

 

「まっすぐな気持ちがあるなら、不安を持たずに飛び込んできてほしい」。そう笑顔で語る星野さんの言葉から、これからの時代の消防士という仕事の在り方、そして自分らしく働くためのヒントを探ります。

 


東日本大震災のニュースが原点。夢を叶えて7年目の現在地

ー星野さんは入庁して7年目とのことですが、まずは現在のお仕事内容を教えていただけますか?

 

星野:私は令和元年度の採用で、今年で7年目になりました。現在は総務課庶務係に配属されておりまして、主に伝票処理や費用弁償関係などの事務仕事を担当しています。

 

消防の仕事というと現場のイメージが強いかもしれませんが、組織を運営するための事務も非常に重要な役割なんです。もちろん、現場出動も行っています。主にポンプ車に乗る消防隊としての活動が中心ですが、今は機関員(※)になるための訓練を日々重ねているところです。

 

おそらく来年度からは、立ち位置的にも本格的に機関員として活動することになるのではないかと、日々心地よいプレッシャーと期待感を感じながら過ごしています(笑)

 

※総務課での事務作業中の星野さん

ーそもそも、星野さんが消防士を志したきっかけは何だったのでしょうか?

 

星野:私が消防を志したきっかけは、東日本大震災です。当時、震災のニュースを見ていたときに、消防士の方が懸命に人命救助をしている姿をたまたま目にしたんです。その光景に強く心を打たれ、「私もこの仕事に就きたい」と直感的に思いました。

 

そこからは目標がブレることはなく、専門学校へ進学して試験を受け、念願の小千谷市消防本部に入ることができました。

 

救急現場で実感した「女性だからこそ」できる寄り添い

ー実際に現場に出る中で、仕事のやりがいをどのような時に感じますか?

 

星野:やはり、救急現場などで傷病者やそのご家族から直接感謝の言葉をいただいた時ですね。特に、女性の傷病者に対応した際、「女性の隊員さんがいてくれて、すごく安心した」と言っていただけることがあります。

 

男性隊員には少し答えづらいような女性特有の疾患や悩みについても、女性同士であれば話しやすいという面があると思うんです。相手に寄り添った、女性ならではの柔軟な対応や細やかな配慮を心がけているので、そうした姿勢が安心感に繋がったと感じられる瞬間は、この仕事をやっていて本当に良かったなと大きなやりがいを感じます。

 

ー女性ならではの強みは、組織としても活動の中で意識されているのでしょうか?

 

星野:はい、隊全体でそういった意識を持っていると感じます。

 

例えば、救急現場で心電図を貼る際など、女性の傷病者であれば、隊長から「星野が貼ってくれ」と指示が出ることもあります。現場の状況に応じて、「ここは女性隊員が対応した方が傷病者のためになる」と判断してくれるので、自分の存在意義をしっかりと感じながら活動できています。

 

私自身、まだ「自分ならではの強み」を日々探している途中ではありますが、少しずつステップアップしている実感はありますね。

小千谷初、自分だけが女性消防士。不安を解消した職場の絆

ー小千谷市初の女性消防士として入庁されたとのことですが、環境面や人間関係で不安はありませんでしたか?

 

星野:正直に言うと、最初はすごく不安でした。男性ばかりの環境の中に一人で飛び込んでいくわけですから、もちろん緊張もしましたし、「やっていけるのかな」と思うこともありました。

 

でも、実際に働いてみると、皆さん本当に平等に接してくれるんです。「女だから」という偏見や壁を感じることはなく、一人の消防士として、仲間として尊重してくれます。職場はすごく雰囲気が良くて、適度なコミュニケーションがありますし、夜ご飯を食べている時などは後輩にいじられたりするくらいフレンドリーな関係なんです(笑)

 

でも、訓練や仕事の時はみんなピシッと切り替える。そのメリハリがある環境が、私にはすごく心地よいですね。

ー設備面など、女性が24時間勤務をするための環境はいかがですか?

