愛荘町役場で下水道料金担当として働く河合さんのインタビュー記事です。信用金庫で7年間営業職として勤務後、30代で愛荘町役場へ転職。地元への想いと、金融機関での経験を活かし、住民との繋がりを大切にする河合さんに、転職のきっかけや仕事のやりがい、民間企業との違いについてお話を伺いました。
―今までのご経歴から教えていただけますか?
河合:大学卒業後、地元滋賀県内の信用金庫に就職して丸7年勤めて、2024年の4月に愛荘町に入庁しました。民間時代は営業職を経験しています。
―就活時は公務員は全く考えてなかったんですか?
河合:もともとは公務員の道も考えていました。ただその時にはご縁がなく、民間へ進みました。その後、ご縁があって、愛荘町に昨年のタイミングで転職をしたという流れです。
―なぜ公務員志望だったのですか?
河合:まずは地元滋賀で働きたいという思いです。それはもちろん、民間時代も達成はできていたのですが、営利企業ではあるので利益を重視する仕事ではなく、直接住民の方と携わり貢献していく仕事がしたいと思っていました。このため、いつかは公務員と思い、転職活動をしていました。
―では試験対策もされていたのですか?
河合:面接対策の動画など、合間に見ていましたね。 実際、本番の面接は1回だけで町長をはじめ管理職の方5人の面接で緊張感がありましたが、色々と準備して臨めたと思います。
もちろん、準備していない質問もあったので戸惑いましたが、何とか答えられました。
―では入庁されてからの仕事を教えてください。
河合:建設・下水道課の下水道料金担当として、毎月住民の皆さんが使われる下水道使用料の料金算出、納付書の発行、口座引き落としデータの作成や、家の新築やリフォーム後の宅内検査などを行っています。
手続き系の仕事がメインですが、窓口に来られて料金を支払われたり、下水道を使うにあたっての届出を受け付けたりといった住民対応も行っています。あとは検査については関係業者とのやり取りがあります。
―体制も教えてください。
河合:課としては12人ですが下水道担当は2人です。もう1人は下水道の工事関係をメインで担当しているので、料金事務は私が基本的には担当しております。
―まずどのように仕事を覚えていったのですか?
河合:前任の方と、入庁2ヶ月くらいは一緒に手続きを進めていきました。前任者は別の課に異動されたので、わからないことがあると電話で確認したり、マニュアルを見たりしていました。それで大体の仕事を覚えて、6月ぐらいから1人で進めておりました。
―何が一番大変でしたか?
河合:納付書を作成する業務です。やったことはもちろんないですし、1,000枚以上印刷してすべて対応しなければいけません。料金を算出し、種類に分けて印刷し、仕分け、発送していくという作業で、期限も厳密に決まっているので、このときは残業もありました。
徐々に慣れてくると事務作業も早くなってくるのですが、それが8月9月ぐらいからでした。ルーティン的にやることは決まっているので、慣れていくことがまずは重要でしたね。
―民間での経験が活きている点もありましたか?
河合:営業職は話すことが基本なので、その点は町民の方と話す上では役に立っていると思います。そこまで接し方に違いもないと私は感じているので、営業として話をするノウハウもそのまま活きています。
―逆に、公務員として民間とのギャップを感じる部分はありますか?
河合:常に見られているという感覚はやはり違うと思います。これは仕事をしているときだけではなく、休憩中もそうで、やはり町民の皆さんがお客さんなので、常に気をつけなければいけません。

―仕事のやりがいはなんでしょうか?
河合:最初は覚えてこなしていくのに精一杯でしたが、徐々に業務に関して、意見を言えるようになってきました。そうして自分の意見から改善につながっていくこともあり、その点でやりがいがあると思います。
業務フロー的な点は先ほど話したとおりですが、料金を滞納している方とのやり取りなどまだまだ経験を積む必要があるところです。お金に関わることですからルールも正確に把握する必要がありますし、話しあうのも難しいです。さらに経験を積んで実力をあげていかなければいけない業務があるというのも、前向きに考えています。
―職場での職員同士の関係はいかがですか?
河合:もちろん先輩ばかりですがあまり気を使う環境でもないのでありがたいです。年齢としては自分より年下の方もおられます。最初は、勤続年数や先輩後輩といった上下関係を気にしており、気も使っていました。
しかし、向こうから積極的に話しかけていただき、徐々に関係性もできてきたので、あまり気を使わず接することができるようになってきました。そうやって年次や年齢を意識しすぎない関係も非常に良い環境だと感じています。
―働く雰囲気は前職とは違いますか?
河合:そもそも組織としての目標ややっていることが異なるので雰囲気も違うと感じます。金融機関ですと数字、結果をあげることが大事なので、チームとして数字達成に向かって一丸となる、という方針で雰囲気にもそれが現れています。現在は、課の仕事自体が生活インフラを支えるものであり、何かを達成するというよりも現在のサービスが正しく回っていることが重要です。このためそれぞれが自分の担当業務をきっちりこなしていく、という進め方が雰囲気にあらわれています。
とはいえ、じゃあ皆さん黙々と働かれているかというと、雑談も多く皆でよく話をしています。カチッとして堅い雰囲気ではなく、楽しく毎日働けていますね。

―ワークライフバランスはいかがですか?
河合:大体毎日17時台に帰れており、整っていると感じます。子どもの関係で急遽休むこともありますが、その点も問題ないですし働きやすい環境であると思います。
―プライベート含めたつながりはあるのですか?
河合:私はむしろ早く馴染んでいくためにどんどん課の方々と関わるようにしていました。幸いなことに、愛荘町では職員組合などで行事を多く組んでくださっていたので、そちらに参加することで早く馴染んで行けたと思います。
ただの食事会というだけではなく、ボーリング大会とか、ニュースポーツ大会とか、日帰り旅行などもあります。そういったものにはできるだけ参加して、普段話す機会のない職員の方と交流するようにしています。
―最後に、愛荘町役場で働くうえでの魅力を教えてください。
河合:営業時代は、数値目標もあり仕事として追い込まれていく、強く負荷を感じることも多かったですが、そういったストレスは減ったと思います。
自分の責任で業務をこなし、職場の皆さんとの雰囲気もよく働きやすい職場です。この点が転職して最も良かった点です。
―本日はありがとうございました
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年2月取材)