 

星野:そこは本当に素晴らしいと思います。女性用の仮眠室は、暗証番号制のオートロックになっていてセキュリティが万全です。中には専用のシャワー室、洗面台、トイレ、さらには洗濯機まで完備されていて、とても広くて快適です。

 

他の消防本部の方と話していても、ここまでセキュリティや設備が整っているケースは珍しいようで、「小千谷はいいね」と言われることもあります。

 

「日勤」から「当直勤務」へ。現場主義で磨くスキル

ー消防士特有の「当直勤務」という働き方についてはいかがですか?

 

星野:実は私、入庁1年目だけは日勤を経験したんです。同期がすぐに当直勤務に入る中で自分だけが日勤だったので、当時は「早く現場に出たい、当直勤務になりたい」という思いがすごく強かったですね。

 

2年目から念願の当直勤務になって感じたのは、やはり現場に出る回数が増える分、経験できることの幅が圧倒的に広がるということです。先輩方と一緒に過ごす時間も長くなるので、コミュニケーションも深まりますし、より一層のやりがいを感じられるようになりました。

 

確かに体力的にハードな面はありますが、今は日勤よりもこの働き方の方が自分に合っているなと感じています。

ー事務仕事と現場出動を両立させるのは大変ではないでしょうか?

 

星野:確かに、事務仕事の最中に出動がかかると、作業が中断されてしまうので大変な部分もあります。特に私がいる庶務係は仕事量も多いので、遠方の病院への搬送などが重なると、半日くらい事務が止まってしまうこともありますね。

 

でも、事務をやりながら現場にも出られるからこそ、ずっと消防士としての最前線に立っていられるんです。大規模な消防本部だと事務と現場が完全に分かれているところもありますが、小千谷のように「どちらも経験できる」スタイルは、スキルアップという点でも非常に魅力的な環境だと思っています。

 

 

未来の仲間へ。一歩踏み出す勇気が、誰かの安心に変わる

ー今後の目標や、これから挑戦していきたいことを教えてください。

 

星野:まず一番の目標は、消防車の機関員として独り立ちすることです。確実に車両を操り、現場で最適なポンプ運用ができる知識と技術を完璧に身につけたいと思っています。

 

そして将来的には、後輩たちをしっかりと指導できる存在になりたいです。本部業務でも現場の業務でも、「星野さんに聞けば大丈夫」と思ってもらえるような、頼れる先輩を目指しています。

 

今はまだ私一人ですが、これから入ってくる女性の後輩たちが、この小千谷市消防本部で伸びのびと活躍できるよう、良い環境を築いていきたいですね。

 

ー最後に、消防士を目指している女性や、興味を持っている方へメッセージをお願いします。

 

星野:「女性だから…」という理由で不安を感じているのなら、その心配は必要ありません。小千谷市消防本部には、性別に関わらず挑戦を支えてくれる仲間と、安心して働ける環境が整っています。

 

消防士になりたいという真っ直ぐな気持ちがあるなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。現場で感じる責任の重さは、そのまま誰かを助けた時の喜びとやりがいに変わります。あなたの勇気が、市民の皆さんの安心を支える力になります。

 

私たちと一緒に働ける日を楽しみに待っています!

 

ー本日はありがとうございました。

 

「消防士になりたいという、そのまっすぐな気持ちが少しでもあるなら、不安を持たずに飛び込んできてほしい」インタビューの中で星野さんが口にされたこの言葉が、とても力強く、温かく胸に残りました。かつて震災のニュースを見て憧れた少女が、今では小千谷市の安心を支える立派な消防士となり、さらに高みを目指して訓練に励む姿は、性別を問わず多くの人の背中を押してくれるはずです。初の女性消防士として、道を切り拓いてきた星野さん。その足跡は、後に続く後輩たちにとって、何よりも頼もしい道標になるのだと感じました。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年3月取材)

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